少年、神の世界
さて、はじまりました。
今回は、シリアスからコメディー的な内容に
まぁ、前半コメディー後半ちょい、シリアス的な展開かも・・。
とりあいず、どうぞ。
報われることもないその呼応される気持ち
どうすればこの気持ちを抑えられるのか
教えてくれる人はいない
どんどん・・堕ちていく
「・・・。」
儀式はすでに用意はできた
あとは・・この禁じられた世界で、始めよう
「・・・。」
声がする、どうやら口を塞がれて声を出せないようだ
「悪く思わないでくださいね・・。」
「・・・姉さん。」
****
ギィィィっと扉から眩しい世界が溢れていく
「すごいね・・森・・?」
足を踏み込んだ世界は、森のような不思議な空間だった
周りには足に沈む程度の水が張っている
「・・なんや・・ここ」
ラミアですらその光景に呆然としていた
「ここが、お父様の・・世界」
「・・・。」
ミリカはその世界を眩しそうに見上げていた
「ここ、太陽もあるね・・」
「そやな・・なんなんやろ・・?」
不思議な太陽
ここは外に錯覚させるような世界
「ここ、室内だよね・・なんで、太陽が・・?」
暑さも伝わってくる
なんとも言えない世界だ・・。
「ありえないわ・・こんな世界。」
ミリカでさえ、驚いているようだ
「ミリカは入ったことないんだよね」
「ええ、初めてだわ・・なんて、美しい世界・・。」
魅入られているようだ
確かに美しい世界だ。
ここまで美しすぎるというのは・・
俺でも、驚くばかりだ
まるで、ここは・・。
「神の世界みたいやな・・」
ラミアは、俺の思っている事を口にだした
「・・ラミアもそう思う?」
コクンっとその世界を眺めながらラミアはうなずく
だけど、ラミアは考え込むように仕草で
「・・ああ、でももう一つ、気になることがあるんや」
「・・ん?気になること・・・?」
なんだろう・・?
「なんで、姫さんの父親である王はここを立ち入り禁止したんやろ?」
「・・・さぁ、考えたことが無かったね」
そういえば・・
ミリカたちはこの世界が恐ろしいという根底を植え付けた
その理由だ。
ふぅっとため息を吐いた
「何か理由があったじゃない・・?
何か特別な理由が」
そうだ、何か理由があったんだ
だから、この場所を禁止にした。
その言葉を聞いたラミアはニッと笑って
「・・・ありえるな。お宝の匂いがするなぁ」
「・・ラミア、忘れないでよ。ここに来た
本来の目的。」
「・・わーっとる、アリアはんがここにいるという
状況証拠があるみたいだしな・・」
影は続いてる
水の中で浮かんでいる影を凝視しながらも
「さぁ、行こうか」
「そやな・・姫さん、行くで」
「あ・・そうね。」
ミリカはその光景からハッとしたのか
慌てながら歩く
ルークは、ミリカに着いていくように歩き出す
その時、感じたのは・・
「・・・気のせい?」
何かが・・。
ルークは不思議そうにその世界を見つめた
「そんなわけがないか・・。」
「ルークさん」
「ああ、今いくよ」
その時、ザワっと風が震えたのだった・・。
****
「あかん、なんやここ、険しすぎるがな」
ラミアはナイフで草を刈る
影はどうやらその無効へと続いているようだ
草を刈り取り続けていると、ラミアは面倒そうな顔になり
「ああ、燃やしたいわぁ、旬」
チラリっと俺を見るラミア
ピクリっと俺は震える
そして、首を横に振った
「駄目だよ。ラミア・・俺は賛同しないからね」
そう、ラミアはこの辺一帯を燃やして欲しいと言っている
はっきりいえば、燃やせば俺の人生が危ないような気がする
「殺生なぁぁぁ」
俺にしがみついてくるラミア
はぁ・・ため息しかでてこない
その様子を見ていたルークがラミアを
「ぷっ、こんなことぐらいで子供にかじりつくなんて
お子様だね。」
その笑いに耐えるルークを見てピキンっと何かが音を立てた
「なんやと?ふん、うちの大変ぶりがわかるか」
「・・大変?ただの草をただ刈るだけじゃないか・・燃やそうなんて
子供の考えることさ」
すると、ラミアはその一言に・・
「へぇ、殺るか?」
「かかってきなよ・・コテンパンにしてあげるよ」
ゴゴゴゴッと睨みあいに
「やめなさい、ここはそんな場所じゃないはずよ」
どこから取り出したのかミリカがパコンっと音を立てる
「いてぇ・・でも、この女が」「・・何か言ったかしら?」
ミリカの迫力にルークは冷や汗をかく
さすが、王女・・といっていいだろうか
ラミアはそんな様子をみてキャピっと怖がる
「いやや、怖いわぁ~うち、かよわいもん」
「・・・ラミア、かよわくないよね」
「何か言ったか・・?」
ギラリっと俺の喉元に来た、よく磨がれたナイフが・・
「ひぃっ」
ラミア・・こ、怖い
悪徳の顔している姿はまさに野獣だ
いや、それは言ったら危険だ!!
俺は、自分の身を守るためにひたすら
涙目になるだけだ
「まぁ、こんな茶番しとる場合やなかったな」
そういって、ナイフを向けた
「な・・どうしたの?」
「誰かそこにいるみたい・・。」
ルークは槍を構える、ラミアも警戒する
ガサっと草むらなにか出てくる
魔物!?、思っていると草むらから出てきたのは・・。
「ありゃ、君たちか」
なんと、そこには、銀髪とアイスブルーの瞳
ウェーブの髪をサイドテールにしている少年
「誰・・?」
その姿をみて王族の二人は心底驚いた顔をしている
俺はといえば・・誰なのか気になった
「・・少年、自分を忘れたの?哀しいな
せっかく挨拶のために握手もしたのに」
どこからか、棒付き飴を舐めるその姿を見て
「・・まさか、あの時の黒衣・・?
たしか、アサシン(仮)・・?」
すると、ニコっと笑って
「そうだよ。」
「あんさんがここに入れるということは・・あんさんも
もしかして・・王子・・か?」
すると、アイスブルーが一瞬・・黄金の瞳に変わったような気がした
「改めて、自分は第3王子・・クロスリート・アティ・ラゥ・クランティア
クロスと呼んで・・まぁ、他にも、病弱王子・・と呼ばれるよ。」
「びょ・・病弱王子」
なんだろう・・この奇妙な愛称は
「あはっ。」
「あの人、病弱なんか・・?」
隣にいるミリカヒソヒソ聞くとミリカは警戒しながら
「噂よ。どうでもいいけど・・混血の貴方がなぜここに?」
「・・おやぁ、妹に邪険されるとは・・泣いてもいいかい?」
ヨヨヨッっと、泣く姿に、ミリカはため息をついて
「・・嘘泣きはやめてくださいな。今更、そんなアホなこと
このミリカには通用しませんわよ?」
すると、舌を出して謝るクロス
「ごめんよ」
「う、嘘泣き」
な、なんなのこの人!?
「・・ははっ、やはりばれたか。」
「何度やっても変わりませんね・・いっそのこと
シルハに説教されたらいかがですの?」
皮肉を言うミリカ
すると、
「ははっ。あいつは怖いから。嫌だ」
どうやら、シルハという人物が怖いのか
笑って誤魔化しているようだ
「さてと・・お兄様、目的はなんですの?」
どうやら、クロスだけはミリカは友好的に接しているようだ
なぜか、分らないけど
「・・・そうだね。自分でも、分らないさ。
父上の世界に入ったのは初めてだからさ」
「初めて・・じゃ、なぜ」
「だから、今まで道に迷っていたんだよ・・」
はぁっとわざとらしくため息をする
「結局、なんですか?王子」
ルークまでもが呆れている
細い目でニッコリと笑う姿
まさに、何を考えているか分からない人物だ
「・・・俺達を試しているですか?」
「・・まさか。自分はそんなこと考えていないさ。
ミリカのようにね・・。」
すると、ミリカは驚いたような顔になる
「な・・。」
「・・はぁ。」
どうやら、この王子に至ってはどこからどこまで信用していいのか分らない
ミリカは警戒を強めているようだ
どうやら、兄だとしても・・どこか違和感があるのだろう
旬はジッと見つめるとクロスは、
「あはっ。」
俺を見て笑う
確かに、何か違和感がある・・この王子は。
ラミアはうんざりとした顔をして
「で、あんさんは結局・・他に目的があったはずやろ?」
「だから、自分には目的など・・。」
「嘘はあかんで?あんさんの目・・泳いでいるようやしな」
すると、三者三様に頷く面々にクロスは頬をぽりぽりとかいて
「目的ねぇ。・・・・まぁ、自分はどちらかというと
兄を追ってきたというのが正しいかな」
「「「「はぁ・・・!?」」」」
四人は思わず、クロスを見た
クロスはその様子を見て
「で・・でも、今貴方は・・王太子の座を賭けていたのでは・・?」
「それなんだけど・・あの宴で勝負するはずだった人物が消えたんだ
どういうつもりか知らないけど・・あの人は自分と争うつもり
は無かった・・という形なんだよ」
「な・・なんやて!?」
思わずラミアでさえ目を丸くする
「・・まぁ、あの人は純血で自分とはまた違う身分の人だから
そんな考えを持つのは当たり前だと思うだよねぇ。」
のんきに話す姿に俺はかすかにこの人に危機感を感じたのだ
「もしかして・・だから追ってきたんですか?」
「まぁね、自分はこれでも混血として随分疎まれていた
病弱のせいでもそれをプラスにされて・・。
まぁ、表に立てない自分たちあの人には到底分らないことさ・・
だから追ってきたんだ」
執念ということか・・?
このクロスという人物は・・。
「それに感謝しなければならない・・父上には。」
「・・感謝?」
すると、スッと見せたのは・・無だ
「召喚の陣の気配がこの中で感じたんだ・・驚いたよ
でも、良かったんだ」
「・・・そうね。お父様の、あの呪文と瞳よね。」
「・・そう、父上は自分たちにはこの世界を見せることも無かった
だけども、この世界に入る方法だけは家族には教えていた
何のためか知らずに・・。」
そして苦笑する姿
かすかに俺は一瞬・・闇が見えた
「病弱王子のクロスリートから、君たちに面白い情報がある」
「・・え・・。」
「これでも、”歩く情報王子”とも言われる身さ
この世界のこと・・知りたくないか?」
ニッと笑った王子
その笑みは、これから起こる何かに
予感がしていたのだった・・。
さてと、今回はコメディー要素がありましたけどいかがでしたか?
わたし的には、コメディー要素は難しいです。
でも、頑張って書きますので・・楽しんでくださいね。




