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125話

 コウ達は一時の休息を満喫するとテントや湯船、陣幕などを収納の指輪の中に仕舞い込みダンジョンの奥へ進んでいくための準備が終わる。


 先程まで近くで休憩していたエルフ達で構成されたパーティーであるディアフォレストは地上へ出るため既に出発しており、この場にいる残り組はコウ達のみとなっていた。


「よし...じゃあそろそろ行くか」


 道は2手に分かれているが地図を見る限り左の道を示している。


 別ルートの地図も売っているらしくきっと右の道も2階層に通じているかもしれないが、持っている地図に示されていない道を行く必要はないだろう。


 地図に示された左の道を進んでいくと天井からは滲み出た水が滴り落ち、ちらほら小さな蜘蛛の巣や小蜘蛛の死骸が煉瓦状の道に転がっているので踏まないように歩いてく。


「先に出発したパーティーがあらかた片付けてくれたみたいだな」


「そうみたいですね。もしかしたら予定より早く2階層に到着できるかもですね」


 まぁ2階層に早く到着できるならそれに越したことはないだろう。


 1時間ほどだろうか?暫く地図に示された道を迷わないように進んでいくと大広間の部屋へとたどり着く。


 大広間の部屋の奥は最初ゴンドラで1階層に降りてきた場所のような岩壁が続いており、少しだけ外の風景である木などが見えた。


「おっもしかして1層目は終わりか?」


「終わりですね。ただ問題が...天井を見て下さい」


 コウは上を見上げ大広間の部屋の天井を見てみるとそこに大きな白い塊の蜘蛛の巣があって大量の白い繭がぶら下がっており、中にはもぞもぞと動き出しいるのもあって気味が悪い。


 更に体長30cm程の大きさの子蜘蛛が一部の白い繭へと張り付き牙を立てて繭の中のご飯をお食事中のようだ。


 自分達より先に出発した冒険者達が同じルートを通ったとは限らないが繭の数を見る限り、中身はある程度の想像ができた。


 そして子蜘蛛の一部がコウ達の存在に気づいたようで真っ赤な8つの単眼が一斉にコウ達を捉えると新たな獲物だと言わんばかりにこちらへ向かってきた。


「来るぞ!」


 コウの声で一斉に全員が戦闘態勢に入り、こちらへ天井から煉瓦上の壁を這うように向かって来る子蜘蛛を大広間の入口付近で迎え撃つ。


 ギチギチと鳴き声を鳴らしながら子蜘蛛2匹が飛びかかってきたのでサンクチュアリを振るい真っ二つに割ると地面へと転がり断面からは緑の体液がどろりと出てくる。


 あまり踏みたくはないがそんな事を気にしている暇はなく、次々と子蜘蛛が湧き出てきてかなり気持ちが悪い。


「っ...!流石に数が多いな!皆一旦下がってくれ!」


 敵の数が多く多勢に無勢であると判断し、近くで戦っているライラやイザベルを後ろに下げるとコウは魔力を込めて1つの魔法を作り出す。


「降り注げ!垂氷!」


 天井から滲み出た水を小さな氷柱のような形状に変えて迫ってくる子蜘蛛達へと無慈悲に降り注ぐ。


 迫ってくる子蜘蛛達は天井から降り注いでくる小さな氷柱を避けきれずに胴体などへ刺さり次々と絶命してしまう。


 奥から出てくる子蜘蛛の数が減り打ち止めなのか迫ってくることはなくなったが、問題としてダンジョンの道は蜘蛛の死骸でいっぱいとなり、小さな氷柱は蜘蛛の体液により緑色に染まって道を濡らしていた。


「あまり歩きたくないのですが...」


「蜘蛛の餌になるよりかはマシじゃないか?」


「足がぬちゃぬちゃします~...」


「キュイ?」


 全員が蜘蛛の死骸で埋められた道を歩きたくないと思っているのだが、肩に止まっているフェニにはあまり関係ないことなので首を傾げており、羨ましい限りである。


 大量の子蜘蛛の死骸を踏みながら大広間まで入っていき、上を見上げると先程まで白い繭で食事していた子蜘蛛達は天井におらず、もう襲われるようなことはなさそうだ。


 だがダンジョンはそこまで甘くないようで大広間の中心部まで進むと天井にある白い塊の蜘蛛の巣が揺れだしポッカリと空いた穴から体長3m程の白い体毛を纏った真っ赤な8つの単眼持つ巨大な蜘蛛が落ちてくる。


 どうやら自分の産み出した子蜘蛛達がやられたのにお怒りのようだ。


「も~!あとちょっとでここから出れそうなのに~!」


「こいつが親玉だな!」


「あれはホワイトスパイダーのはずですが通常の個体より大きいので気をつけて下さい!」


 ホワイトスパイダーは体制を変えてお尻をこちらに向けるとコウ達をまとめて捕らえるように大きな網状の糸を数個飛ばしてくる。


 各々は飛んでくる大きな網状の糸を避けるために四方へとステップを踏み避けていく。


 飛んできた大きな網状の糸は壁にべったりと張り付き、あれを食らってしまえば身動きは取れないだろう。


 ホワイトスパイダーを囲むように全員は位置取りをすると今度は真上に大広間より少し小さいが目一杯に大きな網状の糸を出しコウ達を捕らえようとしてくる。


「流石にこれは避けれないな!氷牢結界!」


 コウも真上に自身が作り出した水球を上に撃ち出すと大きな網状の糸が降ってくるよりも先に破裂させ氷のドームを作っていき大きな網状の糸を防ぐ。


 しかし氷のドームを作ると中はどんどんと気温が下がり肌寒くなってしまう。


 とはいえ蜘蛛の糸で捕らえられるよりかはマシのはずだ。


 そしてホワイトスパイダーは自身の出す網状の糸でコウ達を捕らえるのは無理だと判断したのか今度はその場で硬直しぶるぶると震えだす。


 すると白い透明な卵のようなものがホワイトスパイダーのお尻から生み出され地面へと30個程落ちていくと同時に白い透明な卵に亀裂が入ってゆく。


「まずいです!またさっきの子蜘蛛を生み出そうとしています!ウィンドカッター!」


「面倒だな!氷槍!」


「キュイ!」


 またさっきと同じ様に大量の子蜘蛛と目の前ホワイトスパイダーと一緒に戦いたくはないのでコウとイザベルそしてフェニは魔法を作り出し卵に向かって放つ。


 コウ、イザベル、フェニの2人と1匹の魔法が白い透明な卵に命中すると全て割れ、子蜘蛛が産まれる前に無事処理はできたようだ。


「じゃあ~動けていませんので上から攻撃させてもらいますね~」


 ライラはいつの間にか硬直状態のホワイトスパイダーの背中へと駆け上がっており、振り上げた拳をホワイトスパイダーへと振り下ろしていく。


 ズドンッ!と大きな音が大広間の中で響き渡り、かなりのダメージを食らったのかホワイトスパイダーからは顎を擦り合わせギチギチとした音が聞こえてくる。


 とはいえまだ死んでいはいないのでコウ達は距離をとってホワイトスパイダーの次の行動を待っていると目の前のホワイトスパイダーの動きが何故か先程よりも随分鈍くなっていた。


「もしかして虫だから寒さに弱いのか...?とはいえ絶好のチャンスだな!」


 ホワイトスパイダーが鈍くなった理由は氷牢結界のお陰であり、コウ達は一斉にホワイトスパイダー向かって走り出す。


 とはいえまだやられてはいないので最後っ屁としてホワイトスパイダーはコウ達に向かってお尻から糸を出そうとするがフェニが先行し、糸の出る部分へと雷球を撃ち出し阻害する。


「ナイスだフェニ!はぁっ!」


 走り出したコウは蜘蛛の左側を担当として左の足をサンクチュアリで1本ずつ切り飛ばしていき、反対側の右足ををイザベルがレイピアで同じように切り飛ばしていく。


 ホワイトスパイダーは合計6本の足が切り飛ばされ地面へと立っていることが困難となり、地面へ崩れ落ちる。


 足を切り落とした断面からは緑色の血が吹き出しており、どんどんと地面を緑色に染めていく。


 そして先程と同じようにライラがホワイトスパイダーの背中に乗り込み拳を連続で振り下ろすと、流石のホワイトスパイダーもこれだけの攻撃を受けてしまい限界だったのか真っ赤な8つの単眼がどんどんと色を失っていき、黒く染まってピクリとも動かなくなった。


「終わった...のか?」


「みたいですね。お疲れ様でした」


「ふぅ~久々に戦って汗を掻きました~早くお風呂に入りたいです~」


「いやちょっと前に風呂は入っただろ...とりあえずさっさとここから出よう」


 ライラにツッコミを入れつつ、コウはホワイトスパイダーの本体と切り落とした足を収納の指輪の中へと回収し、大広間の奥へと進んでいく。


 そして大広間の奥にある岩肌の道を進んでいくとそこには数多の巨木が大地から生え、上を見上げるとの葉と葉の隙間からは太陽の様な光が溢れる場所へと辿り着くのであった...。

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