第19話 アス雪コラボ後の語らい
誤字報告ありがとうございます。
今回は短いです。
アス雪でのメイクラコラボ配信が終了して、私は大きく伸びをする。ぐぐぐーっと。
座りっぱなしだと腰にきますわ……!
「ふぃぃー、終わった!」
『ふふ、お疲れ様でしたぁ』
通話口から、コラボ相手だったリース・ピュア・スノウ先輩の声がする。
いけない、いけない。電話が繋がったままで気の抜けた声を聞かせてしまった。やっちまったなぁ!
でも、とりあえずお礼をば。
「リース先輩、誘ってくださってありがとうございました! ほんとに楽しかったです」
沢山の場所を案内してもらって、あっという間に配信が終わってしまった。
もっともっと続けばいいのにと、そう思ってしまう自分がいる。
そりゃそうだよなぁ、楽しいもの〜! 気分は遊園地に来た子供!
『リースちゃん、ですよぉ?』
「あ、そうでした……たはは」
ワクワクとドキドキで、夢と魔法の世界だった私に、リースちゃんからの圧力がかかる。可愛いのにちょっと怖いのなんでだろ!?
配信中は、テンションハイになってたから、言えたけど、オフだと難しいよ!
配信外でもそれで通していいものか?
これ、人生最大の命題だと思うんだよね。
『呼んでくれないのぉ? 私、それを楽しみにしてきたんだけど〜』
「そう言われても……が、頑張ります!」
『もっかい復唱するぅ?』
うう……ええい、ままよ!
「リ、リースちゃん?」
『あー、呼んでくれたねぇ!』
なんて恐ろしい子! あと可愛いんだよ!
リースちゃんは裏表のない素敵な人だなぁ……!
圧が一瞬で消滅して、花が咲くようにポワポワした声が聞こえてくる。
『フィーナちゃん、1つ聞いてもいいかなぁ?』
「はい、なんでしょう?」
質問? なんでもこい! NGはないよ!
『フィーナちゃんは、どうして私とコラボしてくれたのぉ?』
え?
リースちゃんが尋ねてきた質問に、やや間が開く。まさかその質問をされるとは思ってなかったから。
『私はフィーナちゃんと仲良くなりたかったしぃ、早く馴染めるように〜とか、考えてたけどぉ、フィーナちゃんの気持ちが知りたいなぁって』
「私の気持ち……ですか」
理由になるものはいくつもある。
せっかく先輩と絡める機会だったし、先輩の中でも絡みやすい人だったし、4期生として先輩のリースちゃんと仲良くなれば交流の輪を広げられるし。色んな考えが頭を駆け巡る。
けれど、そんな打算を抜いてしまって、私の心にあるもの。
リースちゃんとのコラボに踏み切った理由は。
「私も、リースちゃんと仲良くなりたかったんです。憧れだったので!」
憧れ。
理解から最も遠い感情と言われそうで怖いけれど、目標としている人の1人ではあって。
『……あこがれ、ですか?』
言葉の音1つを反復するように、リースちゃんが呟く。
あれ、いまなんか少し……いや、なんでもないか。
理由が、すごく自分本位ではあるけど。
少しだけ、話しておきたい。
「私、昔は働き詰めでクタクタだったんです。疲れたーって、もうダメだーって何度も思いかけましたけど、そのたびにリースちゃんの配信で癒されてましたし!」
恥ずかしい話だけど。
自分で決めても、挫けそうな時があった。
やらなきゃいけないのに、投げ出したくなる時もあった。
けど、そのたびに頑張ることができたのは、リースちゃんの癒しによるところも大きい。
負った傷が、癒えていくように。
リースちゃんの温かい言葉が、心が、私に染み渡るようで。
そんな風になりたいと、何処かでは思ってた。
じゃなければ、4期生のオーディションでも、リースちゃんの名前は挙げなかっただろうし。
けど、私はリースちゃんにはなれない。自分で言うのもあれだけど、中身残念だからね!
そこの自覚はちゃんとあるんですよ!
『……そうなんですかぁ』
「そうなんです! だから、今日の配信は緊張しちゃいました。えへへ」
本当に緊張したよね! そりゃあ、お世話になった人とコラボさせてもらえるなんて、特大ラッキーだもん!
柄にもなく緊張してたし。あーでも後半はちょっとずつ解れてきてたけどね!
『フィーナちゃんは、私のリスナー、粉雪だったんですねぇ』
「ですね!」
粉雪ですよ! ねえ!
割と初期から追いかけておりましたからなぁ……急な古参マウントごめち!
『また、私とコラボしてくれるぅ?』
「もちろんです! こちらこそ土下座で頼み込みますよ!」
『ふふ、楽しみですねぇ』
こちらこそ、爆裂楽しみなんですが!
えぇ、どうしよう。どんな企画ならリースちゃんをお迎えするのに良いかなぁ。
これは熟考の必要がありそうだと、私はリースちゃんとの会話を楽しみながら、片隅でそんなことを思うのだった。
リースちゃん、これからもよろしくお願いします!




