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少年、異世界に渡る  作者: 野上月子
召喚士村 ~神に愛された一族~
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少年、負けられない戦い   ~ラミア~

今回はラミア視点で始まります。

では、どうぞ・・。

「むらが・・。」


幼い少女は涙を流す


「お父・・お母・・。」


なぜ、うちだけなんや

なんで、うちだけ一人なんや



そして、消えた村を眺めていたのはうちだけや


他は皆消えた


この村のことを捨てたのだ


うちだけは捨てきれずにずっとそこにいた

だけど・・そんなうちに暖かい手を差し出してくれた

あの日・・。


一人から二人になった


そして孤児院につけば二人から・・大勢になった


うちは、今でも忘れることはない


村が焼かれたあの日のことを

村が消えた日のことも


すべて、忘れることはない

あの日を憎んだのはどれだけだっただろう


だけど、気づけば・・。

憎しみだけでは何も救われないことに気づいた


今、思えば


旬たち・・仲間と出会えたから

憎しみに目を向ける必要性はもう・・なくなっただから・・。




              ****



(ゴシュジン、キヲツケテ。

 カゼヲツカウカラ)


近くであの羊に似た獣の声が聞こえる


「待てや。うちは、着地用の風はいらん。」


うちには、そうやな・・技があるから

でも、旬たちは不思議な顔をして


「え、でも・・風がないと死ぬよ?」


(ソウダヨ。シヌキ?)


すると、ニヘっとラミアは笑い


「大丈夫や。」


(フゥ~ン、ナライイケド)


「いいの!?」


旬の騒ぐ声が聞こえた


どうやらあの羊はうちが何をしようとしているのか

わかっているようや・・。

うちが旬たちの道を作ることを。


「あんさんらは、避けろや」


ジジジッと音が聞こえる

ナイフの摩擦音だ


「え・・あ、うん」


そこには、ラミアが村の人間を襲っている召喚獣に技を使う

真上からだから、分らないはずだ


「技盗み”ジャンプ”」


ズサっと、一気に叩く


「ぐがぁ」


すると、召喚獣は倒れる

その異変に村民は目を丸くする


「だ、誰だ」


ザワっと騒ぐ

ラミアは仁王立ちで不敵に笑う


「うちはうちや。まぁ、名乗るっていえば正義の味方って所やな

 まぁ、頼まれてもいない。アンチヒーローでいいわ。」


ヘヘンっと自慢するラミア、旬は呆れて


「ラミア、そんなこと言っている場合じゃないよ」


旬の声が聞こえるだが、それどころかじゃないの状況だ


「わーっとる。」


面倒やな・・。


ガシガシっとラミアは頭を軽く掻いた

それをみた彼らの仲間は


「き、貴様ら・・人間(ヒト)か!!」


「そうやな・・この世でもっとも弱すぎる。人間(ヒト)や」


「なんなのその発言!!」


旬のツツコミが聞こえる

ザワっと村の人間も目を丸くする


そして、同じように召喚獣もだ


今なら・・行ける


「旬。先にいけや」


「で・・でも」


そばには震える村民の姿が映る


「村民のことか?そっちも安心せぇ

 うちがなんとかするわ」


「それでも・・危ないよ」


「・・なんやねん。うちが弱いとでも?」


「そ・・そんな・・。」


旬は、ラミアを心配そうな顔でみる

こんな大勢を倒せるはずが・・。


「大丈夫や。行け!!」


うちは、不敵に笑う

なんとかなる


それだけや!!


「わかった、ジン」


「ああ、行くぞ・・・大丈夫なんだな?」


「・・ああ、うちは強いからな。」


「そうか・・行くぞ!!」


(ゴシュジン、イソイデ!!)

「わかった!!」


走り出す旬たち

ノエルは心配そうな顔をしている


「大丈夫や。うちは・・負ける余裕はないからな」


すると、安心したのかニコっと笑って旬たちと共に

走り出した。

慌てたように召喚獣は


「き、きさまら!!まて」


旬たちは走り出す

そのあとを追うように召喚獣が動こうとすると


「待てや」


ピタっと時が止まったかのように彼らは止まる


「な・・。」


シュっと、数本のナイフが彼らの退路を遮る

それも、彼らが一歩でも動けば命中寸前だろう


すると、銀髪で黒目の男が振り返り


「・・どうやら、貴様がこの村民より強いようだな」


人型になった召喚獣はラミアを上から下まで眺める


「女だな・・それもか弱い女だ。」


「・・さぁな、うちは女でも男でもな

 どうでもええんや。まぁ、目的があって

 ここにいるわけだし・・。」


チラリっと村民を見る

怯えた瞳と邂逅する


「ヒィ」


どうやら、先ほどの攻撃で村民たちは震えているようだ


「そんな奴らを助けるのか・・?こんなやつを!!」


どうやら銀髪の髪と黒目の奴がリーダー格みたいやな

かなり、面倒やな


まぁええ、挑発したる。


「・・・ふん、こいつらは、うちらを追い出すくらいだけどな

 対して、そんなことどうでもええんや。問題は・・

 その魚をあんたらのせいで喰う機会を逃したんや」


ハァっと、魚のことで恨みがあるようだ


「なんだ・・。」


「でも、まぁええ。そんときはあんさんたちがな・・

 新鮮魚を慰謝料として獲ってもらえばいいだけのことや」


そのラミアの挑発に銀髪で黒目の青年はギラリっと睨みつける


「ほぉ、身の程知らずの小娘だ」


「そうやな・・あんさんの姿を知らないしな。」


すると、高笑いと共に男は


「なら我が真の姿を見せてあげようではないか」


「そか・・ありがとうさん」


「後悔するなよ」


人型から何かに変化する

翼が出てきて

鋭い嘴


「なんや・・あれは」


それは伝説の獣の・・一匹


「我が名はグリフォン」


気高き獣は、美しい羽を見せる

ラミアはパチパチっと拍手し関心する


「ほぉ、これはまた伝説獣がまた出てきたようやな

 オンパレードすぎるわ」


「我らを馬鹿にするのか!!人間(ヒト)が!!」


「そんなことどうでもええ。」


それよりも、ラミアはそのグリフォンの後ろにいる

召喚獣が気になるのかどうでもよさそうに


「あんさんの後ろでうなっているのは

 なんや・・?」


「ほぉ、馬鹿な人間(ヒト)にしては

 いい目だ・・見ろ、我らの配下を!!」


グリフォンの後ろにいるのは・・。


「うわっ。はた迷惑な。ワームやないか」


うようよと見える姿にラミアは面倒そうな顔をする


「そうだ、まだ幼獣だけどな・・いけ!!」


放たれたのは火のような赤いボール

しかも、毒も吐いてくる


「あかん、ファイヤーボールや!!危ないな!!

 しかも、あいつは毒を吐いてくるわで最悪やな。」


ラミアは避ける


「・・ほぉ、避けたか。」


「あ、あったりまえや!!」


その時、足止めしていたナイフが火と毒で溶けて

無くなったのを見たラミアは心の中でウゲっと

声を出す


なんや、こいつら幼獣とはいえカタ外れや

当たったら火傷だけじゃすまんな!!

溶けるし死ぬ・・選べない二択やな


とりあいず、顔に出ないようにしよ・・


「ふ、ふん、焦げてしまうやないか。うちの髪

 シャンプー代払って欲しいくらいや。」


悪態をつくラミア


だが、心の中は既に精一杯だ。


そんな、グリフォンはラミアに問いかける


「なぜ、一人になった・・死ぬ気か?」


なんや、こいつ・・。


「死ぬ気?そうやな。無謀すぎるな。

 でも、うちは、諦めへんけどな

 外道なあんさんらには・・絶対に」


「貴様・・私は召喚獣だそれも高貴なるグリフォンだ!!」


その人型から見える鳥の羽にラミアはため息を吐く


「・・召喚獣・・?はん、あんさんなんかあいつよりか

 格下や。」


うちは、知っている

決意をしてうちらを見据えたあの瞳

逃げろ・・といったあのユニコーンを!!


「き、きさまぁぁぁ」


ワームも怒りを抱いているのが見える


「こしゃくな。いけ!!」


炎と毒がラミアに襲いかかる

ラミアは、立ち止まったまま


「魔法盗み発動”ブレス”」


すると、風の息が辺りに強い風をする

だが、読まれていたのか


「風とはこういうものだ!!”ウィンドシア”」


強い風で相殺され

ラミアの目の前に炎が迫る


慌てて避けるがチリっと髪が少し燃える

チッと舌打ちが聞こえる


「チリチリや・・あっぶない。炎やな

 あと少しで黒焦げやで」


そして避けようとするとワームたちが邪魔をする


「ちぃ。邪魔な、獣やな。」


涙が流れてきそうや

もう、最悪やな


ん?


向こうから真空の風がうちに向かって来る


「うわぁ」



なんや、風や・・それも使い風の刃や!!

ズサっとラミアは避けるが間に合わなかったのか


ブシュっと鋭い音がした

頬からツゥ~っと血が流れていく・・。


「イタっ・・ほんま、最悪やな。」


触れると血がどんどん溢れてくる

村民はそんなラミアを見て


「もう、やめてよ!!」


小さな少女がラミアを見て叫ぶ

とても痛そうに少女は叫ぶ


「・・なんや、嬢ちゃん。」


「もういいよ!!おねえちゃんも思っているでしょ!!

 こんな村・・消えてなくなればいいのに・・って!!」


「よく言った!!そうだ、消えてなくなればいいのさ・・その通りだ」


グリフォンの高笑いが聞こえる


なんや、今の言葉・・。


消えてなくなれば・・。


そんな言葉を言ったのか!!


「ほんま、腹が立つなぁ。」

「え・・。」


うちは立ち上がる

痛みなんか・・どうでもええ。


「嬢ちゃん、村を無くしたことがないから言える

 一言やで?こんな馬鹿な一言はな。」


「・・・。」


村民は黙る


「無くなれば何も残らんで・・あとに来るのは

 後悔、苦しみ・・怒り・・そして憎悪や

 それこそ、終わりのない無限のループ。」


そんな、阿呆なことにならないために

うちは戦うんや 


「ふん、こんな痛み・・屁でもないわ!!」

 

頬に血を流したまま

ラミアは立ち上がる


腹が立つわ

村が消えてなくなればいいって・・・


「まだ、立ち向かう気か?」


「・・そやな。うちは諦めていないしな」


人間(ヒト)ならば、あっぱれだ

 しかし、なぜ立ち上がることができる!!」


グリフォンは問いかける

うちは、当然だと思う


なぜなら、立ち上がるのには、理由があるからだ


「憎悪しかないあんさんらには

 理由などわからへんはずや

 人間(ヒト)は儚くて弱い

 でも・・強いんや。」


「な・・何をいっている。人間(ヒト)

 弱くて・・醜いんだ!!」


それはそうかもしれない

それでも

弱くても・・生きることにあがなうこと・・。

それが人間(ヒト)だからこそ・・。



「・・・醜いのはきっと生きるのに目的があるからや

 幸せになるだけやない・・もっと大きなことを掴むために」


うちはあの時掴んだ幸せ

だけど、そいつらから何も感じられない

幸せじゃない


黒い憎悪・・。


「やれるのか・・弱い人間(ヒト)が」


グリフォンがうちに問いかける

うちは、血が出ている頬をグィっと勢いよく拭う


「・・そうやな、うちはまだ使っていない

 術があるんや・・それを見せてやるで?」


そうこれこそが、うちの最大の狙い

さぁ、うちの中でこの苦しみを終わらせよう


出来ることを・・。


ラミアは何度でも立ち上がります。

なぜなら、負けたくないから・・。

旬たちのためにも・・。


さぁ、次回はどうなるのか・・。

では、またどうぞ

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