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フィクスはモヤモヤする

「貴方も色々と苦労してるわね?」


分かってくれる?

そりゃそうだよな。ベロニカも相当苦労してそうだからね?俺、最近になって君の今までの苦労が分かるようになったよ。最初ちょっと冷たい態度とってごめん。


「ベロニカ程ではないよ。でも、なんで今回ティファに協力的だったんだ?」


「別に。ティファの奇行には慣れてるのよ。それに、ティファのついでとはいえ好待遇で雇ってもらえたから。これぐらいなんて事ないわ」


「・・・・ついでなんて。ベロニカはティファのオマケじゃないだろ?そんな言い方は良くない。卑屈に聞こえる」


ん?何その笑い。なんか変な事言った?


「そうね。でも、しょうがないわよ。ティファは特別な人間だから」


何それ。

訳わかんないな?なんでかな、この子と話してると、とてもイライラする。俺こんなに気が短かったか?


「フィクス。貴方けっこう感情が顔に出るわよね。気にしなくていいのよ?私はもうすぐいなくなるんだから、気に掛けなくて」


「何それ。もしかして気に掛けて貰いたいからそういう事言ってる?」


んん?俺なんでこんな事を?

すげぇ嫌な奴だな?ほっといてって言ってんだからほっておけばいいじゃないか。


「あははは!」


「え?なんでそこで笑う?普通怒らないか?」


これがベロニカじゃなくて、その辺のご令嬢なら物凄く狼狽えると思うぞ?まぁ比べるのもおかしな話だが。


「いや、だって。本当に甘いんだもの。最初は気持ち悪かったけど、最近は流石に慣れたわ。ありがとう、フィクス」


え?だから、なんでそこで御礼を言うの?


「貴方ティファが好きなんでしょ?」


「何?急に」


「ハイトと貴方がどんな関係かは知らないけど、貴方が我慢する必要はないんじゃない?もし、少しでもティファに気持ちがあるなら、悩んでないで頑張ったら?」


おかしいな。これはおかしい・・・・。

俺は偶々外で買い物をしているベロニカに声をかけただけなんだ。なのになんで、こんな突っ込んだ話をしているんだ?それに、今日のベロニカはやけに素直じゃないか?


「ティファ、上手くいくといいわね。やっと借りも返せたし。スッキリしたわ」


「・・・・いくら命の恩人でも、そこまで気にする?」


「それだけじゃないわよ。あの人は私が騎士になってから、ずっと私を守ってくれたわ。ティファの直属の部下だったから、私はあそこで生き残れた」


それが君の本心なの?じゃあティファに言ってやればいいのに。きっと狂喜乱舞するぞ?


「私は、ティファの足枷にはなりたくなかったの。でも、そんな事言ったら絶対に私を手放さないから、私からおもいっ切り蹴飛ばしてやったわ。他人にどう思われても構わないし、後悔してない」


そうじゃないんだよ。俺が言いたいのは。


「ベロニカは誰にも愛されなくていいって事?」


やっぱりおかしいな。

ベロニカといるとモヤモヤするんだよな俺。

ティファの時にも感じた気がするけど、それよりも、もっと嫌な感情な気がする。この感情の正体は一体なんなんだろうな?気持ち悪っ!


「愛はともかく、少なくとも、あんた達は気に掛けてくれてるわね?お節介が多くて困るわ。でも、それで充分よ」


あれ?俺この子がちゃんと笑うところ、見た事なかったっけ?ベロニカってこんな風に笑えるんだな?


「私を雇ってくれてありがとうフィクス。ずっと言いそびれてたから、今の内に言っておくわ」


「・・・・なんだか、永遠の別れみたいだな?」


「そうかしら?まぁ近いうちに出て行くし、そう受け取っていいわ」


「本当に、出て行くのか?」


だーかーらー!!俺しつこいよ。

出て行くって言ってんだから出て行くだろうさ!


「ええ。あ、今日私宿舎に帰るの遅くなるから、ティファに伝えておいて貰える?心配しないでって」


「そうなのか?分かった、気をつけて帰って来いよ?」


これは、あまり長く一緒にいない方がいいな。

思ってもないことが口から出そうになる。


あの子、きっとティファ以外に興味がないんだろうなぁ。不憫。


「・・・・・・・・」


それにしてもあの子なんか、顔色悪かったな。

ずっと用事が済むと部屋から出て来なかったし、最近は出かけてばかりだもんな。疲れてるのかな?


「プキュ〜」


「お?ゴルドどうした?お前一人か?」


ティファはどこ行ったんだ?

コイツがここに居るって事はギャドも居るはずなんだけどな?皆どこ行った?


バーーーーーン!!

おっと!び、ビックリした。この扉の開き方は。


「お兄様!!」


「え?アイラ?どうした?」


「ベロニカを見かけませんでしたか?今皆で探しているのです!!」


「え?今さっき街中で会ったけど?どうした?」


おいおい。

また、何か騒動が起きたのか?


「何?またティファが暴走したのか?」


「違います!!べ、ベロニカが・・・・」


ちょっとアイラ?なんで今にも泣きそうになってるのかな?ベロニカが一体どうした?


「もうすぐ、死んでしまうってぇ・・・・・」


「・・・・・・・・アイラ。落ち着いて」


「ゴ、ゴルドが、ベロニカの心臓はもうボロボロだから、もう少しで止まってしまうって・・・・ティファが、それを聞いて飛び出して、皆も、でも、どうすれば」


「大丈夫、アイラはここで待っててくれ。皆とすれ違いになったらいけないからな」


"昔の事は忘れたし消し去りたいの。それに、私もう少ししたら、ここを出るつもりよ。その時は貴方達も、私の事は忘れて欲しいわ"


だからあんな事言ったんだな?

もうずっと前から、自分の身体の事わかってたんだな?


だから。自分を犠牲にしてまでティファを、あの国から逃したんだな?


「必ずひっ捕まえて、速攻で治療してやる」


悪いけど君が貯めた貯金は治療費として全て消え失せるから、そして当分はこの国からも出られない。残念だったな!!

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