第三十四話 実績が足りない
……ふぅ。何とか帰還出来たね。
クロードはビックホーンに襲われながらもタスクの対象であるクィッカーを見事に討伐してスタラジア帝国へ帰還していた。クィッカー討伐に少しばかり苦戦したが討伐出来たのでひとまず良しとしようとクロードは自分に言い聞かせた。
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鍛冶屋
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クロードが鍛冶屋に入ると休憩をしていたピクトが顔を上げた。やって来たのがクロードと分かるとニヤリと笑ってみせた。その笑みの真意がよく分からなかったクロードだがまあ信頼されているんだろうと勝手に判断したのである。
「お前さんか。渡された設計図の武器パーツは既に出来ておるぞ。受け取るが良い」
《トレントアローを手に入れた》
お! これはエルダートレントを討伐した時に手に入った宝箱からの設計図だな。金の設計図のはずだから性能を確かめるのが楽しみだよ。……アローってことは弓の類なのかな。
さて、設計図を預ける訳なんだけど結構溜まっているんだよね。どれも普通で1つだけ(海)の設計図なんだけど全部で5枚。所持金は10500Gでかかる値段は10000G。……また銀貨全部無くなっちゃうな。
懐が寂しくなるのを感じながらクロードはピクトに5枚の設計図と手持ちの銀貨全て手渡したのである。ピクトは手渡されたそれを丁寧に確認すると顔を上げた。
「普通の設計図が5枚だな。それじゃあ10000Gを貰うんだが手渡された銀貨全部で丁度10000Gになるな。これは全部貰っておこう。それじゃあ明日以降また取りに来てくれ。ほかに何かあるか?」
「これもお願いします」
「パーツの珠だな。……ほれ【ブロンズアーマー】じゃ、大事にしろよ」
【ブロンズアーマー】か、既に持っているスキルが被っちゃったな。まあパーツの珠の入手にはお金がかからない分ある程度の被りは仕方ないと思わないとね。それじゃあ格納庫に帰ってトレントアローの性能の確認をしようかな。
クロードはピクトに軽く挨拶をして鍛冶屋を出るとそのまままっすぐ格納庫へと戻ったのであった。
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格納庫
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さて、格納庫に戻って来たぞ。それじゃあ早速性能の確認だね。
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武器パーツ
トレントアロー(弓)拡張スロット:1
攻撃 +20 速度 −10
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おぉ! これはまた強そうな感じだな。予想通り分類は弓だったな。多分操作の仕方は違うんだろうけど大きく言えば弓は射撃武器だからね。ヴァッシュがまた強化された感じだ。
……でも弓って連射出来るのか? 多分出来ないよね、だったらメテオライフルの下位互換かもしれないな。まあそれは使ってみてからのお楽しみだな。
さて、それじゃあ教官室にタスクの報告しに行きますか。
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教官室
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「クロードか、タスクの報告だな」
「そうです」
「……確かにタスクは完了している。これはタスク達成の報酬だ。受け取るが良い」
《陸のパーツの珠を手に入れた》
《陸のパーツの珠を手に入れた》
《15000Gを手に入れた》
おぉ! いっぱい手に入ったな。パーツの珠はひとまず置いておいて、お金がいっぱい手に入ったのは助かるや。設計図を手に入ったらすぐに預けているせいかお金がほとんど無いんだよね。金の設計図が手に入ったらすぐに無くなっちゃう金額ではあるけど普通の設計図なら問題無く足りるな。
クロードが報酬としてお金を貰った事に喜びを示しているとそれをたしなめるかのようにレオが1つ咳払いをしたのだ。それに驚いて思わずクロードが顔を上げると真面目な表情でレオがじっとこちらを見ていた。
「……ええと、どうされましたか?」
「クロード、君はこれまでにどれくらいのタスクを申請し完了報告を済ませたんだ?」
ん? この質問なんだか聞き覚えがあるな。……あぁ、そうか。五等騎士から四等騎士に上がるタイミングで聞かれたんだったか。と言う事は三等騎士に上がるのか? まあとりあえず教官の質問に答えますか。
「四等騎士になってからスペシャルタスクを含めて……確か5種類かと」
「うむ、その認識で正しい。しかもその5種類の内容も素晴らしいものだ。3種類以上のCランクタスクを問題無く完了させているな」
「それはつまり、三等騎士に上げる話が出ているという事ですか……?」
「いや、それはまだだ。そう簡単には三等騎士には上がれない。それには実績が足りなさ過ぎる」
あれ? この話の流れ的にてっきりそうかと思い込んでしまったや。まあタスクのランクが違うとは言え五等騎士から四等騎士に上がる時と同じくらいのタスク数じゃあ足りる訳無いよね。
「実績が足りないんですね」
「おっと、勘違いするなよ。タスクの実績は達成されていると思ってもらって構わない」
……? 実績は足りているのか足りていないのかどっちなんだ?
クロードの頭には疑問が尽きなかった。結局実績が足りているのか足りていないのかよく分からなくなったクロードにレオはさらに続けた。
「クロードに足りていないのは対人の実績だよ。三等騎士にもなると他国との小競り合いに駆り出される事も出て来る。そこに対人戦闘の経験が浅い人員を送り込む訳にはいかないのだよ」
「対人ですか? ……それはつまりネミリアの傭兵ですか?」
読んでくださりありがとうございます。
クロードは対人戦闘の経験があまりありません。当然ですがこうした人をいきなり戦場に送り込むと機能しなくなることがよくあります。なので比較的簡単そうなタスクで経験を積んでもらう必要があるのです。




