第七十五話 ラマーレでタスクへ行こうか
お、ヴァッシュの強化には3日かかるのか。それじゃあ機体ごとに強化するまでの日数が変わるって考えた方が良いってことだな。
「もちろん良いさ。それで頼むよ」
「分かった。それじゃあ強化しておくよ」
「前回ルブールを強化した時は確か2日で出来たよな? 機体によってかかる時間とかは変わってくるものなのか?」
「そうだね。強力な機体を強化する時ほど期間が必要だったりするよ。でも強化ならそこまで期間は必要無いかな。長いものでも4日以上期間が必要なものは無いね」
……なるほどね。期間の差に大小はあっても4日以上になることは無いのか。まあ、4日なら全然待てる期間だな。……今ルピウスが強化ならって言ったってことは、ルピウスは極化の事も知っているんだろうか?
「……極化について何か知っていたりするか?」
「あぁ、もちろん。よく知っているよ。強化書で出来る強化の更に上の極化書が必要なものでしょう? やった事は一度も無いけどね。……でもどうしてそれを?」
「……ほら昨日撃墜されたアンドロを救出しに行ったじゃないか。そのアンドロはネミリアの傭兵たちが極化書を探しているって言っているのを聞いて深追いして撃墜されたんだってよ」
クロードのその言葉にルピウスは何やら考え込んでいる様子である。何を考えているのだろうとクロードが不思議に思っているとやがてルピウスは口を開いた。
「……極化書って言うと、……その名前が何だったかクロードが最後に戦った女の人のE・L・Kの物なのかい?」
「あぁ、そうらしいよ。イルヴィアの極化書って言っていたらしい」
「なるほどね、それじゃあ極化書は見つかって無いんだろうな」
ルピウスは即答である。見つかったか否かは判断がしづらいと言うのにどうして即答出来るんだろうかとクロードが少し驚いているとさらにルピウスは続けた。
「僕ら助手は騎士たちのサポートをするのがメインの仕事だけど、機体の強化が好きでこの仕事をやっている人も多いんだ。かく言う僕もそうだね。強化や極化をすることで機体がどんどん強くなる感覚がとっても嬉しいのさ。前回のルブールの強化も楽しかったから今回のヴァッシュもすっごく楽しみだよ。……それだけ強化は楽しみなことなんだ。極化は言うまでもなく楽しいだろうね。手に入ったらすぐに着手したくなるくらいに」
ルピウスのその言葉は含みのあるものであった。が、何となく何が言いたいかは伝わって来る。そしてそれこそがネミリアの傭兵たちが極化書を手に入れていない理由であるのだ。
「強化にしろ極化にしろその期間は搭乗する事は出来ない。だから極化書を探していて搭乗するのを止めていないと言う事はまだ手に入れていない。……ってこと?」
「その通り! クロードのおかげで奴らはあの場所を撤退したんだから当分は極化書を入手することは無いだろうね。……もっともあの場所近くにそれがあるって言うのは前提になっちゃうけどね」
あぁ、そのパターンもあるのか。ネミリアの傭兵も狙っているとだけ言っていたのをアンドロが聞きつけたんだっけ? 俺はあくまでハイブリジたちを捕らえた訳じゃ無い。あくまであの場所から撤退させることが出来ただけだからな。撤退させたとしても必ず手に入れるのを防いだことにはならないってのは面倒だよな。
それにヴァッシュの強化書をアンドロに貰ったように、誰かが見つけた極化書をハイブリジのもとに届けるって言うことも考えられる。……イルヴィアが強化されているかどうかは分からないけど極化はされていないからな。もし極化された場合にはステータスが軒並み上がってあんな風に撃墜させることは不可能になるだろうな。
……ま、可能性の話をいくらしたって何にもならないね。俺は俺の出来ることをやるだけだよ。
「ところでルピウス。バイトシエルのドロップアイテムを手に入れたいんだけど、夜の方がいいのか?」
「昼でも大丈夫だよ。むしろ昼の方が索敵がしやすいんじゃないかな」
あぁ、なるほど。夜は結構見づらいもんな。昼のコールバの海か。……ふふ、ちょっと楽しみになって来たや。キングインクに遭遇しないように注意すれば別にそこまで怖がる必要も無いからね。
さて、索敵がしやすいのなら【エイミング】は必要無さそうだな。なら新しく手に入ったクイックガトリングでタスクに挑むとするかな。それじゃあラマーレを呼び出してクイックガトリングを装備させようか。
クロードはラマーレを呼び出した。実はクロードはラマーレを手にした時性能を図鑑で確認しただけでそのものを実際に目では見ていない。
従ってラマーレを呼び出したこの時が初めて見ることになるのだ。目の前に映る巨大な漆黒の戦艦は武器パーツを何も装備していない状態ですら少しばかりの威圧感を放っていた。
読んでくださりありがとうございます。
次回はラマーレの初のタスクになります。リビエルとはまた違う機体なのでどうなるのか気になるところです。上手くいくと良いですね。




