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第51話 ばんぐみ、がんばるぞー!

ブックマーク600件、総合評価2000pt超えてました。

ありがとうございます!

「──という流れで、進行していきますので、よろしくお願いします」


「りょうかいです! じゃあ、私はまたインタビューの時みたいに、横にいればいい感じですかね?」


「はい。それで、もう1人ライバーが来ますので、よろしくお願いしますね」


「え、あ、はい! 2人で進行していくってことですかね?」


「その通りです、フィーナさん。では、頑張りましょう」


「はーい!」


 任せてくださいヨォ!


 【D'ream】の2nd LIVEも終わり、今日は後夜祭となる番組『ウラバナシ』の打ち合わせをスタッフさんとしていた。ライブの熱も冷めやらぬ内にやってしまおうという魂胆、いいと思います!


「……もう1人って誰なんだろ?」


 どうやら、私ことフィーナと、もう1人のライバーさんでウラバナシを進行していくということで、ふむ。司会が2人というのはよくある形式なので、不思議に思うことは何もない。


 その相手のライバーさんというのが気になるところだけど、まあ大抵のライバーさんとはコミュニケーション取れるだろうし、問題なかろうと思っている。


 とりあえず流れを意識して、一般通過フィーナにならないように気をつけなければね!

 ウラバナシぃぃ、今回はこの司会で、全力を見せつけて、ギャフンと言わせたらぁ! キュイイィン(突き出した右手を光らせながら)!



 * * *



 というわけでスタジオ入りである。

 すでにスタッフさんが大勢入っていて、準備を始めている。ディレクターさんもいるというのだから、この番組だいぶコストかかってますよこれ!


「よろしくお願いしまーす!」


 元気よく挨拶、これ基本!

 そんな風にスタッフさんに挨拶を交わしつつ、スタジオを闊歩していると、ふわりと自然な金髪が目の前に現れる。


 レインちゃんだ。


「あ、フィーナ。今日はよろしく頼んだの」


「レインちゃん、よろしくねー!」


 期待には応える女ですよあたしゃ!

 レインちゃんは、私の肩にタッチしてくるんだけど、なに、触りたいお年頃? 減るもんじゃないから、ショルダータッチくらいは大丈夫なんだけど、もしやえちえちなんですかね(妄言)?


 そんなレインちゃんの後ろにはビクビクしているフレイア・ナイトメア──メアちゃんが。


「……あの……緊張……してないみたい……です?」


「メアちゃん! うん、私ってあんまり緊張とかしないタチみたいでね! 今日はよろしくね」


「あ……はい……お願い……しますっ」


 ぎこちなさげに笑顔をつけてくれるメアちゃん。かわいい(呪いの言葉)!

 やっぱりこれで男の子っておかしいでしょ。世界の生み出した第3の性別だったりしない?


 少しだけポケット膨らんでいて、何か入れているのかな?


 そして、そこに新たなる第3の刺客が現れる。


「2人とも、そろそろお仕事の時間よ。準備するわよ」


「わかったの」


「……おっけー……」


 ルナさんの号令で、レインちゃんとメアちゃんは頷いたり、サムズアップしたりとそれぞれの反応を示す。

 ともかくとして本番前であるので、ルナさんが2人を連れ戻しに来たらしい。お姉さんだなぁ。


「ルナさん、今日はよろしくお願いします!」


「はぁい、よろしくねフィーナちゃん。今日は頑張りましょうね」


「はい!」


 頑張りますとも! 気合いは十分、空回らないように気をつけるのみ!


 挨拶もそこそこに、【D'ream】の3人はそれぞれの持ち場へと向かっていく。メアちゃんやレインちゃんは手を振ってくれたり、ルナさんはウィンクをしてくれたりして、ノックアウト寸前である。僕の人生のエンドロール迎えちゃいそう。スタッフロールが流れちゃう!


「……うーむ。厳しい戦いになりそうだ」


 果たして、私は耐えられるだろうか。君のいない世界線に。違う、出演者陣のパワーと魅力に、勝てるだろうか。飲み込まれて、興奮しちゃいそう。ステイクールだ、私。


「……そう思うわ、これは聖戦よ」


「うわっ、花奏(かなで)先輩!?」


 背後から急に声がしたので、首を思いっきり後ろに向けると首を痛めた。痛い。

 けれどその甲斐あって、後ろに立っていた人物、花奏先輩の姿を見ることができた。


 花奏先輩は、きびきびした口調で。


「私のこと、知ってるのね。……それなら話が早い。匿って欲しいのだけど」


 かく、まう?


「えと、それは誰から?」


「……かーなーでーぇ?」


 恐ろしい声がした。怖い。


「この人からよ」


「もう見つかってるので、匿うもなにもないじゃないですか……」


 花奏先輩は、そこに現れたもう1人に指を向ける。そこにいたのは、長身の女性。

 声からしても、その人が誰なのかは明白だ。



 天使の歌声、アンジェラ先輩だ。

 二つ名みたいな呼び方になってしまった。



「そうね、一理あるわね」


「つべこべ言ってないで、さっさとしー! あたしらもヒマじゃないんよ!」


「残念だわ、後輩とのハートフルなコミュニケーションの最中だというのに」


「あーね、遺言はわかった……ゴメン、フィーナさん、このバカ借りてくね」


「は、はーい。い、いってらっしゃーい」


 首根っこを掴んで、ドナドナされてしまった。どなどなどーなーどーなー!


 なんというか、アンジェラ先輩ってギャルっぽいね。声からしても、話し方からしても、そういう雰囲気があるのはなんとなく画面越しに知っていたけど、実際の人として会うと印象が確定されて、凛としたイメージが強くなりましたね!


 なぜ匿うみたいな話があったのかな……アンジェラ先輩から逃げてたのかな?


 まあ、いいか。深く考えても仕方ない。



 そんなこんなで本番の時間は近づいている。


 残念ながら、るう先輩とめばえ先輩には挨拶できなかった。忙しいからしゃーないよね! 


 私も挨拶に行きたかったけど、台本をしっかり読み込んで最終確認していかないと、本番失敗しそうだし、必死だったから難しかった。台本にメモ書きがたくさんしてあるので、きっと役に立たないのも何個かある!


 でも、戦いなので、死ぬほど準備をするなんてみんなやってることでしょう?? ねぇ浦◯さん!


 そんなわけで、本番前になったわけなんだけど。どんなわけやねん!



「えーっと、え、あれ?」


「よろしくね、アストライアさん」


「は、はい、よろしくお願い、します?」


「……なんで疑問系なの? って言うか、ボーッとしてない? 大丈夫?」


 ボーッとしてしまった。

 私と共に番組を進行してくれるライバーさんが来たということで、初顔合わせになったわけなんだけど。


 え、ちょっと待ってよ。

 その声は……?


「まさか……でも、えっ!?」


「いや、不安しかないんだけど。アストライアさん、進行できる?」


「え、あ、任せてください! 大ファンです!」


「ダメじゃん」



 私と進行してくれるのは、今をときめくスーパーVtuberにして、半吸血鬼のダウナー系美少年である、私の推し──



 ──()()()だったのだ。



 はぇ?


 混乱して何も考えられないままに、番組が始まろうとしている。フリーズ状態だ。


 嬉しいという気持ちすらまだ追いついていないぐらいで、ほんとに誰か助けてください。


 ばんぐみ、がんばるぞー? およよー?



 * * *



 斜向翠

 @hasmuΧ_greeN


 ナレーションもしてた『【D'ream】2nd LIVE 《No-blesse(ノブレス)》』のウラバナシを、アストライアさんと司会でやってくから、よければ。


 ↓↓↓

『【D'ream】2nd LIVE 《No-blesse(ノブレス)》〜ウラバナシ〜』


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