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童話トリップ!  作者: 深月 涼
第4章 マッチ売りの少女
33/53

エピローグ  【ニヤニヤ会場】マッチ売りちゃんと王国騎士さん見守りスレ【炎上歓迎!】

ちょっと変則ですが、上手い事分けられなかったので……。

今回エピローグにしては長いですが、よろしければこのままお付き合いください。

すみません。




「あと、もうちょっと……!!」

 だいぶ数が減ったクリーチャー達に、炎の矢を1つにまとめた炎の槍(フレアランス)をお見舞いする。

 広がる爆炎を見て思い付いた事があったので、さっきのドーピーさんを真似て―――

「曲射!」

「「何ぃ!?」」

 あ、なる。こういう事か。

 着弾予定地点にいたジャックさんとぬこ騎士さんが、あわてて飛び退くのが見えたけど……。


 ちゅどーん!


「俺のは放散型だが、マッチ売りがやると爆散型になるのか……」

 ドーピーさん、めっちゃ他人事みたいだし、その言い方。

 って、うわ!

「行けー巨人!」

「やつらを許すなー!」

 ってちょっ!?

「ええっ!?」

 何で味方が敵側に回ってんの!?

「それは……怒るんじゃないですかね」

「見事な味方殺し(フレンドリファイア)だな」

 あきれたようなアースのそばに、いつの間にか死者の王さんが寄って来ていて、感心したみたいな言い方した。

 けど、こっちはそれどころじゃない。

 巨人が右腕を振るいながらこっちに向ってくる。

 ちなみに左肩はすでに使い物にならないようで垂れ下っているし、足も少し引きずっているっぽい。

 後は右肩だけかな……。

「っと、これはまずいですね」

「しかたあるまい、『万華鏡(枯れ井戸)』」

 井戸の底から、ゾンビみたいに不気味な姿の女性達が、もぞもぞと湧いて出てくる。

 うわ、こっちはこっちでクリーチャー対決だ。……キモッ


 言ってる間に狙われそうになってあわてて距離をとる。

 巨人相手だと分が悪いなあもう!

「マッチ売りさん!」

 もう何度目か、振われた腕をかいくぐり逃げ出したあたしの背中に、居てはいけない人物の声がかかった。

「マリー!」

 え!?逃げたんじゃなかったの!?

「義父さん!?」

「危ない!!」

 とっさにアースが飛び出すけど、間に合わない!?

「うわああああ!!」

「義父さん!!」

 案の定だよ!!

「うわ、かませくせー」

 失礼な!うちの義父さんに何て事を!

 まあ、出てきたそうそうつかまって食べられかけるんじゃね……。

 ほっとく訳にもいかないけど、あたしの魔法じゃ範囲精密に絞れないし。

 と、その時だった。

「があああああ!!」

 ぬこ騎士さんの肩への1発がきれいに決まって、巨人の右方がだらんと力なく下がる。

 ドーピーさんや死者の王さんが、落ちた義父さんを助けに行ってくれた。

「っしゃ、これで全部の部位破壊成功だな!」

「オーラス行くぜー!」

 雄叫びを上げる狩人(ハンター)達に、死者の王のお姫様達に支えられた義父さんが、ぽつりと「とんでもねぇな」と呟いた。

 

「後ろとったらああああ!!!にゃー!!」

 ぬこ騎士さんが、巨人の背後目指して木々を駆け上がっていく。

「っし、おいアースさんよ!今から持ち上げっから止め頼むわ!」

「どうするんです!?」

 手早く相談するアースと狩人(ハンター)達。

 身軽で、この中では体重も軽い方のアースが止めに抜擢されたらしい。

「マッチ売りは牽制!」

「了解!」

 こっちにも指示が飛んで来たので真面目に頷く。

「曲射禁止な!」

「わかってるよ!」

 アースが至近距離にいるって分かってるのにやらないよ!?

 方針が決まったので、ドーピーさんの「行くぞ!」のかけ声に合わせてマッチを擦った。

「炎の、矢!!」

「豆の木よ、伸びろ!!」

 ぼこり、とアースの足元がうごめいて、そこから生えて来た豆の木(蔓ってレベルじゃない)が勢いよく生長してアースごと持ち上げた。

「行きますよ……!」

 剣を構えたアースは、巨人の肩ほどの高さから飛び降りて――――――

「あああああああああ!!!」

 まさに同時だった。

 袈裟掛けっぽく右肩から心臓めがけて深く斬り込むアースと、ほぼ同時にぬこ騎士さんが背後から首筋を素早くカッティングしたのは。


「あ……、が……」

 わずかに漏らした声を最後に、巨人はついに、どう、と倒れた。



「いやー、何とかなってよかったなー」

「あの、すみません……」

「すまん」

 小さくなるあたしと義父さんに、かけられた言葉は優しくて。

「いいって事よ、ありゃタイミングが悪かった」

「娘が心配だったんだろ?立派な親心じゃねぇか」

「まあ、ぼちぼちなー」

 森の住民のみんなと仲良くしなきゃと思っていても、現実はすぐにそうは行かなかった。

 でもだからって、全部が全部あたしを拒絶するって事もないんだろう。

 事実、彼等はこうして助けにきてくれて、今も別に怒ってる訳じゃない。

 だからって許される事では無いのも分かっているけれど……。


 きっと、この世界の住人との関係も同じ事なんだ。

 こんな風にきっかけさえあれば、ほら、義父さんだって訪問者(ビジター)の仲間達と穏やかに話が出来てるじゃない。

「これからどうするんだ?」

「とりあえず片づけか……」

 周囲を見回す仲間達に、義父さんが素朴な疑問、といった風に問いかける。

「……消えないんだな」

 義父さんは、周囲に倒れたクリーチャー達を見ていた。

「まあ普通の魔物とは違って、完全に俺らの作り出した創作物だからな」

「関係者呼ばねーと」

 そのまま作戦会議になりそうな雰囲気になったあたし達の足元から、不意にぱちり、と小さな音がした。

 無言になったあたし達は、顔を見合わせ、おもむろに下を向いた。


「てか、火事火事!!」

「消火(はーん)!!」

「ごっ、ごめんなさーい!!」

 足元の火が全部消え、周囲が完全に落ち着いたのは、それからだいぶ後の事だった。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


854:人魚王子

    おつかれさまー


855:浮かれ小坊主

    おめー (*゜▽゜ノノ゛☆パチパチ


    消火班のみんなもついでに御苦労さま☆ミ


856:マッチ売りの少女

    お騒がせしてすみません……


857:青い鳥

    なんとかなったみたいだからいいよもう


858:マッチ売りの少女

    本当にすみません……


859:ジャックと豆の木

    だからいいって(笑)


    でも急に覚醒(笑)しちゃったのって

    何かあったか?


860:マッチ売りの少女

    あー……えっとちょっと……


861:7人の狩人 3番目

    ひょっとするとあの掲示板が問題か


862:マッチ売りの少女

    ……多分ソレです


863:浮かれ小坊主

    あちゃー


    ホントにタイミング悪かったんだねー☆


    あんなの一部だからさー


864:7人の狩人 5番目

    だが一部でもいるという事だな


865:浮かれ小坊主

    もー

    そういうこといわないのっ!


866:マッチ売りの少女

    いえ、分かってますから……


867:ぬこの王さま

    こういう時

    戦力としては頼もしいんだがなー


    今後はメンタル部分も鍛えていかんと


868:おおかみさん@帰宅なうー

    修行宣言 キマシタワァ*:.。..。.:*・゜(n'∀')η゜・*:.。..。.:* ミ ☆;


869:エメラルドの都の魔法使い

    それで?結局なにがどうなったんだ?

    こっちも事情聞かない事には話にならないからな


    プライベートな事情もありそうだし

    そこは端折って構わないんで


    とりあえず手短に3行で頼む

 

870:マッチ売りの少女

    3行!?

    難しいな……

    

    ええと……

    義父が侵入者側についていました


871:ジャックと豆の木

    お、おう


872:マッチ売りの少女

    騎士が寝返りかけました


873:魔弾の射手

    お、おう!


    てか予測通りやん


874:マッチ売りの少女

    掲示板見て振り切れた自分が“ばるす”発動


    こんな感じです……


875:浮かれ小坊主

    あちゃちゃー☆


876:7人の狩人 3番目

    そりゃあタイミング悪かったなあ……


877:マッチ売りの少女

    義父は騎士と城に向かうそうです


    罪とかに問われるのかな……


878:灰かぶり

    城勤めという訳でもないし

    そう大事にはならんだろ


879:ぬこの王さま

    出禁にはなるだろうけどね


    話がしたければ

    お義父さん帰る前にしておいた方がいいよ


880:美髯聖女

    なんなら場所提供しましょうか?


881:マッチ売りの少女

    ありがとうございます

    お言葉に甘えさせていただきます


882:浮かれ小坊主

    寝返りかけたって事は

    騎士はー?


883:ぬこの王さま

    ……


884:灰かぶり

    ……


885:マッチ売りの少女

    ……


886:エメラルドの都の魔法使い

    えっ何その無言


887:マッチ売りの少女

    あっ

    それじゃそれも聞いておきますっ


888:おおかみさん@まずは一杯

    どういう事だってばよ


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 それから、数日。

「しれっと元の役に収まってるけどさあ、ほんとはどっちなの?」

 灰かぶりさんの屋敷の――――――外観からはそうは見えないけど明るい日差しの中、あたしは城の騎士にして英雄だとかいうアースクライド―――アースとのんびりお茶をしていた。

 

 あれから義父は城へ呼び出され、説明を求められ、結果何らかの処分が下されたらしい。

 らしい、っていうのは、それからすぐに義父さんがイーステラに帰っちゃったからだ。

 そして問題は目の前のこの男。

 どういう訳か何の処分も無く、ここに居座っているのだ。

 事情や理由を聞いても、のらりくらりとかわされるだけで、本当は話せないのかな、と事情を汲んだりもしたんだけど、あの時のことを思い出すとこのまま黙ってるのも良くない気がして……。

 だってあの時、確実にあのフードの男の側だったよね?

 あたしの『いい加減にしてほしい』という気持ちが伝わったのか、クッキーをつまむ手が止まる。

 それからちょっとだけ「はあ、」と息を吐いて、困った様な顔で笑った。


「本当も何も、どちらも自分の受けた仕事だと、何度も言いましたよ?」

「何度も聞いたけど、それじゃ納得出来ないよ。だってあたし、利用されかけたよね?」

 巨人とかクリーチャーの一件でうやむやになっちゃったけど、忘れた訳じゃないからね!?

「あたしの事『口説き落とすのも仕事の内』とか言ってなかったっけ?」

「あー、それはですねぇー」

 今度は分かりやすく、苦い物でも飲み込んだみたいに表情が変わった。

「えーと、どこから話したらいいものか……とにかく現在の自分は、貴女方と敵対する意思は無いとだけは言っておきましょうか」

 それ答えになってないし。

「仕事だったら敵対するって事?」

「しませんよ、もう」

 その言葉には、やっぱりずいぶんと苦いものが混じっている様に感じた。


「元々は、ただの派遣の依頼でした。ですがそこには『()御方(おかた)』が食いつく様に仕向ける、という思惑がありましてね。案の定『彼』は自分と接触し、内情を知らせる様指示して来ました」

「……もしかして、定期連絡入れてたのって……」

「ええ。あの方です。もちろん、当初予定されてた訪問者(ビジター)との橋渡しという仕事の方で、第2王子殿下やねこの王さまと連絡を取る事もありましたがね」

 動向を知らせるっていう意味でも、連絡を取る事はあったんだろう。

 そう考えると、アースってスパイみたいな役回りだったって事なのかな。

「ですが、自分で実際に森に触れ、貴女の使う日々の魔法の種類の多さに驚き、何よりグローブタウンの……その、自分から見たら行き過ぎと思うほど進んだ建築や技術、あふれる才能の数々に、怖気づいたといいますか……怖くなったんですよ。情けない話ですが」

 アースでも、そう思うんだ……。

 結構、ショックだった。

 確かにびっくりしてたのは知ってるけど、正直そこまでとは思わなかった。

 そういえば義父さんも、危ないからこっち来いみたいな事言っていたし、知らない人から見たら怯える位に怖い事なのかもしれない、魔法って。

「話には聞いていましたが、僅か数年であの規模の街を創り上げるとは驚くべき事実です。整然と佇むレンガの街並みに、差し挟まれる水や植物などの自然物。街にはごみ一つ落ちておらず、衛士による規則正しい巡回が行われ、スラムなどの治安の悪い場所も無い――――――」

 「私の生まれた村や、その周辺と比べてしまったのも悪いのでしょうね。あそこが王都だと言われても疑いませんよ」そう言って溜息をつくアースに、ちょっとだけ罪悪感が湧く。

 ……ごめん、あれでも自嘲した方らしいよ。

 実は建築するにあたって『王都より立派にならない事』が条件だったらしいし。

 そっと顔をそむけたあたしをアースが気遣ったので、今の話をしたら「え、あれで……?」って絶句してた。

 うん、だからごめんて。


 つまり物凄くおおざっぱに言えば、アースは常識を破壊されかけて、これはまずいと本当に“止める側”(つまりフードの男側)につこうと思いかけたのだけど(それがあの裏切りっぽく見えた事件の真相という訳だ)まあ結局のところ、上からの指令なので……ってとこ?(どっちも国のトップではあるんだけど)

「……つまりどっちつかずってことじゃない。……そんな事してて危なくないの?」

「おや、心配してくださるんですか?」

「そうじゃないし」

 にらんだら苦笑された。

 あんたの事でしょうが。

「そうですね、自分がこうしてふらふらっとする事も、想定の内だったと思いますよ。実際に見ると聞くとでは違うとは言いますが、これほど分かりやすく実感するとは思いませんでしたしね。……上は、恐らく確実に暴走するであろう『第1王子』を止める役目として自分を派遣しましたが、裁量、判断、決定は私に任されていました。なので、最終的な部分で役目が果たせれば、それでおとがめ無しという事で良いんじゃないでしょうか」

 へー……。←




 灰かぶりの留守を守るマッチ売りは、今日も騎士と共に暮らしている。

 義父とはその後和解に至ったが、いたずらに混乱を招いた共犯として、国――――――との契約を装ったフードの男との契約を破棄。速やかに地元に帰った。

 どうやら世話になった知人にマッチ売り―――彼にとっては『マリー』の事を報告する様だ。

 義父との仲違いの原因になった“あの夜”の件に関しては、義父によるおせっかいというか、先走りであった事が発覚している。

 成人を控えた彼女に、安定した暮らしを与えてやりたいと思った、純粋なる親心だったのだ。

 だがその中に、いくばくかの掴み切れない仄かな感情があったという事は、義父と……察してしまった騎士だけの秘密である。


 そうして、騎士による報告から、塔への警戒レベルはさらに引き上げられる事となった。

 セントラーダ皇太子である第1王子。

 彼がこの森を否定し、干渉しているという事実。

 そして塔の実体化。

 先の件の現場には、第2王子の存在は無い。

 実体化、さらには眠り姫の眠りを解く王子としての役目が、もし第2王子ではなく第1王子にあるのだとしたら……。

 果して、2人の内どちらが真の“目覚めの王子”なのか。


 騎士によりもたらされた情報は、それだけでは無かった。

 彼の持ち得た情報の出所の謎と、何者かの影。

 究明したくとも『姫』の目覚める危険性がある限り、塔に不用意には近づけさせられない。

 それゆえ、現状では棚上げせざるを得ず、水面下での情報戦を主体としたこの状況は、今しばらく続く事となる――――――



 マッチ売りの少女と王国騎士。

 まだまだ2人は監視対象だけれど、巨人戦で頑張った事もあり、周囲からはそう悪くは受け止められてない様だ。

 お互いの中は現在、なんとなく仲良し?といった感じである。

 息は合っている様で『若夫婦』などと呼ばれる事もある。

 ……良くも悪くもこれからの二人なのであった。


「わっ、若夫婦なんかじゃないもん!!」


 さてはて。



 騎士の彼が「人生の墓場に片足突っ込んでもいい」と彼女に向って言うまで、後少し。

 だが、『マッチ売りの少女』である彼女が騎士に向かって「あたしの居場所は貴方の隣」というベタなセリフを言うまでは、まだまだ時間がかかりそうであった。






キャラ紹介


◆マッチ売りの少女

 召喚された当時はまだ幼く、混乱によって暴走、のちに『神』によって抹消されたと思われていたが、実は生きていた事が判明。再び森に迎え入れられる。

 その際心―――主に感情部分に手を入れられ、恐怖心や当時の混乱した気持ち、それにまつわる一部記憶を消されている。

 『神』によって転移され、現地の住民によって孤児『マリー(当時自身の身上を上手く説明出来なかったが故)』として保護される。

 森に戻る際、保護者とは意見が合わず、かなり強引に出て来てしまっている。

 現在、実年齢も精神年齢も10代後半、一般的な女子高生程度。同じ訪問者(ビジター)の中では性格が軽い方だと言える。

 過去を失い、保護者の元も飛び出しているがゆえ『確固たる自分の居場所』が欲しいと思っている。

 普段は場末のシンガー。(場末って何よ:怒:聖女談)

得意:魔法 炎 幻影(陽炎) 武器:投擲武器マッチ 

特殊:INT TEC 幻影効果付きマッチ制作

称号:マッチ売りの少女


◆アースクライド

 元貧困村農民、元傭兵団所属、先の戦争で活躍し英雄視された。

 その後諸事情あって(おもに某所の第2王子のせい)王国騎士にまで抜擢された凄腕の剣士。

 親衛騎士とは名ばかりで、潜入調査から討伐まで何でもやる……やらされている。

 実質叩き上げなんで扱いはこんなもの。

 今回雇い主であるエドやミリオンとしては、調停者としての仕事の他に対抗勢力が接触する事も想定していた上での人選だった。

 しかし、幼少期にかなり苦労した様で、そのせいもあって魔法の利便性が罪深く思えてしまう。

 その為フードの男が接触してきた時も、半ば自分の意志で与していた。

 だがその後のどさくさで、ちゃっかり本来の仕事をこなした事になっているあたり、かなりのやり手。

 いわゆる加持さんポジ……げっふんげっふん。

 ふらふらしている様に見える部分もあるが、一般的な倫理観はちゃんと持っている。

 ただあくまでその一般的な部分は、“この世界における一般”を逸脱するものではない所がミソ。

 上司さん達はその辺も踏まえ、あえて実際に見てもらうのが一番とばかりに放り込んだ訳だが、最終的には情が勝った(?)おかげで貴重で得難い理解者を得る事になる。鬼畜ってレベルじゃねーぞ!

 マッチ売りを保護した義父とは昔馴染みで、傭兵時代にはかなり世話になっていたが、マッチ売りを巡って微妙な空気になる事に。

 フードの男からは籠絡の指示もあったが、それを言い訳に使う程度には気持ちがあった模様。

 礼儀正しいが底の見えない人物。

得意:武器:片手剣 特殊:STR特化 ややAGI

身分:王国騎士団所属第2王子直属親衛特務騎士ならびに始まりの森調停者

称号:カルネデアの英雄(元)


◆無礼MEN!

 グローブタウンをホームに活動する、野郎ばかりのミュージックバンド。

 冒険者としては、けも耳や翼を持つ獣人パーティでもある。

 演奏者としての腕はかなり優秀なのだが、いかんせん肝心の歌が壊滅的で有名。

 一部ではジャイアンの呼び声も高い。

 最近はマッチ売りの少女とコラボする事も多い。

称号:ブレーメンの音楽隊

◆ロバ耳ドラム

 最年長のまとめ役。メンバーの中では温厚な方。叩くぜ叩くぜー!←温厚……?

◆犬耳キーボード

 たまにボーカルも担当するが、音程はお察しである。

◆ぬこみみベース

 犬耳と双璧をなす癒し系ベース担当。ただしロリ疑惑。

◆ヒュプノス……にわとりギターボーカル

 お調子者のけたたまし屋。とにかく五月蠅い。

 本人にその気は無かったのだが、歌声が騒音レベル→超音波認定→相手気絶という経過を経て、攻撃時に必ず睡眠効果が付くようになる。「ひでぇよ!!」(本人談)


◆軍用ブーツを履いたぬこ騎士

 ごっついブーツを履いた二足歩行の猫。

 気に入った人物をご主人と呼び、仕えているらしい。ちなみに現地人(びしょうねん)

 戦闘では二刀流を使いこなし、俊敏性、機動力に優れる。

 狭い場所の戦闘を得意としており、様々な物を足場にトリッキーな戦い方をする。

 その様は正に立体起動。

 言葉の端々に「にゃ」をつけて萌えキャラアピールをしているが、可愛いかどうかはまた別の話。

得意:魔法 風 大地 武器:細剣×2 

特殊:TEC AGI  巨人特化

称号:長靴をはいた猫 ジャイアントキラー


◆ジャックと豆の木

 掲示板の常連の一人で、一時期南大陸の荒野で開拓生活を送っていたが戻って来た経緯を持つ、いわゆる出戻り住人。

 灰かぶりの前に塔の見張り役をしていた『ラプンツェル』を娶り、嫁は現在第2子妊娠中というリア充爆発の代名詞。

 誰もその事に触れようとしないのは決して気のせいでは無い。触れたら抉れ死ぬ。主に心が。

 普段は農夫っぽい格好の気のいい兄ちゃんで、青ひげと仲良し(農作業的な意味で)

 主武器は斧だが、他に鎌、クワ、ハンマー、じょうろなどで戦う事も。お前はどこの牧物主人公だ。

得意:魔法 大地 武器:バスターアックス(両刃斧) 

特殊:STR VIT  巨人特化

称号:ジャックと豆の木 巨人殺し





 いろいろ詰め込んだので事情説明全書けてるかな……?

 義父とのやり取りは個人的事情につき割愛。

 いわゆる義父×義娘カップリングのよくあるパターンというやつです。


 たまには当て馬がいい目を見たっていいじゃない!





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