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デズロは二人を放牧する

自由人デズロ。

「ねぇねぇラット?カスバールの厄災って五年前に起きたんだっけ?原因って結局分かったの?」


「はぁ?厄災の理由なんて分かるかよ。その年は前の年から雨も全然降らなかった地方と逆にずっと雨が降り続けた地方があってどちらも作物が育たなかったんだよ」


「あーあれは酷かったわねぇ。その次の年には魔物の数もかなり増えたから。いくつかの村はそれで壊滅したわ」


あ?皆元気にしてたかな?

最近めっきり会えなかったけど僕は元気だよ?

元気過ぎてもう一山穴開けたいくらい元気満々なんだ!


「ふぅむ?雨がねぇ?そういえば最近この辺りも全く雨、降らないよね?エルハドが心配してた」


「へぇ?まぁ早めに備えるに越したことはねぇわな?この国は大丈夫なんじゃねぇの?設備がちゃんとしてるし、魔力もたっぷりとこのクリスタルに溜まってる。俺達の労働でなぁ!!」


「雨の量はともかく。魔物が突然現れたのは解せないなぁ?人為的な物でもなかったし。原因はなんなんだろ?」


「無視かコラ!少しは休ませろや!」


この前、突然サンチコアの街に現れた魔物。

この国では見かける事がない種類なんだよねぇ?

ライスベガは群れで行動するから何処かで暮らしていた筈なんだけど、その場所が分からないんだよね?


一体どこから何の目的で来たんだろう?


「あ、エリスとラットさ?暫くサンチコアで暮らす気はない?」


「は?」


「ティファを護衛しろと?」


うーん。惜しいエリスちゃん!ちょっと違う。


「ティファは護衛しなくても強いって知ってるでしょ?君達もそろそろ自立に向けて用意しておかないとね?」


「は?何言ってんだあんた。俺達はあんたのペットなんだろ?」


「そうそう!でもいい加減外の空気も吸わせてあげないとね?勿論首輪はつけたままだよ?エリスちゃん買い物行きたいって言ってたよね?」


「え?ええ。でも・・・・」


戸惑ってるねぇ?

わかるわかる。カスバールって本当クソみたいな国だよね?早く国王、変わらないかなぁ?


「暫くはティファ達の宿舎で過ごして貰うけど、ちゃんと二人が住む場所探しておいてあげるからね?それまで皆と仲良くね?」


「ま、魔力はもういいのかよ?」


「うん。そもそもコレ僕一人がいればすぐ満タンになるの。既に別のクリスタルにストックもあるし」


「え?じゃあ何で私達に毎日魔力、注がせたの?」


「え?苦しむ様を見て面白がってただけだけど?」


「「悪魔!!」」


え?聞こえないな?

あ、そうだ。


「二人共こっちにおいで?」


おや?嫌そうだねぇ?躾が足りなかったかな?

あはははは?逃げても無駄無駄。はい、確保ー!!


「な、何すんだコラ!!」


「ちょっ!デズロ様?」


「はーいちょっと脱いでー?」


大丈夫、全部じゃないよ。一部だけだよ。女の子をこんな所で素っ裸にするわけないでしょ?


「一瞬痛いけど我慢してねー?」


「「え!」」


バチィ!!


「いでぇ!!」


「キャア!!」


「はーい終わり。おーいササラー!ちょっと来て」


ササラもそんな嫌そうな顔で登場しないでほしいな?

スマーイルスマーイル!せっかく綺麗な顔してるんだからさぁ?


「この子達の肌治療してあげて。綺麗に消えてると思うけど」


「・・・デズロ様。何を考えていらっしゃるのですか?」


「何って?ずっと不愉快だったんだよね?この二人は僕のペットなんだから、前の所有者の印なんて要らないだろ?」


まぁこの子達に関しては完全に使い捨てられた感じだったけどね?ナシェスの近況は散々聞いてきたのに君達の事なんて最初からいなかった扱いだったもんね?

でもこれが普通なのかなぁ?一兵士や奴隷の事なんて歯牙にも掛けないんだろうね?お陰で殺して送り返す気にもならなかったよ僕。


「お前。こんな事して、俺達が逃げたらどうすんだよ?」


「え?好きにしたら?」


「は?」


「デズロ様!!」


なんだよササラ。怖いよ顔が。本当に怒りっぽいよね?


「前々から申していますが、お遊びが過ぎますよ?いい加減にして下さい」


あれ?本気で怒ってるのかな?僕の息子は優しいねぇ?


「子供をいじめて遊ばないで下さい。それで?私が連れて行けばいいのですね?」


「よくわかってるぅ。流石ササラ!僕の自慢の息子だね?」


「では支度がありますから。エリス、ラット、立ちなさい」


あれぇ?暫く会えないのに挨拶もなしに出て行くの?

やっぱり躾、足りなかったかな?


「エリス?そんなに痛かった?大丈夫?」


「・・・・・さようなら」


「とっととクタバレ変態魔術師」


おぅ?拗ねちゃったかな?

本当にハリネズミみたいにトゲトゲしてて可愛いよね?

僕あれ見る度に全部毟り取ってツルツルにしてから愛でたい欲求に襲われるんだよねぇ?え?歪んでる?あはは?


「さて、準備も出来たし僕も暫く旅行でも行こうかな?」


あ、そういえばエルハドもやっと息子に帝位を継ぐ準備が出来たらしいし、この機会に一緒に遊びにでも行こうかな?アイツずっと外に出たがってたもんね?


「最初アイツが皇帝になるって言い出した時は絶対無理だと思ってたのになぁ」


本当に。人生何が起こるかわからないよね?

僕も、こんな長生きするとは思わなかったよ?エルハド。

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