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50話 大賢者の塔 その9

 23層は魚の臭いがしなかった、俺達は大きく息を吸い込んで深呼吸した。若干の疲れはあるが22層に留まるよりも、この層に進んでよかったと胸を撫で下ろす。


「ふぅ、なんだか清々しい気分だな。なんとか安全な場所まで頑張ろう。」


 女神様との約束もあるし、なんとか休める場所を探して今日中に睡眠を取りたい所だ。


 23層を進むと現れたのは蜥蜴人族だった。こいつらは全員が蜥蜴の頭と尻尾を持った人型の種族で、沼地を好み非常に好戦的だ。水魔法と土魔法を使う固体がいて、水魔法を使う方がメス、土魔法を使う方がオスだと言われているが見た目では殆どその差が分からない。更に非常に強靭な顎を持っており噛まれれば腕などは骨ごと持っていかれるだろう。


「ローズ、こいつらの噛み付きはヤバい。しっかり強化して受け止めた方がいい。」


「分かった。だが、私の防御はこいつらに破ること等出来ないさ!」


 ローズは自信満々に強化を掛け、挑発をして敵を引き付ける。確かにローズの防御力はゴブリンキングの剣をも受け止めるのだからこいつら程度にはまさしく歯が立たないだろう。


「人型のモンスターならわたしにお任せだよ!」


 クロは戦闘スタイルが格闘の為、人型のモンスターは戦い易いようだ。四肢を折り、急所を容赦なく破壊していく様子を見ていると本当に味方で良かったと思う。

 今も蜥蜴人族の両足を蹴り砕き、下がった頭を殴り飛ばす、更に別の個体は急所を思い切り蹴り抜き頭に踵落としを喰らわせ地面にめり込ませている。


 また別の場所ではスノーが敵の詠唱の邪魔をして、そこへ両手剣のリーチを生かしたマリーの一撃が蜥蜴人族を真っ二つに両断している。先程の階でのストレスもあったのかみんな生き生きとしているように見えた。


「ここは楽勝だね!どんどん行こ~。」


 クロの発言と共に全員でどんどん進んで行く。実際何の苦も無く階段の前に到着した。時間的にはかなり掛かったが、なんとか日付が変わる前には就寝する事が出来た。全員くたくただった事もあって、すぐに眠りに着いたようだ。



「遅くなってしまい申し訳ありません、アリスティル様。」


「大丈夫ですよ、私達にとってはこの程度ほんの僅かなものですし。」


 アリスティル様は微笑み、昨日の回答を伝えてくれた。


「創造神様に確認しましたが、30層のボスを倒した際に脱出用のアイテムを宝箱にて用意するという事でした。そして入り直す際はまた1層からになるとの事です、これが介入出来るギリギリの線だと仰られておりました。どうやらこの1000年の間に塔が若干変質をしたようで、以前は塔のモンスターは消滅せずにそのまま死体が残っていたそうです。魔神は塔を攻略させない為に最後の力を使って塔のシステムの一部に小さな呪いを掛け、それによって転移の封印とモンスターの死体を消滅させるように変化したと、創造神様は見ておられました。」


「なるほど。そういう事でしたか、転移と食料は大きな問題ですからね。特に人間は食べなければ死にますから、塔の中で食料が確保出来ないのはきついですね。」


 さすがに魔神も黙って封印されてはくれないようだ。多分、前回の時はモンスターの肉を食べながら進んだんだと思う。準備して来たが、実際に塔の攻略を進めると予想以上に時間が掛かる事が分かった。

 兎に角、塔を出る手段は貰う事が出来たし、行ける所までは攻略したいと思う。ここまで約一ヶ月、食料は節約すればかなり持ちそうだ。


「申し訳ありません。私達も気が付かないように小さな力で時間を掛けて塔を変質させていたようで、対応が出来ませんでした。根本的な解決には魔神が復活してから封印されるまでの間しか取る事が出来ないのです。」


「大丈夫です。私達はこのくらいでは負けませんよ。安心して見ていて下さい。」


「この世界をお願い致します。それではそろそろ時間のようですね。またお会いしましょう。」



 目が覚めるとみんなは既に起き出しており、食事の準備を始めていた。


「おはよう、俺が最後か。すまないな。」


「それはいいのだが、全く起きなかったので心配したぞ。余程疲れていたのだろう、大丈夫か?」


「あぁ、もう大丈夫だ。元気元気!」


 どうやら交信中に起こそうとしたみたいだ、心配を掛けてしまったな。体調は本当に問題ないし、大丈夫だろう。


「それとだな、すこし確認して欲しいのだが。私とクロはLvいくつになっている?昨日から身体の調子がどうにもおかしいのだ、気になってしまってな。」


「ん?ちょっと確認してみようか。『真理眼』。」


 最近はみんなのステータスも確認してなかったからな、どれどれ。


ローズ=シルバリア

天騎士Lv50

HP1041/1041

MP528/528

STR65

DEX45

VIT108

AGI45

INT38

CHR40

LUK15

<スキル>

New『光翼』『疾風迅雷』『不撓不屈』『不屈』『五感強化』『威圧』『挑発』『身体強化』LvMAX『精神強化』LvMAX『状態異常耐性』LvMAX『剣術』LvMAX『盾術』LvMAX『察知』LvMAX『騎乗』LvMAX

<魔法>

『生活魔法』『聖魔法』『光魔法』LvMAX

<称号>

『守護者』『剣王』New『天騎士』


クロ=グリーン

獣闘師範Lv50

HP713/713

MP354/354

STR122

DEX97

VIT46

AGI88

INT18

CHR38

LUK15

<スキル>

New『奥義』『獣化』『疾風迅雷』『明鏡止水』『不屈』『五感強化』『隠蔽』LvMAX『身体強化』LvMAX『精神強化』LvMAX『状態異常耐性』LvMAX『格闘術』LvMAX『回避』LvMAX『隠密』LvMAX『察知』LvMAX

<魔法>

『生活魔法』『火魔法』LvMAX『光魔法』LvMAX

<称号>

『武王』『忍』『戦いの神の注目』New『破壊王』


「2人共、上位職になってる!ローズは天騎士、クロは獣闘師範だって!クロのは普通の上位職みたいだけど、新しいスキルとなんだが物騒な称号が増えてるね。ローズは希少職みたいだね、専用の称号とスキルを覚えたみたいだよ。」


「おぉ、やはりか。なんだか身体が軽いと思ったのだ。しかし私が伝説の天騎士になれるとはな、神様はちゃんと見てて下さったのだな。」


「わたしも等々師範かぁ。なんだか感慨深いね。」


 いつの間にか上位職になっていたのには驚いたが2人共頑張っていたし、俺の加護でLvの上がり方も早かったからな。普通じゃ有り得ないスピードだけど、それだけ努力した証拠だもんな、嬉しいだろうな。


「ローズは光翼っていって、魔力を変換して光の翼で空を飛べるみたいだよ。」


「おぉ、やはり子供の頃見た絵本のように飛べるのか。空を飛びドラゴンと戦う天騎士の物語は子供の頃の憧れだったのだ。練習せねば!」


「クロは奥義っていうスキルかな、多分一度見た技を自分のものにして自分だけの技を作りだせるみたいだね。」


「なるほどぉ、それじゃあもっと修行しないとだね!」


「よし、今日は24層ですこし身体を慣れさせながらゆっくり進もうか。2人共新しいスキルを練習したらいいよ。」

 

 こうして俺達は気持ちを新たに24層へと向かう事となった。




New『天騎士』・・・騎士から派生する希少職に成った者。※『光翼』を習得する。

New『破壊王』・・・数多の命をその手で屠った者。※STR+40 DEX+20

New『光翼』・・・自身の魔力を光に変換し、空を飛ぶ事が出来る。

New『奥義』・・・あらゆる技を自分のモノとし、奥義へと昇華させる。





お読みいただき、ありがとうございました。

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