少年、気高き獣と少女 ~ラミア~
さぁ、ラミア視点の後半です。
これからどうなるでしょうか
では、どうぞ。
うちは、あれからすぐ・・。
色んなことがあった。
色んなことがあったからこそ
逃げたくないと思ったんや。
もう、わかるよな・・。
うちは、もう一人ではない。
あの時と比べて・・教えてあげたい。
あの頃の自分に・・。
”大丈夫だよ”って・・気恥ずかしいことやけど
今なら、もしかすれば言えるかもしれへんな・・。
****
「うちが使う技で・・一気に終わらせるわ」
もう、それしかないだろう
彼らの憎しみ、苦しみを終わらせるためにできることは
多分それしかないだろうだから
「術・・お前は、我らに勝てるとでも思っているのか?」
「まぁな、思っているで。ちなみに勘違いでもないで」
ニヘっとラミアは笑う
すると、ワナワナと震えるグリフォン
「思い上がるな!!」
ラミアはくくっと笑う
「思い上がるのは当たり前や。人間やからな
欲があるからこそ思い上がる・・それが人間。」
ギュオンっと陣が張られる
今までも見たことのないまばゆい光り
「な・・き、貴様!!」
すると、ラミアの足元が赤く光る
呪文もラミアは当然何も言っていない
「な・・。」
うろたえる
「うちの面白い奥義をみせてやるわ」
ラミアのナイフが光る
何かの振動の音がする。
「オバードライブ」
すると、ラミアはニィっと不敵に笑う
その途端、ゾッとしたのかグリフォンはワームたちに叫ぶ
「ファイヤボールでこやつを滅せ!!」
ワームたちは勢いよくファイヤボールでラミアがいた
場所を攻撃する
「命中したか!?」
煙の先にはもう・・いない!!
ヒュンっとラミアは一瞬で消えたのだ
そして、ビシビシっと鋭い音が聞こえる
「な・・・。」
それは一瞬だった
「”オーバーダウン”」
すると、ワームたちの身体が倒れこむ
力が抜けるように倒れる
「力・・抜ける」
「脱力・・だ。」
動けないのか身体が痺れているようだ
「な・・ワームたち!!どこだ
どこにいる」
キョロキョロっとラミアを探す
「そこかぁぁぁ”」
鋭い風をお見舞いさせようとするが
すると、どこからか
「ブレイクさせていただくで?」
すると、一瞬で攻撃は終わる
ガクっと、グリフォンは身体の力が抜ける
身体を起き上がる力はもうないかのように
「き、貴様・・何をした・・!!」
ドサっと倒れるグリフォン、ラミアの足からは
煙がプスプスっと出ている
「ふぅ・・オバードライブは速度上げの技やねん
あ~足痛い。
で、ブレイクはあんさんの身体の機能の軽く
崩壊や。一日は動けんよ~。」
そういって熱くなった足をさする
「な・・でも、ワームたちは・・。」
「大丈夫や。ただ気絶させただけやもん」
あっさりというラミア
よく見ればワームたちは気持ちよく眠っている
それを見たグリフォンは唸るように
「なぜ・・我らを殺さない!!敵に情けをかける
つもりはない!!」
ラミアに憎悪の瞳を向ける
「うちにはそんなの権限はないし。
元々の目的やないからな」
「え・・。」
ラミアの答えにグリフォンは目が点になる
うちには、目的は二つあった
実はあの時、旬はこういったのは
”召喚獣を殺すな”
そして、”暴走を止めろ”
それだけやった
「・・うちは、あんさんらの暴走を止めること
そして、危害を加えないことや」
「・・なぜ・・そんなことを!!」
「・・まぁ、一つは旬の独自の考えやな」
うちは旬のおかげで救われた
その時の恩は今も忘れない!!
すると、黙っていたグリフォンが
「だが、あの方たちの恨みは我らより深い!!
俺たちも同じように永遠に恨むのだ!!」
動けないのにラミアを睨む
「そやろうな。なんとなくわかるわ
うちにも同じ思い抱いたことがあるしな。」
「貴様に何が分る!!お前も同じ思いが
するわけがない・・!!」
吐き捨てるようにグリフォンが怒鳴る
ラミアは静かに
「うちは、知っている。この世ではどうにもならないことが
おおすぎるんや。復讐したいと何度も思ったことがあるわ」
「な・・。」
そう、うちでも分るこの不幸と思いたいほどの絶望
それよりもっと酷い状況の中で生きてきた
召喚獣の苦しみはきっとうちより闇があるはずや
「うちなんて、孤児やからな。村も焼かれてしまった身や
ただ、消えゆく村を眺めることしかできなかった
己の無力に何度も嘆いたわ。」
あの頃は、涙を流すだけじゃない
己の無力とそして、すべてを憎んだ。
そんな、自分がいた。
「・・なぜ・・憎悪してもなお・・そんな顔で
いられるんだ・・?」
「・・わかったんや」
「え・・。」
うちは気づいた・・。
「恨んでも憎んでも何も変わらないとわかったんや
うちは、このままいけばきっと修羅になり
やがて、人でもない存在になる所やったからこそ
分る言葉かもしれんな・・。」
そう本当にそうだ
もし、旬にも出会わずに一人で抱え込めば
恐らく、修羅になっていただろう
「・・・私の負けだ・・。」
グリフォンはそうつぶやいたのだ
「・・・そか。」
そして、グリフォンはほがらかに笑ったのだ・・。
だが、すべては終わらない
「なんでだ・・」
村民はグリフォンを見る
「なぜ、殺さないんだ!!」
その騒ぐ声
「な・・人間が・・。」
グリフォンの怒りが見える・・ラミアは無表情で
「・・くだらないな」
ひゅっと村民の傍にナイフが刺さる
「ヒッ・・。」
「・・!!」
ラミアの行動にグリフォンは驚いた顔をする
「ゴタゴタうるさいな。外野は黙っとれや・・それと
そこの境目から動けばあんさんらの命はないで?」
ピタリっとナイフで境目を見せるラミア
「な・・あんたは俺たちを救ってくれるのではないのか!?」
「何いっているんや?」
ラミアはきょとんとする
「阿呆な村民やな・・うちが許すと思っているのか?」
ニッコリっと毒を吐くラミア
「うちはあくまでも。ことなかれ主義なんや」
いや、絶対ことなかれ主義じゃないだろう
邪悪だ・・とその時全員一致でそう思ったはずだ
「まぁ、あんさんらにはここでおとなしくせぇというわけや」
その笑う姿の後に悪魔の影が村民たちは
その時見えたと証言している
それほど、ラミアは恐ろしかったのだ
「・・!!」
ラミアの冗談だと思えない衝撃的な発言に村民は
あんぐりと口をあけている
「おねえちゃん・・。」
少女が、境目に超えてラミアの傍による
「嬢ちゃんか・・ごめんな。」
罵倒くらいなれているけど・・。
キツイかもしれんな・・。
内心そう思っていると少女がぺこりっと上品に礼をする
「・・・ありがとう・・そしてごめんなさい。」
「え・・。」
「こんな村のために・・戦ってくれて」
すると、ラミアは口元が釣り上がり
「・・・そか。どういたしまして」
ポンっと頭を撫でる
それを見た母親らしき人物が騒ぎ始める
「ドレス!!そこから戻ってきなさい!!」
母親が娘を戻そうと騒ぐ
ドレスと名乗った少女はイヤイヤするように
ラミアにすがる
「いや!!このおねえちゃんは信じられる
こんな、村民よりはるかに!!」
「な・・なんてことを・・!!我ら神の末裔に
なんて口の聞き方を!!」
「神の末裔か・・くだらない。」
「なんですって!!獣風情が!!」
グリフォンの声に女はヒステリー気味になり
そういって母親は境線を越えようとした途端
ラミアは忠告する
「もう一度言うわ・・”その境目から出れば”何が起こるか
あんさんも分るはずやで?」
ギラリっと村民をみる萎縮する村民
「ツゥ・・どこまであなたは卑劣なの!!」
「卑劣?それはこっちのセリフや。うちらを追い出した
あんさんらに言われる台詞はないしな」
どうやらラミアはまだ根にもっているようだ
「くぅ・・。」
村民もどうやら怒りで震えているようだ
だが、ラミアの強さに強く言えない
そんな状況だ
ラミアは笑みを浮かる
それも悪魔な笑みを・・。
「さてと。あんさんたちには聞かねばならないことが
あるんやった」
ドカっとその辺に腰を下ろす
それも、ニッコリとした顔で
「な・・我らには話すことなど・・」「あるんやろ?」
ラミアは遮る
それは口答えは許しませんという笑みだ。
「・・・!!」
その反応を見てラミアはただ、見下ろすだけだ
「・・くだらない。この争いよりも
この村のこと・・どうも、あんさんらの顔をみれば
可笑しい・・なぜ、外界と切断したのかその理由
はなしてもらうで・・?」
ビクっと震える村民たちの顔
何かあるな・・そうラミアは確信した。
「さぁ、洗いざらしに話せや。大丈夫
時間はかなりあるからな・・。」
ニヤリっと笑う姿は悪童に近い
だけども、ラミアの瞳は強い意思があった
必ず、こいつらからすべてを聞き取らなあかん
そう、それだけがうちがここにいる理由
うちは、うちの信念をつらむいてやる
「わかった・・話すから・・威圧しないでくれ」
「分ればいいんや・・」
その時の村民の言葉にラミアは・・
「 」
「えっ・・。」
村民がおそるおそる口にだした言葉に
ラミアは驚き固まるのだった
その頃、旬たちは走りだしていた
誰も構わず無我夢中に走るその姿は
どこか、焦っているようだったのだ・・。
次は誰の視点にしようか・・と考えます。
もちろん、旬以外の・・。
お次はあの人・・ってことでまた次話で。




