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【書籍化&コミカライズ】禁忌解呪の最強装備使い~呪いしか解けない無能と追放されたが、即死アイテムをノーリスクで使い放題~   作者: 青空あかな
第6章:【東の帝国】編

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第64話:最強のドラゴンを召喚してやる(Side:プライオス①)

「クソッ、アフタルめ! 面倒な傭兵を雇いやがって!」


 俺は自室に戻った後、弟とその傭兵――レイク・アスカーブに対して悪態を吐いていた。

 レイクとかいう人間が来た理由はだいたい想像つく。

 大方、戦争を中断させようというのだろう。

 チッ……計画の邪魔をするんじゃねえよ。

 エンパスキ帝国は強大な国だ。

 うまくいけば、世界征服さえ夢じゃない。

 どうしてアフタルは理解しないんだ。

 ふと目を上げると、あいつの肖像画が目に入った。

 世間知らずな坊ちゃん面をしたアフタル……。


「俺を見下してんじゃねえ! この俺に逆らいやがってよ!」


 アフタルの肖像画を破り捨てると、いくらか気持ちが落ち着いた。


 ――さて……まずは計画を練り直す必要がありそうだ。


 自室の隠し扉を開け、秘密の部屋に入る。

 ここには俺が密かに集めた魔道具などが保管されていた。

 アフタルも父親も知らない空間だ。

 極秘に作らせ、製作した大工も国外追放したからな。

 部屋の一番奥の黒い水瓶に近寄る。



――――――――――――――――――――――――――――

〈魔の水瓶〉

ランク:S

能力:魔族の血を注ぐことで、魔界と接触することができる

――――――――――――――――――――――――――――



 闇の行商人から手に入れた、非常に貴重な品だ。

 値は張ったものの、手に入れて後悔はしていない。

 これから始める戦争には魔族を利用してやるつもりだ。

 世界を征服するという野望を裏から支える大事な魔道具だ。

 水瓶に魔族の血を注ぐ。

 じんわりと全体に広がり、歪な魔族が姿を現した。

 巨大な牙に額から伸びた一本の角……。

 漂うオーラは普通の魔族とは一線を画している。


『どうした、プライオル』

「遅いぞ。もっと早く出てこいや」

『すまないな。魔界と人間界を繋ぐのは、貴様が思っているより高度で手間がかかるのだ』


 こいつはコカビ・エルケノス。

 普通の魔族なんかじゃない。

 言わずと知れた三大魔卿だ。

 まさか、こんな大物と接触できるとは思ってもみなかった。


「というか、お前の授けたスキル全然役に立たないじゃねえか。ふざけてんのか」


 俺のスキル、《デモンズ・ドラゴンテイマー》はこいつから貰った。

 お近づきの印……とか言っていたが、役に立たないんじゃ意味ないだろうが。


『まぁ、そういうな。相手がレイク・アスカーブでは不思議ではない』

「……おい、お前はあいつのことを知っているのか?」

『もちろんだ。我々魔族もレイク・アスカーブには苦戦を強いられているからな。あれほど強い人間は長い歴史を見ても他にいない』


 コカビ・エルケノスの話に、思わず言葉を失った。

 あの傭兵がそんなに有名なヤツだとは……。

 だっ、て俺とほとんど変わらない年のように見えたぞ?


「まぁ、あの傭兵のことはどうでもいい。それより計画のことを話すぞ。あんなの無視だ、無視」

『いいや、無視はできない』

「……あ?」


 俺は昔から、自分の思い通りに事が進まないとイライラする。

 話を否定されるなんてもってのほかだ。


『レイク・アスカーブが生きている以上、貴様の野望は絶対に叶わない。戦争が勃発すると、あいつは必ず妨害に入る。そういう男だ』

「そんなの知るかよ。放っておけばいいだろ。ただの男だぞ」

『あれほどの強敵が介入してくる……その危険性はよくわかっていると思っていたが?』

「うっ……」


 たしかに、こいつの言うことには一理ある。

 あの傭兵は見るからに正義感が強そうな男だった。

 戦争が始まったなんて聞いたら、頼んでもないのに介入してくるに決まっている。

 俺の一番嫌いなタイプだ。


『そこでだ。良い案がある。貴様のスキルも必要になる計画……貴様がいないと達成できない計画だ』

「なんだよ。だったらさっさと言えや。もったいぶるなって」


 俺がいないと達成できない計画と聞き、気持ちが盛り上がった。

 魔族は大事な話を後回しにする癖があるらしい。

 こういう話は先にするもんだろうが。


『魔界には人間界とは比べ物にならないほど強いドラゴン――伝説の古龍がいる。それを人間界に召喚し、貴様のスキルでテイムしろ』

「伝説の古龍……だと? そんなの聞いたことねえぞ」

『魔界に伝わる生き物だからな。人間界には知られていない』

「なるほど……」


 こいつと接触してから、一応魔族のことは調べた。

 だが、どの文献にも伝説の古龍など書かれていなかった。

 やはり、それほど特別な存在なんだろな。

 どれくらい強いのか、今から楽しみになってきた。


『古龍の召喚にはこの水瓶を使う。まずは広い場所を確保しろ。その他には……』


 コカビ・エルケノスの指示の元、俺は古龍召喚の儀式を進める。

 世界を征服するには、下準備が大切だ。

 まずは邪魔者を排除する。

 見ていろ、レイク・アスカーブ。

 今度こそお前を八つ裂きにしてやるからな。

お忙しい中読んでいただき本当にありがとうございます


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