4話 1回目の学園入学
時が経つのは早い。ボクは12歳になった。そう!12歳といえば学園に入学するのだ!今から楽しみでしょうがない、どんな美少女がいるのだろか。ボクが通うのは王都にある『シンフォニア学園』だ。ちなみにボクの生まれ故郷は『中央大陸アースライト』の南東にある『ドゥッカ村』農業がメインの小さな村だ。父親は村の門番をしている。そして学園は中央大陸にある『アース王国』の王都『グリンディア』にある。学園では寮生活が待っている!
「とうさん、かあさん、じゃあボク行くね。いっぱい勉強してくるよ。」
「おう、行って来い。勉強ばっかじゃなくてちゃんと身体も鍛えるんだぞ。」
「気をつけてね、かあさんはあなたが元気でいてくれたらそれでいいから。」
こうしてボクは12年間育った村を旅立った。とうさんには剣術を教えて貰ったし、かあさんには生活魔法を教えて貰った。ごく普通の子供として育った。そして現在のボクのステータスはこうなっている。
ジン=フォレスト
村人Lv1
HP30/30
MP240/240
STR4
DEX2
VIT2
AGI2
INT19
CHR∞
LUK1
<スキル>
『無限の魅力』『異世界言語理解』New『鑑定』Lv5 New『隠蔽』Lv6
New『身体強化』Lv3 New『魔力操作』Lv4 New『剣術』Lv2 New『盾術』Lv1
<魔法>
New『生活魔法』
<称号>
『魔法使い』『異世界からの来訪者』
図書館でステータスの上げ方を勉強してから目立たないようにすこしずつ強化してきた。特に『隠蔽』はステータスを隠すために必死に覚えた。一度教会で鑑定して貰った時にINTの高さとCHRが測定不能で一騒動あったのだ、その時に神から直接貰ったスキルと称号は普通の方法では他人に知られる事はないと分かったのでなんとかごまかせたのだが、神官さんが「神の子だ。」とか、かあさんが「うちの子がかわいすぎるのが悪いんです。」とか本当に大変だった。それで街の図書館に行ったときに必死で調べてなんとか取得する事が出来た。ちなみにボクの同級生のステータスを調べてみた。
村人A
村人Lv3
HP50/50
MP15/15
STR4
DEX2
VIT3
AGI2
INT2
CHR1
LUK1
<スキル>
『剣術』Lv1
<魔法>
『生活魔法』
<称号>
こんな感じが一般的な12歳のステータスみたいだ。ちなみにボクがLv1なのにも理由がある。7歳の時だ、村の祭りで大人の話を聞いていたら「モンスターも殺した事がない童貞がなに言ってやがる。」と村のガキ大将が酔っ払いに絡まれていたのだ。
ボクは気になって酔っ払いのおっちゃんに詳しく聞いてみるとこの世界ではモンスターを倒して初めて一人前の村人だと言うのだ、つまりLv1は『童貞』と呼ぶらしい。この話を聞いてピンと来たボクは絶対にモンスターを殺さないように注意してきた。これがなかなか難しかった。
10歳を超えると親と一緒に狩りに行く事があるのだが、そこではRPGで定番のスライムが出てくるのだ。村の周りにはスライムLv1がたまに現れてモンスターを倒す練習と言って戦わされる事がある。つまりボクはそれを回避しなければならず、言い訳に苦労した。「将来は文官になる!モンスターとは戦わない!」とずっと逃げてきた。そのおかげで村の子供達からはヘタレの烙印を押されてしまったのは言うまでもないだろう。そんな訳でボクは30歳までLv1を貫くのだ!
「そろそろ到着だぞ~、準備しておけよ。」
どうやら、王都に着いたようだ。目の前に高い壁と大きな門が見えてきた。村から乗合馬車を乗り継いで一週間ようやく到着だ。王都に着いたらまずは学園の入学受付まで行かなければ、そこで手続きをして学生寮へ入寮という流れになっている。そして2日後の入学式を迎えるという訳だ。
「おっきいな・・・。東京ドーム何個分だろう・・・。」
「どうしたの?君も新入生?」
ボクに話しかけて来たのは猫獣人の女の子だった、黒い髪に金色の目をした大人しそうな美少女だった。
「そうだよ。ジンって言うんだ、よろしくね。」
「わたしはクロ、猫獣人のクロだよ、よろしくねジン君。」
そう言って微笑む彼女は本当に美しかった。
「それじゃあ受付しようか、同じクラスになったらよろしくね、ジン君。」
こうして1回目の学園入学を迎えた。
『身体強化』・・・一時的に身体能力を上昇させる。
『剣術』・・・剣の扱いが上手くなる。
『盾術』・・・盾の扱いが上手くなる。
『魔力操作』・・・魔力の扱いが上手くなる。
『鑑定』・・・対象を調べ、情報を得ることが出来る。
『隠蔽』・・・Lv以下の鑑定からステータスを隠蔽する。
『生活魔法』・・・『灯り』『着火』『水差し』『そよ風』『かま土』 それぞれ生活に最低限必要な魔法を覚える。




