第51話 ばんぐみ、がんばるぞー!
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ありがとうございます!
「──という流れで、進行していきますので、よろしくお願いします」
「りょうかいです! じゃあ、私はまたインタビューの時みたいに、横にいればいい感じですかね?」
「はい。それで、もう1人ライバーが来ますので、よろしくお願いしますね」
「え、あ、はい! 2人で進行していくってことですかね?」
「その通りです、フィーナさん。では、頑張りましょう」
「はーい!」
任せてくださいヨォ!
【D'ream】の2nd LIVEも終わり、今日は後夜祭となる番組『ウラバナシ』の打ち合わせをスタッフさんとしていた。ライブの熱も冷めやらぬ内にやってしまおうという魂胆、いいと思います!
「……もう1人って誰なんだろ?」
どうやら、私ことフィーナと、もう1人のライバーさんでウラバナシを進行していくということで、ふむ。司会が2人というのはよくある形式なので、不思議に思うことは何もない。
その相手のライバーさんというのが気になるところだけど、まあ大抵のライバーさんとはコミュニケーション取れるだろうし、問題なかろうと思っている。
とりあえず流れを意識して、一般通過フィーナにならないように気をつけなければね!
ウラバナシぃぃ、今回はこの司会で、全力を見せつけて、ギャフンと言わせたらぁ! キュイイィン(突き出した右手を光らせながら)!
* * *
というわけでスタジオ入りである。
すでにスタッフさんが大勢入っていて、準備を始めている。ディレクターさんもいるというのだから、この番組だいぶコストかかってますよこれ!
「よろしくお願いしまーす!」
元気よく挨拶、これ基本!
そんな風にスタッフさんに挨拶を交わしつつ、スタジオを闊歩していると、ふわりと自然な金髪が目の前に現れる。
レインちゃんだ。
「あ、フィーナ。今日はよろしく頼んだの」
「レインちゃん、よろしくねー!」
期待には応える女ですよあたしゃ!
レインちゃんは、私の肩にタッチしてくるんだけど、なに、触りたいお年頃? 減るもんじゃないから、ショルダータッチくらいは大丈夫なんだけど、もしやえちえちなんですかね(妄言)?
そんなレインちゃんの後ろにはビクビクしているフレイア・ナイトメア──メアちゃんが。
「……あの……緊張……してないみたい……です?」
「メアちゃん! うん、私ってあんまり緊張とかしないタチみたいでね! 今日はよろしくね」
「あ……はい……お願い……しますっ」
ぎこちなさげに笑顔をつけてくれるメアちゃん。かわいい(呪いの言葉)!
やっぱりこれで男の子っておかしいでしょ。世界の生み出した第3の性別だったりしない?
少しだけポケット膨らんでいて、何か入れているのかな?
そして、そこに新たなる第3の刺客が現れる。
「2人とも、そろそろお仕事の時間よ。準備するわよ」
「わかったの」
「……おっけー……」
ルナさんの号令で、レインちゃんとメアちゃんは頷いたり、サムズアップしたりとそれぞれの反応を示す。
ともかくとして本番前であるので、ルナさんが2人を連れ戻しに来たらしい。お姉さんだなぁ。
「ルナさん、今日はよろしくお願いします!」
「はぁい、よろしくねフィーナちゃん。今日は頑張りましょうね」
「はい!」
頑張りますとも! 気合いは十分、空回らないように気をつけるのみ!
挨拶もそこそこに、【D'ream】の3人はそれぞれの持ち場へと向かっていく。メアちゃんやレインちゃんは手を振ってくれたり、ルナさんはウィンクをしてくれたりして、ノックアウト寸前である。僕の人生のエンドロール迎えちゃいそう。スタッフロールが流れちゃう!
「……うーむ。厳しい戦いになりそうだ」
果たして、私は耐えられるだろうか。君のいない世界線に。違う、出演者陣のパワーと魅力に、勝てるだろうか。飲み込まれて、興奮しちゃいそう。ステイクールだ、私。
「……そう思うわ、これは聖戦よ」
「うわっ、花奏先輩!?」
背後から急に声がしたので、首を思いっきり後ろに向けると首を痛めた。痛い。
けれどその甲斐あって、後ろに立っていた人物、花奏先輩の姿を見ることができた。
花奏先輩は、きびきびした口調で。
「私のこと、知ってるのね。……それなら話が早い。匿って欲しいのだけど」
かく、まう?
「えと、それは誰から?」
「……かーなーでーぇ?」
恐ろしい声がした。怖い。
「この人からよ」
「もう見つかってるので、匿うもなにもないじゃないですか……」
花奏先輩は、そこに現れたもう1人に指を向ける。そこにいたのは、長身の女性。
声からしても、その人が誰なのかは明白だ。
天使の歌声、アンジェラ先輩だ。
二つ名みたいな呼び方になってしまった。
「そうね、一理あるわね」
「つべこべ言ってないで、さっさとしー! あたしらもヒマじゃないんよ!」
「残念だわ、後輩とのハートフルなコミュニケーションの最中だというのに」
「あーね、遺言はわかった……ゴメン、フィーナさん、このバカ借りてくね」
「は、はーい。い、いってらっしゃーい」
首根っこを掴んで、ドナドナされてしまった。どなどなどーなーどーなー!
なんというか、アンジェラ先輩ってギャルっぽいね。声からしても、話し方からしても、そういう雰囲気があるのはなんとなく画面越しに知っていたけど、実際の人として会うと印象が確定されて、凛としたイメージが強くなりましたね!
なぜ匿うみたいな話があったのかな……アンジェラ先輩から逃げてたのかな?
まあ、いいか。深く考えても仕方ない。
そんなこんなで本番の時間は近づいている。
残念ながら、るう先輩とめばえ先輩には挨拶できなかった。忙しいからしゃーないよね!
私も挨拶に行きたかったけど、台本をしっかり読み込んで最終確認していかないと、本番失敗しそうだし、必死だったから難しかった。台本にメモ書きがたくさんしてあるので、きっと役に立たないのも何個かある!
でも、戦いなので、死ぬほど準備をするなんてみんなやってることでしょう?? ねぇ浦◯さん!
そんなわけで、本番前になったわけなんだけど。どんなわけやねん!
「えーっと、え、あれ?」
「よろしくね、アストライアさん」
「は、はい、よろしくお願い、します?」
「……なんで疑問系なの? って言うか、ボーッとしてない? 大丈夫?」
ボーッとしてしまった。
私と共に番組を進行してくれるライバーさんが来たということで、初顔合わせになったわけなんだけど。
え、ちょっと待ってよ。
その声は……?
「まさか……でも、えっ!?」
「いや、不安しかないんだけど。アストライアさん、進行できる?」
「え、あ、任せてください! 大ファンです!」
「ダメじゃん」
私と進行してくれるのは、今をときめくスーパーVtuberにして、半吸血鬼のダウナー系美少年である、私の推し──
──斜向翠だったのだ。
はぇ?
混乱して何も考えられないままに、番組が始まろうとしている。フリーズ状態だ。
嬉しいという気持ちすらまだ追いついていないぐらいで、ほんとに誰か助けてください。
ばんぐみ、がんばるぞー? およよー?
* * *
斜向翠
@hasmuΧ_greeN
ナレーションもしてた『【D'ream】2nd LIVE 《No-blesse》』のウラバナシを、アストライアさんと司会でやってくから、よければ。
↓↓↓
『【D'ream】2nd LIVE 《No-blesse》〜ウラバナシ〜』




