表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
童話トリップ!  作者: 深月 涼
第5章 眠り姫
34/53

プロローグ

 贅沢な調度品に囲まれた、真っ白な部屋(くうかん)


 大国セントラーダの王都、その中心にそびえ立つ白亜の王(シンデレラ)城。

 その一室に、彼らはいた。


 ―――鏡よ鏡―――

 大きな姿見の縁をそっと撫でると、映し出されたのは湖の“塔”に眠る、『眠り姫』の姿。

 その姿をうっとりと見つめる、1人の男。


「神の御言葉は、誠真実であったのだ」

 おお、と周囲から驚嘆の声が漏れる。


 ―――集まっていたのは、この国に仕える魔法使い達。

 しかし、この鏡に掛けられた魔法は、彼らが仕掛けたものではない。

 『神』の声に従い、『彼』が『教えるよう命じ』、あるいは『“こんな魔法はあるのか”と問いかけ』『手に入れた』いくつかの魔法。

 ―――その内の1つ。


 それは言うなれば、盗聴と盗撮の魔法。

 彼らは『敵』から仕入れたその魔法を、厚顔にも当然の様に駆使し、“塔”の内部を、彼らの目的と手段とその方法について知ろうとしていた。



 ―――かわいそうだよね、ひどいよね


 うっとりと愛おしそうに見つめ続ける男に、囁きかけるは少年の声。

 彼にしか聞こえない声に、男はきっぱりと返す。

 幾度でも繰り返す……その決意を。

「分かっておりますとも。必ずや『姫』を救い出し、『御身』を開放いたします」


 神よ、と呟き、唇の端を持ち上げたのは、セントラーダ王国第1王子。


 ――――――すなわち、この国の王太子であった。








評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ