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108話

「ん~っと...やっと外に出れました~」


 ようやく門の外へと出ると、ライラは凝り固まった解すように両腕を上に向かって上げ、身体を伸ばし朝の冷たい空気を深呼吸していた。


 修道服が伸ばされ、隠れていたライラの豊満な胸が前へと突き出されるが、コウは視線を逸らし、別の方向へと顔を背ける。


「とりあえずはクルツ村に向う馬車を探さないとな」


 クルツ村までは正直なところコウが走れば半日程度で着く距離ではある。


 だが今回はライラがいるため、流石に走って行くぞなどと言えるわけないので、とりあえずは馬車を探さないといけない。


 周囲を見てみるとそれなりの数の馬車が待機しているのだが、何処へ行くかまではわからないので取り敢えずひとつひとつ行き先を聞いていくことにする。


「よしライラ。一旦手分けしてクルツ村に向う馬車を探すぞ」


「わかりました~ではあちらの方から聞いていきますね~」


 コウとライラの2人は二手に分かれてクルツ村に向う馬車を探し出す。


 大体の馬車は冒険者や一般の人達の需要に合わせて王都に行くことが多いのだ。


 しかしクルツ村など小さな村へ行く馬車は普通の人々にとって需要が少ないためそこまで多くはない。


 1人1人馬車に乗ったり整備している御者に行き先を聞いていくが、残念な事に返ってくる言葉は「王都に行く」という返答ばかりだ。


 暫く聞き込みを続けていると、遠くからライラが自分を呼んでいる声が聞こえてくるので、聞こえてくる方向を振り向くと遠くに手を振っているライラの姿が見える。


「コウさん~~~!見つけましたよ~~~」


 どうやらクルツ村へ向かう馬車を無事に見つけだすことが出来たようなので、コウもライラの方へ向うと初老の男性が御者をしている馬車が待機していた。


「ほっほっほ、君もクルツ村へ向かうのかの?」


「あぁ料金はいくらだ?」


「そうじゃなぁ...1人銀貨2枚でいいかの?」


 1人銀貨2枚。実際のところ普通の乗車賃であり、日本円に換算すると大体2000円ぐらいだろうか。


 今まで乗ってきた馬車よりは安く、疑問に少しだけ思うが特には気にせず、ライラの分も払い馬車へ乗り込んでいくと既に2人の若い男女が座っており、相席のようになっていた。


 軽く会釈をして座って待っていると馬車は御者の合図とともにゆっくり馬車は動き出す。


 少しずつ馬車の速度が上がるたびに乗っている馬車の振動が激しくなっていく。


「痛っ!」


「痛いです~」


 今まで乗ってきた馬車より、乗り心地が悪いのか車輪が弾むたびに座っている場所に強打していくので、お尻に痛みが走りコウは苦悶の表情をする。


 ライラも同じようにお尻の痛みを耐えているようで、こちらを見てくるがどうしようもない。


 多分だがこれが一般的な馬車なのだろう。


 前回クルツ村からローランまで馬車に乗った時は昼頃には到着したので、今回も大体昼前には到着すると予想ができる。


 ただ、それまでの間はお尻の痛みに耐えつつ過ごさないといけないのが何とも言えない。


 ちらりと若い男女を見てみると慣れているのかそこまで痛そうにしておらず、楽しく談笑をしている。


 このお尻の痛みに耐えれるコツを知っているなら是非教えてほしいと思ってしまう。


「むぅ...我慢するしかなさそうだ。フェニは膝の上でいいなぁ...」


「キュイ?」


 コウの膝の上で寝ていたフェニはいきなり話を振られ、何?といった感じでコウの顔を見るが何の話か分かっていないようだ。


「いや何でも無いさ。すまんな起こして」


 軽く謝ると再びフェニはなんにもなかったかのようにコウの膝の上で眠りだす。


 そしてコウとライラの2人クルツ村へ到着するまで辛く長い戦いが始まるのであった...。


 どれくらいの時間が経っただろうか。


 小さな窓から外に顔を出し、空を見上げると空の真上には太陽が燦々と輝いており、ちょうど昼頃だということが分かる。


 そろそろクルツ村へ到着する頃合いではないかと思って周りの景色を眺めていると前回来た事のあるクルツ村が見えてきた。


 クルツ村が近づいていくにつれてガラガラと鳴っていた車輪の音と馬車の揺れはどんどんと小さくなっていき、御者の到着の合図と共に馬車は停止する。


 馬車に乗っていた若い男女は先に降りてクルツ村の中へと入っていくが、コウとライラの2人はお尻を擦りながら馬車からゆっくりと降りていく。


「次からはクッションを用意するか高い馬車だな...」


「今まで馬車は高いのしか乗ったことしかなかったので~ここまでお尻が痛くなるとは思わなかったです~...」


「キュイ?」


 御者には聞こえないように小さな声で2人は思い思いの気持ちを呟くが膝の上に乗って優雅に寝ていたフェニには関係ない話である。


「取り敢えずは~クルツ村の中に入って村長に話を聞かないといけないですね~」


「そうだな。じゃあ行くか」


 ある程度時間が経つと馬車に乗っていた際のお尻の痛みが引いたのでコウはライラの言葉に同意し、2人と1匹はクルツ村の中へと入っていき、依頼主である村長の家へと向うのであった...。

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