第八十八話 思わぬつまずき
……さて、まずは1ヵ所目到着。
《コールババーム×1を手に入れた》
お、良いね。……まだ採取出来るな。
《コールババーム×1を手に入れた》
おぉ、良いね。2回採取出来た上に2回ともコールババームだった。この調子で行けば今日中に納品が終われるかもしれないぞ。これは2ヵ所目に期待だな。……さて、到着だね、……頼むぞ。
《湿った丸太×2を手に入れた》
……まあ、確率だからね。まだ採取出来るみたいだから次は頼むよ。
《湿った丸太×3を手に入れた》
……はぁ、まあ分かっていたけどさ。3個も要らないし、そんなところで幸運を使うくらいならコールババームを採取させてくれよ。
それじゃあ気を取り直して秘密の抜け道の検証を開始しようかな。前回は奥側から入り口側まで移動した訳だけど、もし入り口側からも通行可能なら今後コールバの海でキングインクと遭遇してしまうことが無くなるね。確かこの辺りに……お、あったあった。
前回出てきた辺りを注意深く見てみるとやはりと言うべきか崖沿いに藻が生い茂っていたのである。狙いを絞ってクイックガトリングを放つと簡単に光となって消え去ったのだ。
……うん、問題無く通行出来そうだな。それじゃあ当分はキングインクと戦うことは無さそうだね。気分的にも楽になったよ。それじゃあ密集している採取ポイントでしっかり採取するとしますかね。
……数分後。
よし、結構採取出来たな。コールババームももう少しで納品数に達するんじゃないかな? 持ちものを確認しておこう。
――
持ちもの
採取アイテム
薬草×17
肉厚アロエ×4
グリーンハーブ×11
ジメジメシダ×1
揺らめく海藻×5
ジミキノコ×13
シビレダケ×7
ネムリダケ×4
水椎茸×5
ガラクタ×52
銅×2
鉄×5
鋼×1
闇水晶の欠片×1
睡香石×1
オオカシ×3
エリーダブナ×6
コールババーム×13
湿った丸太×19
腐った肉×2
謎の毛皮×4
新鮮な生肉×1
長寿の小枝×1
トレントの樹液×1
淡く光る軟甲×1
唸る触腕×1
鋭利な背ビレ×1
――
お、コールババームは今13個持っているのか! それなら次の採取ポイントで終わるかもしれないぞ。残り5日って言われたから結構焦っていたんだけど何とかなるもんだな。
それじゃあここを通過してコールバの海の奥側に向かおうか。……しかしキングインクに飛ばされずに奥に行けるって良いものだな。今まで直撃されたことは無いんだけど毎回回避するの結構集中しないといけないからね。こうして動きもしない生い茂った藻を攻撃するだけで良いなんて楽だよ。
……そう言えばあの秘密の抜け道にはもう1つ道があったな。でもあの道を進むと多分キングインクの生息域近くに出るんじゃないかな? せっかく遭遇せずに済むんだからわざわざその道を進む必要は無いね。……さて、奥側に着いたぞ。コールババームを採取しに行く前に、ナップスクイードを探しましょうか。
クロードは先にナップスクイードの討伐タスクを終わらせるつもりのようだ。これにはクロードなりの訳がある。それは、討伐タスクは任意のタイミングで帰還出来るからである。先に討伐タスクを終わらせておけば仮にコールババームの採取が上手くいかなくてもわざわざ入り口まで戻らずとも帰還が出来るのだ。
もちろん採取してから討伐しても同じ話ではある。しかし討伐のモチベーションが採取の前と後とでは大きく変わって来るのだ。何しろ後2つ採取出来れば良いのである。当然1ヵ所の採取で終わる期待はするだろう。採取出来なくてがっかりしながら討伐に向かうよりも採取を後のお楽しみとして討伐に向かった方がモチベーションが高いのだ。
ここまでクロードは自分の中で完璧に計画が立てられていると自負していた。しかしクロードはコールババームの採取の事を考えすぎており、ナップスクイードのとある特徴を完全に忘れてしまっているのである。
あの影は多分バイトシエルだな。戦闘する必要は無いからスルーしよう。……お、この影は、……バイトシエルだな。なんかバイトシエル多いな。こんな感じだったっけ? 前回ナップスクイードを討伐した時って割とすぐ見つかった気がしてたんだけどな。
確かこの辺りで遭遇したんだよな。暗くて見つかりにくいから手当たり次第に【エイミング】を発動させたんだったっけ。…………ん? 暗くて?
「……ええと、ルピウス、一個確認したいことがあるんだけど聞いても良いか?」
「なんだい?」
「……ナップスクイードって言うモンスターがどんな奴か知ってるか?」
「……? なんでそれを今聞くんだ? ナップスクイードって言ったら夜行性のモンスターだろう? 昼間は海底で昼寝しているらしく見つからないからその名前がついたことで有名なモンスターだよ。……反応が無いけど聞こえたかい」
読んでくださりありがとうございます。
筆者が完全にナップスクイードが夜行性であることを忘れていました。よってクロードにも忘れてもらいました。彼は悪くありません。悪いのは筆者。




