ボスモンスターとおっさん
― 始まりの街のどっかその辺 ―
「おっちゃん! 早くボスぶっ殺しに行こうぜ!」
会うなりそんな物騒なセリフを吐く危ないガキは、シンタである。
自称もうじき11歳のシンタだが、ホピットという小柄な種族をアバターに選んでいることもあり、どう見ても小学校低学年にしか見えない。
「まぁ落ち着け。 まだマカロンが来とらん」
「えー、マカロンの姉ちゃんまだなのかよー」
「まだ約束の時間前だぞ――つーか、ずいぶん気合入ってんな」
「そりゃそーだよ。 待ちに待ったボスだかんな! 刀だって新調したんだぜ!」
新調したのだとブンブン振り回しているシンタの刀だが、見た目を改造していない素のまんまの獣骨刀なので、新しいんだか何だかさっぱり区別がつかない。
獣骨刀は、一角ウサギの骨・一角シカの角・一角イノシシの牙を素材とした、現段階のレシピでは最強の刀である。
シンタは『刀鍛冶士』の職業持ちなので、この刀は自作だ。
素材集めに俺も嫌というほど付き合わされているのは、言うまでもない。
――おっ、マカロンが来た。
「ごめんなさーい、待ちましたー?」
「イヤ、今来たところ」
「嘘つけおっちゃん。 おいらより先に来てたくせに」
余計なコト言うんじゃねーよシンタ、そうじゃねーんだ。
マカロンのセリフがアレだったから、ちょっとデートの待ち合わせ気分を味わいたくなった俺の気持ちを察しろ。
「いいだろ別に、それより早速ボス狩り行くぞー」
「よっしゃあ! 腕が鳴るぜ!」
「あっ、待って回復薬買い足さなきゃ」
「おいらたくさん買っておいたから分けてやるよ――それより早く行こうぜ!」
「そう慌てるな、ボスは逃げんぞ」
「早くボス戦したいんだってば!――強いんだろ!?」
「そりゃま、雑魚よりは」
とは言ったものの――。
俺は既にボス戦は経験済みとはいえ、強いか否かは実は良く分かっていなかったりする。
まぁ、毎度のアレだ。
自分がチート過ぎて、ボスも簡単に倒せてしまったのだ。
今は現実時間で、金曜日の夕方――俺は実装された午前10時と同時に、ボスに突撃していた。
ボス戦の仕様はボスエリアに入ると専用フィールドにパーティーごと飛ばされる仕様で、複数のパーティーが同時にボスエリアに入っても個別にボスと戦えるというものである。
なのでボスと戦うのに、前のパーティーの戦闘終了を待たねばならぬなんてコトは起きない。
それに勝てばボスエリアの近くに戻されるので、連戦でのボス周回も容易だ。
初めてのボス戦は、もちろんソロで挑んだ。
自分のチートがヤバいことを自覚しているので、みんなにバレないよう上手いコト手加減する練習をするためである。
初戦、『ものは試し』と全力でぶん殴ったら――なんと初期装備の杖の一撃で、ボス戦が終了。
その後3回ほど頑張って手加減を試みたものの、なかなか上手くいかない。
それっぽく戦って見えるようにすると、ボスが簡単に死ぬ。
だからといって死なないように調整すると、いかにも手加減してますよとチョコンと殴る体にしかならない。
さて困ったぞと頭を抱えた俺は、一縷の望みを掛けてテンコ盛りの死蔵スキル――俺のプレイヤースキルを漁ってみた。
すると見つけたのだ、この状況を打破するのに最適っぽい【手加減】というスキルを!
自分のスキルなのに『こんなスキルがあったのか!』とか思ってしまったが、そもそも使い辛いスキルが多すぎるのでそこは仕方あるまい。
そういうモノは得てして、埋もれて忘れ去られる運命なのだ。
この【手加減】という素晴らしいスキルを見つけた俺は再びボス戦に挑み、数度のチャレンジで完全にモノにすることに成功した。
準備万端整った俺は現実時間の昼過ぎには、午前中は検査でボス戦に挑めなかった小次郎さんと、社会人のはずだが昼間っからログインしているミネコちゃんと一緒に、再びボス戦の周回をしてその成果を存分に発揮している。
そしてこれからシンタとマカロンと一緒に、3度目のボス周回。
俺の【手加減】はこれからだ!
――――
― 草原・ボスエリア前 ―
「準備はいいか?」
「たりめーよ! 早く行こうぜ!」
「う~、緊張する~」
今回実装されたボスは、草原エリアのボスだけである。
廃墟エリアのボスは、まだ未実装だ。
草原エリアのボスは『一角タイガー』――草原の一角モンスターシリーズのネーミング的に、ウサギ・シカ・イノシシときたらボスは『一角トラ』なんじゃねーの? という疑問もあるが、なぜトラでなくタイガーなのかの理由は俺も知らぬ。
「打合せ通り俺がタンク役をやるからね」
「そういうのいいから早く!」
「矢も回復薬もok……と、いいですよ!」
「んじゃ突撃ー」
若干色味の変わったエリアに突入――暗転して再び草原に出ると、目のまえにはボスである一角タイガーがいた。
今更なんだけどこの草原エリア、草食動物ばかりのモンスター群からボスになったとたん大型の肉食獣モンスターになるとか、いきなり強さと殺意が上がり過ぎでは無いだろうか?
「ガルルルル……」
一角タイガーが、こちらを威嚇してきた。
そろそろ襲い掛かりますよ、という合図だ。
実際の魔物のように、気配を消し臭いを感知できない風下から隙を狙っていきなり襲い掛かるとかしないので、この正々堂々とした姿勢だけはとても好感が持てるヤツではある。
「【敵意引受】!」
久しぶりに使うスキルだが、これに関しては絶対に忘れることは無い。
なんせ最初の異世界では、このスキルを使ったことで俺は死んでしまったのだ。
【敵意引受】のスキルを使用した相手は、俺に一撃を入れるまで攻撃を続ける。
ゲームでのタンク――敵の攻撃を引き付ける役が使うスキルとは違い、俺のスキルは時間経過や他の仲間の行動には左右されない。
便利ではあるが、融通も効かないのが困りものである。
俺はプレイヤースキルで【盾術】も持っていたので、店売りの最安値の盾でトラパンチと噛み付きを防ぎまくった。
盾に限らず武器防具には『耐久値』なるものが設定されており、コレが無くなると壊れてしまう。
耐久値はその武器防具に応じた素材とGを消費すれば回復できるが、最安値の盾なら使い捨てにしても惜しくは無い。
「さすがボス、くっそ硬いぜ!」
「なかなか生命力が減らない! 矢は当たるのに!」
うむ、ちょっと苦戦しているようだから、俺も攻撃に参加しよう。
くらえっ!【手加減】攻撃!
「グワオオォ!」
俺の一撃で、一角タイガーの生命力が2割ほど削れた。
完璧な加減である。
その後もシンタとマカロンの攻撃の合間に俺も一撃二撃と加え、一角タイガーの生命力が残り3割を切ったところで挙動が変わった。
ジャンプしてのトラパンチとトラパンチ12連打、あとダッシュしての噛み付き攻撃が加わったのである。
――まぁ、俺には効かないんだが。
効かないと言っても、盾の耐久値は削られている。
昼から使っているので、いいかげん耐久値がヤバい。
うっかりしてたなー。
昼にボス周回が終わった時に『そろそろ取り換えよ』とか思ってたのに……。
タイミング悪く、一角タイガーがトラパンチ12連打モードに入ってしまった。
このままでは盾の耐久値がギリギリというところだろう。
マズい……。
イヤ、トラパンチを喰らったところで俺には微ダメージしか無いのだが、攻撃を当てられると【敵意引受】のスキルの効果が切れてしまう。
そうなるとマカロンとシンタに攻撃が向いてしまい、ダメージを回復させるのに回復薬を消費してしまうだろう。
ボスを周回をする予定なので、できるだけ回復薬の消費は避けたいのだ。
――と、いうコトで。
盾の耐久値が無くなり壊れるタイミングでちょうど12連打が終わるはずなので、俺は一角タイガーを一旦突き放すべく右の拳で軽く殴りに行った。
もちろん、盾を交換する時間を稼ぐためである。
するとタイミング的にトラパンチ連打が終わって隙になるはずなのに、一角タイガーの左の前足が俺の右拳と同時に放たれ……。
あれ? なして?
ひょっとして俺ってばまさか、トラパンチの連打を数え間違えた!?
俺の腕のリーチと一角タイガーの前足の長さは、ほぼ同じであった。
拳とツメはぶつかることなく互いにすり抜け、同時に相手の顔面へガツンと命中した。
世に言う、クロスカウンターである。
一瞬の静寂の後、一角タイガーは崩れ落ちた。
カウンター攻撃によりダメージが倍加した拳は一角タイガーの生命力を削り切り、ボス戦は劇的な結末を迎えたのである。
ごめん、一部ウソついた。
びっくりして【手加減】スキル使うの忘れた結果がコレっす。
なんかマカロンとシンタの、無言の視線が痛い。
なので――。
「見たかシンタ、コレがクロスカウンターだ」
などと言って空気を和らげてみた。
「『見たか』じゃねーよ! 何でボスモンスター相手に殴り合いで勝てるんだよ! さすがにおかしいだろ!」
「タロウさん、いくらなんでもチート過ぎじゃ……?」
うむ、どうやら誤魔化すのは厳しいようだ。
参ったな……せっかく【手加減】攻撃を身に着けたというのに、無駄になってしまった。
マジもんのチートだってバレたら、やっぱ嫌われるだろうなー。
せっかく友達が出来たと思ってたのに……。
とりあえず、チートであることは話してみよう。
それで嫌われるのなら、ソロになればいいだけの話だ。
独りは慣れているしな。
…………
「やっぱ、おっちゃんマジなほうのチートだったのかよ……」
「じゃあ、もし運営にバレたら……」
チートであるコトを話してみたが、やはり驚いてはいるものの嫌われた感じはしなかった。
マカロンなど、むしろ俺のことを心配してくれているし。
「あ、イヤ、そこは心配いらない。 俺のチートは運営公認だから――つーか、むしろ運営側のせいだし」
「「は?」」
何を言ってるのか良く分かんないっぽかったので、かいつまんで説明してみた。
俺がゲームの制作費を出資した会社の偉いさんの知り合いだということや、その偉いさんが俺をチートな設定にしてこのゲームをやらせていることを。
もちろんそいつが女神ヨミセンさんだとかは、伏せておきながらだが。
「いいなー、すげー羨ましいんだけど」
「言っとくが、逆にすんげーやり辛いぞ。 それにこうやってボスを倒したりしても、こんだけチートだと達成感も何もあったもんじゃねーしな」
シンタは羨ましがるが、普通に遊びたいならチートなんて邪魔なだけだ。
対人戦で俺Tueeeをするならそれなりに優越感を得ることも出来るだろうが、このゲームにはそんな要素など欠片も無い。
ならば最前線の攻略プレイヤーとして、真っ先にボスモンスターを撃破すれば優越感に浸れる?
それだってそもそも、攻略が困難で強力なボスモンスターがいればの話だ。
実装が遅れたせいでその間にプレイヤーのレベルが上がり、登場して即攻略されたボスしかいないこの現状では、強さを他のプレイヤーに見せつけることにどれほどの意味があろうか?
それに何より、俺の目的はゲームを楽しく遊ぶことである。
俺Tueeeは悪役令嬢の時にやり尽くした感があるし、のんびりエンジョイ勢を満喫するのが目的な俺には、チートなんて必要無いのだ!
「あっ! じゃあ、もしかしてタロウさんがいつもログインしてるのって、何かのテストプレイヤーだったりするからとか?」
何やらマカロンが、絶妙な勘違いをしてくれたようだ。
都合がいいので、ここは乗っかってみよう。
「テストプレイヤーというか『このゲームで遊びたいなら、この設定で』と偉い人に押し付けられて、後でプレイ日記みたいなのを書かされる感じ? ちなみにログインは、俺の場合24時間可能な設定になってる」
「やっぱり……」
うむ、俺もすっかり嘘が上手くなったものだ。
あ、イヤ、言ってることは、ほぼ嘘では無いのだけれどね。
偉い人(女神ヨミセン)にチート設定を押し付けられたのも事実だし、後で小説を書かされるのだからこれも嘘とは言えぬだろう。
ログインだって、24時間可能なのは本当だ――ログアウトができないだけで。
――で。
最終的に2人とも俺がチートであることを、それはそれでokということにしてくれた。
もちろん俺の許可無く、他言はしないという約束と共に。
たぶんだが――マカロンは俺がチートということで好奇の目に晒されぬよう、守ろうとしてくれているのではないだろうか?
シンタのほうはモンスター狩りが楽になるから、チートな俺と組み続けたいだけな気がしないでもない。
思惑はどうあれマカロンとシンタは、これからも友達付き合いをしてくれるつもりのようだ。
こちらとしては有難い限りだが、気を遣わせてしまうのは何だか申し訳ない。
なので、いつも通りに遊ぼう。
こっちが変に気を使うような態度を取ってしまうと、逆にあいつらもやりにくかろうから。
「そんなことより、ドロ品確認しよーぜ……って、マジかよ! 虎鉄じゃん!」
「えっ!? シンタくん、もう欲しいレアドロ引いたの?」
「おっしゃー! これでおいらも骨系の刀とはおさらばだぜ!」
そんなことよりって……イヤ、まぁ、そんな感じのほうがいいんだけどさ。
これはアレか? チートな自分に悩んでいる俺の方が変なのか?
シンタにそこまで高度な気遣いができるとは思えんし――。
気にしなくてもいいのかね? 自分がチートだってコトは。
「おぉ! かっけー!……やっぱ刀は鉄だよなー」
「ヒゲ落ちなかったー」
シンタのヤツが、虎鉄を装備して悦に入っている。
正に新しいおもちゃを手にした子供の姿。
鉄は草原エリアのボスの一角タイガーを倒すと行けるようになる新エリアで、ようやく採掘できるようになった素材だ。
なので今までは銅の刀か骨の刀しか手に入らず、骨系の刀のほうが耐久値は低いが攻撃力は高かったので、シンタは骨系の刀ばかり使っていたのだ。
やっぱり刀は鉄、その気持ちは分かる。
しかも虎鉄はレアドロップで、そんじょそこらの鉄の刀よりも強力なはず。
虎鉄という名称も名刀虎徹を意識させるものだし、きっと良い刀だろう。
シンタが手に入れてはしゃぐのも、無理はない。
つーか、シンタの運の数値だとレアドロップの確率は0.1%くらいなのに、虎鉄なんて良く引けたものだな。
こいつのリアルラックの値は、きっとかなり高いに違いない。
一方のマカロンは『一角タイガーのヒゲ』を手に入れることができず、がっかりしていた。
一角タイガーのヒゲは通常ドロップで、新しく作りたい弓に必要な素材らしい。
「おっちゃんのドロップは何だった?」
何だったと聞かれても……これまでに何度も一角タイガーを倒している俺としては、そんなに目新しいものが落ちたりする訳でもないし――あれ? なんですと?
「……『ランダム職業コイン』が落ちてる」
「えっ!?」
「マジ!?」
「イヤ、マジで。 『ランダム職業コイン』の横に『New』って表示がキラキラしてる」
ランダム職業コイン――それは使うとランダムで職業が1つ手に入るアイテムで、限られた数の特殊な隠しイベントをこなすか1000円の課金をしないと手に入らないブツだ。
それが、ボスを倒せば手に入る……だと?
「タロウさんスクショ撮って! スクショ!」
「すげえ! これ祭りになんじゃね!?」
マカロンとシンタが大騒ぎをしている。
無理もない――本来なら課金が必要なアイテムが、ボスを倒せば手に入るのだ。
これでテンションが上がらないヤツは、ゲーマーではない。
かく言う俺も興奮している。
課金が出来ない俺としては、この仕様を逃す手は無いだろう。
ランダム職業コインは、いくらあっても困ることは無い。
つーか、一次産業と料理系を網羅したい俺としては、とにかくたくさん欲しい。
「よし、周回するぞ」
「やりましょう!」
「ガンガンいこうぜ!」
証拠となるスクリーンショットと共に『草原エリアのボスである一角タイガーを倒すと、ランダム職業コインが落ちることがある』という情報を書き込んだ俺は、決意も新たにボス周回に挑む。
マカロンとシンタも、異存はないようだ。
よっしゃ始めるぞ!
狩って狩って狩りまくってやる!
俺たちのボス戦はこれからだ!
…………
ランダム職業コインが落ちるという俺の情報のおかげで、プレイヤーたちは新たに解放された街やエリアそっちのけでボス戦周回祭りに殺到した。
もちろん俺も例外では無い。
但し、この祭りは思いの外すぐに収まることとなる。
なんとなれば、ランダム職業コインが落ちる確率がそこそこ低かったのが知られたからだ。
運の数値を1000下げる超絶激大凶の指輪を外し100%レアドロップが落ちる状態の俺のデータと、ちまたのプレイヤーたちの集計結果を総合すると、レアドロ率を無視した数値で約0.1%――正直これだけなら悪くない数字なので、プレイヤーたちも頑張っただろう。
だがしかし、一般のプレイヤーたちの運の値を考えると、ステータス極振り勢でもせいぜいレアドロ率はまだ2%程度。
計算するとランダム職業コインが落ちる確率は、一般の運極振り勢でも0.002%――5万分の1程度しかなくなってしまうのだ。
これでは貴重なゲームの時間が、作業のようなボス周回だけで終わってしまう。
なのでこの集計結果をどこかのプレイヤーが出した途端、ボス周辺が一気に過疎った。
もちろん俺は続けたけれど。
レアドロップ率、100%にできるもので。
1人の時間を全てボス周回に費やした俺だったが、結局のところ『ランダム職業コイン』は67個しかゲットできなかった。
ボス周回祭りを確認した運営が『この状況は良くない』と判断し、コインが落ちなくなるよう修正してしまったからだ。
とうの昔に祭りは終了していたというのに、対応が遅い運営である
まぁ、そのおかげで俺がコインをそこそこ手に入れられたのだから、文句は言うまい。
――そうそう、俺がマジもんのチートであることを、小次郎さんとミネコちゃんにも話してみた。
2人とも『そうでしたか』『いいんじゃない別に』と、大して気にもしていないっぽい。
わざわざチートのことを隠していた俺のコトが――。
非常に馬鹿らしく感じる今日この頃である。
ここに来て、見切り発車感に襲われております。
今更だけど、そろそろ設定に綻びが出そう……。
追記:
ハイ、やらかしました……【手加減】のスキルの設定が、以前のものと違っておりました。
特にお話し的には問題なさそうなので、以前書いたものを変更してます。
教えてもらって良かった(;^ω^)




