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少年、異世界に渡る  作者: 野上月子
第2章 ~シーフ、ラミア登場~
23/485

ある影と道化師の独白

さぁ、閑話に入る

道化師との独白

これは必見ですよ

後に大きな戦いになる時の

登場人物達の登場です。

では、どうぞ。


未来は無数の道がある。

無数の過去があって今が成り立つようになっている

ただ、その過去を変えるとなると難しくなる

変動さえできやしない

できたとしても、少しの誤差だ。

対して変わりはしない。

だけども未来など変えること可能だ。

でも、その未来は誰も見ることができないから

予測するのが難しいことでもあるのだ。


                   ********


某時刻  どこかの場所

そこでは、道化師と暗闇に隠れている影と対話をしている

男の方は、名はあるがここではあえて道化師のままにする。

それが一番、この場では当たり前のことなのだ



「いかがですかぁ~この報告書」


道化師は笑う

その報告書は、村のことや出会った少年のことが

詳しく書かれている

その報告書を眺めてはジロジロと道化師を見る


「お前がいう、その少年があの本を使って反撃したんだな?」

「もちろん。僕にはそれ以上もそれ以下もないただの事実さ。」

「・・。」


その影は、黙っていた

道化師は静かに


「あの少年は、まだあの本の本当の凄さを知らないのだな?」


影は問う


「そう、だろうねぇ~、あの少年そんなに力が使える程ではない 

 ようだったけど・・でも、注意が必要」


ニヒっと笑う道化師にしらけきったのか

嫌そうな顔をして


「お前のその笑みが気に食わない」

「それは嬉しいかぎりです」


お互い気に食わない顔をしている

一見、道化師も笑っているように見えるけど

その笑みはどこか恐ろしかった

影はどうでもよさそうな顔をして

報告書の続きを読む


「そして、お前が見たのは少年と青年と少女か」


「そうそう、少年はすごいだよねぇ。でも、その少年の後ろについている

 青年・・奴は、恐らく獣人の可能性があるだよねぇ」


どうやら道化師の方は、ジンの正体を分かっているようだ

影の方は獣人の存在価値について話し出す


「獣人は、この世で混合しているが、そう多いほどではない」


「なのねぇ、獣人なんて、珍しいかぎりだよねぇ

 あれを売ると面白そうだ」


ヒャハハっと高笑いをしだす

どうやらツボに入ったようだ

影はため息を吐いて


「やめておけ、睨まれるぞ・・王族達に」


どうやら、それは禁句のようだった

それに、道化師は口を手で抑える


「おっと、それはそうだったねぇ~王族こそ

 絶対的な勝者・・でも、我らには関係ないのねぇ」


「・・ああ、そのとおり。」


でも・・といって

道化師はつらつらと王族に対して不満を述べる


「王族の奴らは僕らよりキナ臭い

 まぁ、僕らも当然の悪だけど

 奴らも当然、悪なのさ・・ヒヒッ」


笑い声はその建物に響きわたる

影は冷めた声が響きわたらせる


「すべては、運命のため。王も民もすべて

 赤い月に踊らされるだけなんだな」



「王は、可哀想にもうこの世にはいないし

妃達はただの飾りモノだし、残酷だねぇ

でも、赤い月に関することはまた楽しくなるねぇ。」


ニヒヒっとまだ笑い続ける

どうやらとても面白い内容みたいだ

影に至っては、物思いにふけって


「赤い月こそが我らの呼び声を知る者

 そして赤い月こそ我らを導くモノ」


その言葉に同調するように道化師は笑うのを止め


「そう、すべては赤い月のため・・狂わされたのさ

 僕も貴方も。」


影は黙る

先ほどまで狂気の笑いをしていた人物とは思えない程の変貌だ

道化師はスッっと懐から何かを出す


「僕が占ってあげるよ・・僕らの命運をね」


そういってカードを出す

影は、疑問を話す


「・・本業はマジャンじゃないのか?」


影が聞くと、道化師はニッと笑う


「確かに、僕はマジャンだけど、同時に占いもできるんだよ

 オールマイティではないけどね。」


そういってカードが一気に浮き上がり

くるくると周りだす


「さぁ、僕らのすべてを占っておくれ」


すると、カードの一部が道化師の前に来る

それを受け取り、カードをみると


「どうやら、神は僕たちに試練でも与えるつもりなんだねぇ」


そのカードに示された意味を知るなり


「ふぅ~ん」


そのカードを見て面白そうな笑みを浮かべる


「あげるよ。コレ」


道化師はそのカードを影に渡す

影はそのカード見るなり顔色を変える


「!!?」


そのカードを見てしばらく黙っていたが

道化師を見るなりその占いをした人物に問う


「お前は、このカードを見てどう思う?」

「別に、こういうのも面白いと思うよ。」


「逆に聞く、お前はこの未来を恐ろしく思わないのか?」



「・・未来は、きっと僕らにも分からないことなのさ

 このカードにしめさられた未来。見たよね」


「ああ、この何もない真っ白のカードだな」


影に渡されたカードは真っ白だった

何も書かれていない

ただの紙同然だった


 

「真っ白で何もない。つまり分からないこと」

「・・・。」


「だから、未来すらカードにはさだめることなんてできやしない

 それぐらい大きな運命だというのさ」


「・・。」


誰にもその未来は分かることは無いのだ

分かるのは、その先に進むモノだけ

その未来は白くて

そして、見えることは無い

その影は、クッと口元を緩ませた


「よかろう。これは面白いことになるはずだ

 お前は引き続き様子でもみておけ」


道化師は面倒そうな顔をしている


「わかりましたよ。他にするべきことは

 たくさんあるのに残念」


影は呆れる

この男のたくさんは別の意味のたくさんだからだ

長年、過ごしている中でこいつの性格を理解している方なのだ

だから、しらけてくる


「お前のたくさんは金関係だろ?」


そういうと、道化師はご満悦な顔をして


「当たり、なんでも金なのねぇ・・まぁ

 お金はいつでもくれる。それはとても

 大きな大金をね」


ニヒヒっと笑う

どうやら、この男は金に目がないようだ


「殺すなよ。」


この男はたくさんの者を殺しすぎている

危険な男でもある。

この男のせいで、国が傾倒したこともあるのだ

その時は、大変なものだった

だから、あえて釘をさすのだ


「りょーかい、カードに閉じ込めればいいだけさぁ

 芸術だしねぇ。」


うっとりとする男

それは、尋常ではない様子だった

狂った道化師(ピエロ)は、踊り続けるように

惨劇を続ける

誰も止めることはできやしない

だって、彼は

楽しんでいるのだ

この何も見えない未来に。


道化師はクルクルと一回転して


「じゃぁね、”敬愛なる主様”契約を忘れないでくださいね」


ヒャハハッと高笑いを響きわたらせながら消える


「あいつにも困ったものだ。それにしても

 真っ白なカードか。」


その空白のカードをジッと見つめる

未来はどうなるか

これはこれからだということか


「楽しくなりそうだ」


そう呟かれた言葉はすぐ消えていった


すべては真っ白のカードから・・。

ある影は、この結末がどうなるのかを知らない

だけども、胎動を始める


さぁ、楽しませろ

この狂った世界を・・・。



オマケ


楽しみにしているよ・・少年


道化師の高笑いがしたような気がした

あの気味悪い男の声が


「旬、なにしているんや、はよ来い」

「あ・・うん。」


俺は、孤児の村の振り返った


気のせい・・だよね。

何かが始まろうとしている。

俺の中で騒ぐ何かが

危険・・っと、警告している。


「・・何も起こらないといいけど・・。」


そんな、俺の考えとは裏腹に

巻き込まれていくのだ


大きな陰謀の渦へと・・。


俺は、ラミア達の元へと一歩と歩きだしたのだ


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