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童話トリップ!  作者: 深月 涼
第6章 不思議の国のアリス
42/53

【非常召集】集合状況を報告したらageるスレ【先行くから】


アイエエ!?





「あー、大雑把に方針決まった所で1つ。エド殿下の事なんだけど」

 オズがおずおずと(……)手を挙げる。

 珍しいな。奴が何か言い難そうにしている所など。

「エドがどうしたって?」

 アルジャーノン殿下をはじめ、皆首を傾げた。

 何か問題でもあっただろうか?剣の件(……)か?

「いくらエド殿下が在来者(ホステイツ)の中では強くても、俺達廃神(ビジター)とは根本的に強さの度合いが違うだろう?正直、このまま突っ込むのは無策に等しいと思うんだ」

 その言葉に、全員が沈黙する。

 考えてみればその通りだ。

 過去、ゲーム時代に金やら時間やら注ぎ込んで強化して来た私達(アバター)と違い、彼の戦闘スタイルは、あくまでこの世界の中で通用するレベルというだけの事。

 そのまま森の奥へ行ったとしても、着いて行く事さえやっと、という事もあるかもしれない。

「……それほどに、差があるか?」

 まあ、本人からしてみれば、これ程の侮辱は無いだろうけれども。

「少なくとも、俺や灰かぶりの魔法を見て……勝てると思うか?1人で?」

「……」

 思い返せば数ヶ月前、彼は私やオズと共に『異界の発想によって創造された魔法』に触れたのだったな。

 その後幾度も、新しい魔法に触れる機会はあった筈だ。

 それらを思い出したのか、エドは沈黙する。


「言って置くけど―――神との戦力差はこれどころじゃないよ」

「それ程に、か」

 ねこの王の言葉に、ぎり、と歯軋りが聞こえそうな、そんな表情をするエド。

「だからこそ、ですのね。エドワード王子殿下を強くする方法必要なのは」

「そうだよ。魔剣を操るのに一番適しているのは他でも無い、剣技と魔力の扱いに長けた貴方なんだから。『最終手段(けん)』を持つ人間が、いきなり死んだらまずいっしょ」

「似た様な素質の連中(もの)なら、いくらでもいるのだがな」

「じゃが、彼らにはもう伸び代は無い。そうであろ?」

 例えば白鳥の湖ジークフリード、あるいは蛙の王子。アンデット連中ならば、心臓に剛毛の生えた騎士や……少々方向性は違うものの、ガラス瓶の化け物など。

 剣技と魔法を組み合わせて戦う、いわゆる魔法戦士の類は、おとぎ話の住人の中にも数多く存在するし、一方で、いわゆる『殴り賢者』などと呼ばれる者もいる。

 その中で選ばれたのが、唯一この世界の住人――――――エドワード5th

 いかに彼の才に期待し、希望を求めているのか、という話だ。


「まだ奥に行くまで、多少なりとも時間はあるし、今の内に修行して貰おうかなって」

「つまり、それってレベル上げ、って事?」

「だが、俺達がやってきた様に強くさせるのは難しいのではないか?この世界には、レベルもステータスも無いぞ」

 美女とじゅげむっ!が揃って首を捻った。


「そうなんだよね。修行にしても、ただ魔物を斬って張っただけじゃ意味が無い。それに、いきなりエド殿下を1人で森の奥に放り込むのも危険だ。だから、誰かを付けた上で、パワーレべリングが出来たらな、って思ったんだけど」

「ほう?」

「なるほどな」

「『養殖』ならば納得だ」

「でもじゃあさ、一体誰を『傭兵に雇う』のー?んー、回復も出来て防御もばっちりな聖女さんー?」

「いや、今聖女さんに動いて貰うとなると、決戦前の休息に支障が出てしまいそうだからな」

「あらん?私は別に良くってよぉん?むしろイイ男と二人きりなんて、いやぁん!年甲斐も無く興奮しちゃうわぁ~ん♪」

「「早く誰か別の人を!!」」

「あらあら」

 ……どんな茶番だ、これは。

 2人の王子達は王子達で、専門用語が飛び交うこの状況に、顔を見合わせていた。

 眠り姫、そこでぼーっと見てないで、少しは解説して差し上げろ。


「ふむ。なら、あやつがよかろう」

 呆れながら半眼でその様子を見ていたら、半裸神が心当たりがあると言って来た。

「あやつ、とは?」

「「あー」」

 エドがいぶかしげに問うた横で、訪問者(ビジター)達が一斉に『“あれ”か』と思い当った。

「おるか?」

 妙な空気に構わず半裸神が辺りを見回し呼び付けると、その背後にしゅたっ、と1つの影が降り立った。

「ドーモ、王子=サン。神殺し(ゴッド=スレイヤー)DEATH★」

「……」

 ええい、指を指すな!こっちを見るんじゃない!

「安心しろ、『チャメシ・インシデント』だ」

「アイエエ!?ニンジャ、ニンジャナンデ!?」

「コワイー!!」

「オヤ、変態仮面=サン。ご無沙汰デス!」

「ええい、ワシは変態な仮面なぞ、断じて被ってはおらぬぞぉぉぉ!!それに、お前らもいい加減にせい!見よ、殿下方が『NRSニンジャ・リアリティ・ショック』に陥っておられる!」

「青ひげ、お主がそう言うたかて、ちいとも説得力が無いわ。むしろ、お主らのその奇行の方に驚いておるのではないのかえ?まったく仕方の無い事よ」

「すまんな、本当にすまん」

「ちっとも反省しておりませんわ」

 忍者1人出て来ただけでこの騒ぎか……。

 そこの、分かっててやってるおおかみと射手は兎も角として、妖精王に青ひげまで……。

 まともに対応したのが雪の女王と白雪姫だけとは……。嘆かわしい。

「私達にしてみれば毎度の事なのだけど……何だか恥ずかしいわ……」

 頬に手を当てた美女が困った様に溜息を吐く。

 まったくもって、全文同意、だな。


「ごほん、“彼女”は『いらない王様に仕える従者』殿だ。この世界に転移する際、主を失ってな。今は暫定的に我輩に仕えてくれている」

「ワタシの主、神に消サレタ。だからワタシ、身勝手な神、絶対に許サナイ」

 元々は仮面を着けた道化師(ピエロ)だったという彼女の出で立ちは、今や完全に和製忍者そのものだ。

 小柄な体躯と首筋で切り揃えられた黒髪、口元まで覆う布のおかげで、初見の人は少年だと思い込む事もあるのだとか。

 最もその辺は『原作』の方にも原因がある様なのだが。

「基本的には補佐に回るが、いざとなればきちんと獲物を仕留め切れるだけの自力もある。従者よ、話は聞いていたな?」

「ハイ。王子=サンの『指導者(メンター)』めいた事をスレバいいのデスね?ワタシにとっては『ベイビー・サブミッション』デス。あ、でも『あからさまに忍者』でも?」

「そこは構わん。王子をよく護り、よく助けよ」

「ヨロコンデー!」

「……何というか、独特なのだな」

「すまんな、本当にすまん」

 安心して良い。腕は確かだ。


「あー、で、だ。次にどうやってレベル上げをするかっていう話なんだけど……灰かぶり」

 話がひと段落したところで、ねこの王がこちらに話を振って来た。

 言い難そうだったのは、恐らくも何もあのエセ忍者が生み出す独特な空間のせいだろう。

「何だね?」

「1つ頼まれてくれないかな」

 ぴくりと、片眉を上げる。

 『従者』が付いたのだから、王子の安全面については保証されたと言っていい。

 ならば、これ以上何をどうすると?

「ただ魔物を斬るだけでは意味が無いってさっき言ったろ?そこで灰かぶりには、“倒した魔物の生命力や魔力を回収する魔法”を作って貰えないかなって」

「なるほどねぇ」

「『従者』が、エドワード殿下を護衛しつつ魔物の体力や生命力を極力削り、殿下自身は魔物に止めを刺すだけの簡単なお仕事をして貰う、そしてその消滅時に本来はそのまま消えて世界に還るべき魔物の生命エネルギー、あるいは魔力そのものを収集し取り込む。という訳だな」

「そうすればエド殿下も、より安全に行動出来る、とな」

 聖女と青ひげ、それに妖精王が納得した様に息を吐く。

「……それが今後に必要な俺の強さになるというのか?」

「そゆこと~」

 ねこの王が器用なウィンクを返した。


 エドを見る。まるで強さを『盗む』様なその行為に、いささか戸惑っているのは間違い無さそうだ。

「強い敵と渡り合う事で技術を磨くだけで無く、止めを刺す事で肉体的な強さも手に入れる―――それも常人からしたら驚異的なスピードで。それは有り得ざる不自然な事象であり……あるいはエド自身の本来持っていなければならない“人としてこうあるべきという資質(げんかい)”を失いかねん行為だ。そしてその為だけに、魔物といういわば贄を屠るのは、ある意味罪深い事かも知れんね」

 私のその言葉に、似た様な事を考えていたらしいエドが、眉間のしわを深くする。

 だが。

「――――――いい」

 ぞくりと、した。

 それは(せな)か、あるいは心か。

「……何?」

 にやりと嫌な笑みを浮かべる私は、他人から見ればまさに、魔女に相応しい表情をしている事だろう。

「いいね、と言ったのさ。その鬼畜さ、嫌いじゃないよ。よぉし分かった、やってやろうじゃないか」

 横から「出た出た、灰かぶりさんのドヤ顔」「まさに鬼畜(おにちく)真打」などという声がヒソヒソ聞こえてきたので、振り向いて「五月蠅い!」と一喝して置く。

 本当、余計な御世話だよ!

「時間が無いからね、あんた達にも手伝って貰うよ!おおかみと射手は他の魔法ジャンキー共呼んで来なァ!」

「「アラホラサッサー!!」」


「ったく、調子の良い連中め……」

「今のは……灰かぶりさんが悪いと思いますわよ?」

「まったくだ」

 白雪姫と雪の女王双方に苦笑されてしまった。

 何故だ、解せぬ。

「ふふっ、流石は元本職の大魔女だっただけあるわね」

 褒め言葉にちっとも聞こえ無いのだが、美女。


「さてっ、じゃあ、最後はこいつの出番かな!」

 おおかみと射手が部屋を出て行った所で、ぱんっ、と1つ手を叩いたのはオズ。

「さっそくだが、これを見てくれ」

 ドヤ顔で取り出したのは……。

「……赤い、な」

「まるで血で染め上げた様じゃないか」

「ほう、これは美しい」

「綺麗ねえ」

「まさか、宝石剣などとは言わんだろうな?」

「凄い、な。これは……剣自体からも魔力を発しているのか」

「……ぴりぴり、する」

 言われて気付く。何処か静電気にでも触れ続けている様なびりびりとした触感に、知らず両の二の腕を擦っていた。

 だがそれらのリアクションは、オズの欲しかった物では無かったらしい。

「チッチッチッ、そ、こ、は『すごく……赤いです』って言わなきゃー!」

 指を振ってまで力説するオズに、エドは「言い方の問題か?」って、だから指を指すなというに。

オズ(こいつ)の言う事に、一々反応するだけ無駄ってものさ」

「……考えたら負けですわ」

「がーんっ」

「自業自得かなあ」

「小坊主までっ!?ひどーい(泣笑)」

 常ならば愉快犯の筆頭ともいえる小坊主にまで、まさか見放されてしまうとは思わなかったのだろう。オズが落ち込んでいる。

 と思いきや、いきなり復活した。

「ま、いーや。説明しようっ!この剣は“レット”という特定の行為や物質に対し、吸着作用と放出作用のある、いわゆる“レアメタル”金属で出来てて、魔力を吸って力―――まあ単純に攻撃力と言い換えてもいいんだけど、その力を増してくいわゆる魔剣の類いだ。ちなみに命銘『アーティファクト・レッド』!で、使い方は簡単。ネットワーク同様、剣に対して魔力の『糸』―――取っ掛かりと言い換えても良いけど、そいつを探る。そうすると剣が反応して自動的に“接続”してくれる、って寸法だ。後は、ひたすら魔力を込めて、込めて、込めて、敵が目の前に現れたら剣の解放鍵(アクセスキー)をさっきの接続の要領で外して、後はブッた斬るだけ!!ね?簡単でしょう?」

 ひらり、と両手を広げたオズを、この場にいた半数が呆れた視線で見ていた。

「……何だってこう、テンションの落差が激しいのだ、こやつは」

「今まで睡眠時間ガリガリ削って解析と運用方法模索していたから、じゃないかな?」

「しゃべり始めたらリミッターが外れたとか、そういう事か。寝ろ」

「確かに簡単かもしれんが、こういった魔改造兵器にあまり触れる機会の無かった人間に、いきなり渡しても大丈夫なものなのか……?」

 各々が微妙にしょっぱい顔になっている中、当の本人……魔剣の使い手たるエドは、オズの差し出した剣をひょい、と無造作に掴み取り、しげしげと眺め回し……そして。

「こうか」

 ヴおん

 いとも無造作に魔剣本来の力を引き出して見せた。


「ひゅー!さっすが王子さん!」

 小坊主が囃し立てるが無理も無い。

「とんだ才能の持ち主だよ、まったく」

「利用しやすい様に改良されたとはいえ、ああもあっさりと……」

「こういうのを見せられると、兄としては複雑なんだがね」

「……大丈夫。アルも、かっこいい、よ?」

「そう?有難う」

 まあ、そこの若干雰囲気が違う連中は置いておくとして。

「あえての放置?」

「黙れ、小坊主」


「魔剣に注ぎ込む魔力の分だけ強くなるから、普段から少しずつ注いでった方が良いかもね。注ぎ込んだ魔力は基本的には無くならないけど、さすがに年単位だと蒸発してっちゃうから……って、これは今回に限ってはあまり必要のない情報だったかな」

「いや……他に注意事項はあるか?」

容量(キャパシティ)の問題があるから、さすがに注ぎ込む魔力には制限はあるけど、今のエド殿下の魔力なら十分範囲内だと思う。けど、いっぺんに注ぐと却って自分の体に負担かかっちゃうから、その辺は自分で注意しながらやってね。魔剣に注いだ力を一気に解放したい時には、こう、がっ、と」

「こう、か?」

 ぶあっ!!

「そうそう。さっすがエド殿下!うんうん、飲み込み早い人は、説明のしがいがあるっていうかね」

「俺の事は、エドで良い」

「そう?じゃあエドで」

「ああ」

「……」

 何やら親睦が深まっているらしいのは良いんだが……あんな適当な説明で、よく分かるもんだな。

「天才同士の会話ってやつだね!ほら、フィーリングで分かっちゃう感じのさ!」

 そういう、もんか?


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


844:灰子@北の国から 帰郷~    


    直接参加は難しいけど

    その分本拠地で頑張って働くから!


    おじいさんのチーズ

    みんな食べて元気付けてってね!


845:気象製造技師

    当日の天気は晴れ確定にしておいてやる

   

    ただしところにより雷雨または

    血の雨が降るでしょう


    ……というとちょいサツバツか

    

846:白雪姫

    わたくしと狩人達は進路を確保した後

    森の安全を守る為に後退する事になりましたわ


    前線の皆さま方は選ばれた方々ですから

    大丈夫だとは思いますが……


847:雪の女王

    その言い方……

    お主の場合に限っては皆の無事を祈るというよりも


    討ち漏らしがあったらどうなるか分かってんだろうなゴルァ


    という風にしか聞こえんのだがの


848:白雪姫

    まあ酷い

    心外ですわプンプン


849:ハーメルンのセロ弾き

    白雪姫さんだと常日頃の言動がなあ……

    いや何でもねぇッス!!


    それよりも、だ

    ちらほら懐かしい名前が出てきてるみてェだな

    俺っちの腕も鳴るぜィ!


850:注文の多い料理長

    セロ弾きは大道芸自重するがよろし

    小金集めしてる場合と違うにゃよ


    ワガハイも陣中料理で皆をサポートするのにゃ!

    戦中の食事は任せるにゃ!


851:魔弾の射手

    おっ!


    ほんまかいな!?

    こりゃあ少しは気分も上向きになるっちゅーもんやで


852:じゅげむっ!!

    ありがたい


    ゲーム感覚で浮かれるのも問題だが

    真面目に考え込んだ挙句に

    戦意が低くなり過ぎるのも問題だからな


    絶望的な状況だからこそ

    こういった暖かい持て成しが大切なのだ


853:人魚王子

    こちらは本拠地底湖に避難完了

    ここを最終防衛ラインとする!なんてな


    妖精郷も封鎖完了したし

    中途半端な連中が無理して付いてったところで

    足引っ張るだけだもんな

    

    何より嫁大事


854:ジャックと豆の木

    そこか!

    まあ、家族や身内は大事だよな

    かくいうオレん家もそれで揉めてる

    避難するならぼちぼち急いだ方が良いぞー

    森自体どうなるか分からんからな


855:おおかみさん@飯食ってる場合じゃねえ

    上の準備整ったみたいだぜ

    組み分けするんで

    手の空いている奴から広間に来いってよ


    それと魔法使い系は全員集合な

    王子さんの関係で手を借りたいそうだ


856:羽帽子の騎士

    了解した

    今からそちらに向かう


857:ジャングル育ちの少年

    待ってろよディオス!

    けちょんけちょんにしてやるクポー!


858:とさっ子 チャッキー

    斬るぜー!

    超Killぜー!!


859:魔法少女みこっち5 ピュアピンク

    なんか混ざってる!?


    けど

    何があったとしても私たちは


    ……絶対負けないんだから!


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 オズがエドにレクチャーを始めた事で、最初の会議は解散の流れとなった。

 システム化された『溜め技』が使える様になったこの魔剣。

 だが彼曰く、さらに強化の魔法を掛ける事も出来るそうなので(何処までチート武器なんだ)直接体に負担を掛けるよりは、と、例のパワーレべリング魔法は武器にエンチャントする方式で行く事にした。

 ―――残りの時間は、もう半分。

 集まった仲間達も、入念な準備を始めている。

 これからいよいよ神と戦うというのに、本拠となった湖上の要塞は、まるで連日盛大な宴会でも開いている様な、何処か浮かれた賑やかな雰囲気だった。



 そうだな、これはきっと、あのゲームだった頃の“討伐イベント”と同じ高揚感。

 ただ1つ違うのは、負ければ全てが終わってしまうという事だけで。

 ―――分かった上できっと皆、この“前夜祭”を楽しんでいるのだ。


「灰かぶり」

「うん?」

「……必ず、勝つぞ」

「……そうさね。勝って、生きて帰るのさ。――――――必ず」



 決戦の日は、近い。






こういった経緯があってからの最終章プロローグでした。

何て酷い(笑)



さていよいよですが、次回より進軍開始です。




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