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151話

「おぉ!コウ殿お久しぶりですな!」


「久しぶり村長。元気そうだな」


「勿論元気ですとも!今日は何の御用ですかな?」


 久しぶりにクルツ村に来たのだが、村の雰囲気は前と変わらずのんびりと落ち着いた場所となっており、村長も元気そうである。


 村長に要件を聞かれたのでコウが今回しようとしていることを掻い摘んで軽く説明していく。


「ということなんだがどうだ?」


「ふむぅ...村に危害が無ければ構いませぬぞ」


「ん、ありがとう。とりあえず村のどこかで試させてもらうさ」


 魔道具であるゴーレムを使う許可は得る事が出来たのでコウ達は先程まで歩いて来た道を同じ様に戻る。


 時折、クルツ村の子供達が寄ってくるので魔法で小鳥や氷の結晶などを作って楽しませる。


 この様な辺境の村は娯楽が少ない為かこんな些細な魔法に驚いたり楽しんだりしている子供達を見ているとついつい頬が緩んでしまう。


「コウさんは子供の相手が上手ですね〜意外です〜」


「意外とは何だ意外とは...というか孤児院でも相手してたろ」


「あ〜そういえばそうでしたね〜」


 コウ自身子供の相手は嫌いではないし、この世界に来る前までは親戚の子供や近所の子供と遊んでいたので慣れているのであろう。


 まぁその記憶も今となっては薄っすらと覚えている程度であるのだが。


「よし。入り口に着いたしゴーレムを使ってみるか」


 村の入り口付近に到着するとコウは収納の指輪からゴーレムの魔道具とワイバーンの魔石を取り出し、中央の窪みへと嵌め込む。


 すると関節と関節の繋ぎ目部分に一瞬だけ青白い光が走ると動き出し、コウの手元をするりと抜けて地面へと着地する。


「ゴッー!」


「おぉ動いた!って...どこから声を出してるんだ?」


「なんか可愛らしいです〜」


 着地したゴーレムはコウに向かってビシッとした姿勢で敬礼をしており、なんだかマスコットキャラにも見えなくない。


「じゃあジャンプしろ!」


「ゴッ!」


 とりあえずコウは試しに簡単な指示を出してみると、それにゴーレムは反応する様に返事をして地面を蹴り上げジャンプする。


 ジャンプした高さはコウ2人分ほどまで跳躍しており、意外にも跳躍力はあるのは驚きだ。


「よし。じゃあ次は...森でゴブリンを倒してこい!」


 簡単な指示が伝わるのなら今度は難しい指示はどうだろうと思いコウは手のひらの上に自身の魔法でゴブリンの形をした氷のフィギュアを作りゴーレムに見せる。


「ゴッ!」


 ゴーレムは再び敬礼と返事をするとそれなりの速度で走りだし、村の入り口を出ていってしまった。


「いっちゃいましたね〜」


「まさか指示を聞くと思ってなかったな...待ってみるか」


 10分程ゴーレムが出ていった村の入り口でライラと雑談しながら待っているとズリズリと何か引きずる様な音が聞こえてくる。


「もしかして...」


 コウの予想通りズリズリと何かを引きずる様な音はゴーレムがゴブリンの死骸を引きずる音であった。


「ゴッー!」


「お疲れ様。大丈夫だったか?」


「ゴッ!」


 目の前までゴブリンの死骸をゴーレムは持ってくると再び敬礼をしだす。


 特にゴーレムはゴブリンとの戦闘で破損している箇所も無く、多少の血が付着していた。


 死骸であるゴブリンは打撲された様な感じになっており、至る所の骨が折れている様で身体は変形して元の形とは程遠い。


「ゴブリン程度なら余裕そうだな」


 所詮ゴブリンなのでまだどれくらいの強さかは分からないし、村の防衛に使うのであれば多少なりとも強くないといけない。


「じゃあ次は...そうだな俺と戦って貰おうか」


 ゴーレムの強さが分からなければ戦えばいいじゃないと言う結論に至ったコウは収納の指輪の中に入っている盗賊から奪った片手剣を取り出し構える。


「ゴッ!」


 ゴーレムもコウの言葉を理解したのか拳を構え、お互いに様子を伺って動かない。


 そして近くにある木の葉が落ち、ゴーレムの姿と重なり一瞬だけコウの視界から見えなくなった瞬間にゴーレムは動き出した。


 別に油断していたわけでは無い。だが思った以上にゴーレムの動きは素早く視界に捕らえた時には足元に居た。


「くっ...!」


 足元に居たゴーレムはコウの顎に目掛けてジャンプし、拳を突き出してくるがコウは仰け反り紙一重で躱すが少しだけ掠っていたようでかすり傷ができ血が滲む。


 滲んだ血を腕で拭うとジャンプして身動きの出来なさそうなゴーレムに対して片手剣の柄を振るうがゴーレムは腕をクロスして上手くガードした。


 そのまま片手剣の柄を上手いことガードしたゴーレムは吹き飛ばされるが、空中で体制を整える様に回転し、吹き飛ばされた先にある木をクッションとして使って地面に着地する。


「意外にやるな。今度はこっちから行くぞ!水球!」


 魔法を唱えビー玉程の大きさをした水球がぶくぶくと何も無い空間からコウの周りに10個作り出され、コウはゴーレムに向かって片手剣を前に振ると作り出された水球達は次々と撃ち出される。


「ゴッ!ゴッ!ゴッー!!!」


 ゴーレムは撃ち出された水球を華麗に躱しつつコウの元へ向かってくるがコウもそこまで甘くはない。


「甘いな。足元がお留守だぞ」


「ゴッ!?」


 コウの半径1m程にゴーレムは近づくと魔法陣がゴーレムの足元に展開され、一気に大量の水が空へ柱を作る様に噴き出た。


 噴き出される水にゴーレムは巻き込まれ逃げようにも水流がありとあらゆる方向にぐるぐると乱れるので逃げれないようだ。


「ゴ〜〜〜〜〜〜!!!」


 ギブアップと言わんばかりに天高くまで噴き出ている水の柱の中からゴーレムの叫び声が聞こえてきたのでコウは指をパチンと鳴らし、魔法を解く。


 すると空高くまで水流で連れて行かれていたゴーレムが空から頭から真っ逆さまに落ちてきて地面へとめり込む。


「...すまん大丈夫か?」


「ゴ〜...」


 片手剣を収納の指輪の中へ仕舞いつつ、地面からゴーレムを引き抜き破損していないか確認を一応するが特に壊れていそうな部分は無く、返事もくれたので問題はなさそうである。


 ゴーレムと戦った感想としてはそれなりに強く、盗賊程度なら簡単に制圧できそうなぐらいであるため村の防衛としては申し分ないだろうし、後6体もゴーレムはいるのである程度の魔物も返り討ちにできるはずだ。


 知能もワイバーンの魔石のおかげで賢く細かく命令して村人や旅人などを襲わなくすればいいだろう。


 しかし問題点が1つだけ残っていた。


 それはゴーレムの胸の中心部にある魔石についてだ。


 ワイバーンの魔石ならば長いことゴーレムが稼働することが出来るだろうがいずれは魔石に込められた魔力が尽きてしまう筈である。


 そうすると定期的にクルツ村に来て魔石の交換をしないといけないであろう。


 クルツ村にお願いするとしても資金もあまり無く、魔石を買えず結局ゴーレムが動かない人形になってしまうのは良くない。


「ん〜どうするかなぁ...」


 コウは魔石のことについて腕を組み、どうするか頭を悩ませていると近くに立っていたゴーレムは動き出し、ゴブリンの死骸によじ登るとゴブリン胸の中心部に手を突っ込み何かを探し始めるのであった...。

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