ティファは納得いかない
喧嘩勃発。泥沼化は避けられないようです。
コネコネコネコネコネコネ。
「・・・・・・・・」
コネコネコネコネコネコネ。
「・・・・・・・っ」
うぬ。うぬぬぬぬぬぬぅ。
「ええーーーーい!」
バーーーン!!
「まだまだーーーー!」
バーーーン!!
「どっせーーーい!!」
「うるさい!生地をバンバン投げるんじゃないわよ!」
あら?怒られてしまいました。
最近新しい麦粉から生地を捏ねて、新しい麺作りにハマりだしたティファです!捏ねれば捏ねるほどモチモチ麺になるんですよ?キルトさんのお知り合いの方に、売って頂いたのです!
「・・・あと、早くハイトと仲直りしてくれないかしら?私を巻き込まないで欲しいのだけど?」
「・・・・・・仲直りと言われましても。ハイトさんが勝手に・・・」
「へぇ?勝手に、ねぇ?」
「・・・・・ベロニカだって、ご飯作ってあげてるじゃないですか?ハイトさんが私のご飯を食べたくないのなら私にはどうする事も出来ません」
そうなんです。実はあの日、何故かご立腹のハイトさんに私も思わず言い返してしまいました。
はい。回想、スタート。
「あの?何でハイトさんにそこまで怒られないといけないのでしょうか?確かに私の不注意だった事は認めます。でも、だからってハイトさんがそこまで怒る理由、ないですよね?だってハイトさんにはご迷惑、かけていません!」
「何?僕に迷惑かけてなければいいの?僕はそんな事が言いたいんじゃないよ?」
「ハイトさんには日頃からとてもお世話になってます。だから黙ってましたが、最近ハイトさんは私に対して過保護過ぎます。私ハイトさんにそんな事、望んでいませんよ?」
「テ、ティファ?ハイト?ちょっと落ち着け?」
そうです!最近ずっともやもやしていた理由。これです!
ハイトさん前は全然怒りませんでした。なのに最近怒ってばかりです。それで大抵の理由が私が関係している気がします!何故ですか?
「僕は別にティファの思うように動いている訳じゃないよ?自分で判断して行動してる。過保護じゃなくて仲間としての助言なんだけど?」
「それでも!もう私の事は、ほっといていいです!」
「へぇ?ほっといていいの?本当に?それってティファを無視していいって事?」
「はい!それで前のハイトさんに戻るのなら構いません!」
私、とにかくハイトさんに怒らないで欲しかったんです。
それなのに、それなのにーーー!!
「・・・・分かった。じゃあもう何も言わない。ティファとは関わらない。明日から僕のご飯は、作らなくていいから。ベロニカに頼む」
「・・・・・・え?」
「お、おい。ちょっとヤバくないか?止めろよ(ヒソヒソ)」
「マジなハイトをどうやって止めんの?俺は無理・・(ヒソヒソ)」
ハイトさんが私のご飯を食べないって言ったんです。
あんなにだらしない顔で毎日食べてた癖に!!!
「分かりました。じゃあ作りません!!」
プーイだ!プーイ!ハイトさんなんか、知らないですからね!後で食べたくなっても知りません!ふんだ!
「子供の喧嘩かよ」
絶対絶対絶対、作ってあげませんからねーー!!!
回想終了。
「あれから1週間。もういい加減許してあげなさいよ。貴方が一言謝ればいいんじゃないの?」
「・・・だって、私悪い事してないです。ハイトさんが勝手に怒っているんです。それに、別に私のご飯じゃなくたっていいじゃないですか?ベロニカお給料とは別にお金貰って作ってるんでしょう?」
「食費をね?だけどまとめて作った方がどう考えても楽でしょう?」
「じゃあ、いい加減ベロニカも私のご飯食べて下さい!そして感想を聞かせて下さい!!」
なんですか?なんでそんな呆れた顔で私を見るんですか!ベロニカいつも黙ってるから分かりませんよ?
「私がアレコレ言わなくても貴方の料理は美味しいわよ。だから何も言わないの。それに、私と貴方は料理に対する取り組み方がまったく違う。だから騎士時代だって殆ど口を出さなかったわ、余計な事だと思ったからよ」
え?そうなんですか?でも、取り組み方が違うとは?
「私には貴方ほど料理に対する拘りも熱意もない。特に人に食べさせたいとも思わない。ある食材を使って適当に美味しく作れれば良いぐらいの気持ちなの。貴方から見ればそれが物珍しく感じるみたいだけど大抵の人はそうなのよ」
「え?別に熱意などなくても美味しければいいのでは?」
何故そこで深い溜息を?益々分かりません。
「口で伝えても分からないわね。じゃあ好きなだけ喧嘩すれば?ハイトがどこまで保つか見ものだわ」
ん?どういう事でしょう?
「一応忠告したからね?私、二度は言わないから」
つまり、ハイトさんは未だに折れる気がないのですね?
分かりました。では、今日は新たな麺類を美味しく美味しく作ってハイトさんを後悔させてあげましょう!
いざ!新たな創作へ!
最近少し暑くなって来ましたから今日はサッパリ味の魚介出汁にこの手作り麺類を入れ、揚げた大葉やイカなどを上に乗せます!
後はライスベガの薄切り肉を甘辛く煮込んだ物を、温かいご飯の上に乗せタレをかけたら麺定食の完成です!
お好みで漬物もどうぞ!こちらも私の自家製です!
「ふぁーーいい匂い!俺腹減ったぁぁ」
「お?なんだコレ?新作?」
「はい!キルトさんのお友達に分けて頂いた麦で新しい試みです!味見はちゃんとしたので安心して食べて下さいね?」
「わーーーやった・・・・・」
ん?皆さんどうしました?突然固まって・・・あれ?
「お、おう?ハイト、お疲れさん?遅かったな?」
「うん、政務官に捕まった。最悪」
はぅ!最近ではすっかり帰りが遅くなったハイトさんがいらっしゃいました。ベロニカもそろそろ来ると思いますが、お腹減ってますよね、きっと。・・・でも。
「ギャドの奴も全然捕まらないし最悪だよ本当。あ、コレお前に渡せって頼まれてたから」
「あ、ああ。あのさ?ハイト」
「じゃあ、俺やる事があるから。ちゃんと目を通しておけよ?」
はい。
見事なまでにスルー。完全に私と目を合わせませんでした。流石ハイトさん。有言実行ですね?
でも、なんでしょうか、なんか、イラッときました。
「・・・・ティファ・・・・」
そっちがその気なら私にだって考えがあります!
「さ、どんどん食べて下さいね?ちゃんとお代わりもありますからね?余らないよう気合いを入れて食べて下さい?」
ちょっと最近元気ないなー?お腹空いてるのかなぁ?なんて心配もうしません!
私は悪くないですもんねーもう知らない!!べーーーーーだ!




