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36話 学園卒業

 俺達は最終的に74層まで攻略する事が出来た。これは一般の冒険者で言うAランクに相当するらしい、学生という事で売却出来なかった高価な素材やレアな武器が俺の無限収納には結構貯まっている。

 これらは卒業後に冒険者登録をしてから売り払う予定だ、そのお金で旅の準備を整えて『大賢者の塔』に向かうことになる。


「あっという間に卒業だな。」


「わたしたちの学園生活って殆ど修行か迷宮だったね。」


 クロが笑いながら切ない事を言う。普通の学生ならもう少し年頃の子と遊んだり、恋愛だってしてたかもしれない。だけど俺達は、俺のせいで、と言ってもいいかもしれいが殆ど遊んでいない。クロとローズにはすこし寂しい思いをさせたかもしれないな。


「すまないな、俺のせいで・・・。」


「そんなことないよジン君!わたしジン君との修行楽しかったよ!」


「私だってそうだぞ、その、なんだ、ジンと一緒にいるのは嫌ではないからな。」


 実は最近ローズがデレ始めてる。クロは分かりやすいのだが、年頃の男女がずっと一緒にいるんだからそういう感情が芽生えてもなんらおかしくない。むしろ歓迎すべき事である!しかし、俺は大賢者の塔を攻略するまでその気持ちに答えてあげる事は出来ない。具体的には答えてしまうと自制出来る気がしないので敢て鈍感を装っているのだ。


「クロとローズがそう言ってくれるなら俺も気持ちが楽になるよ。ありがとう。」


「な、なかまだからな!」


 頬を染めてそっぽを向くローズが凄くかわいい。


「そうだよジン君。わたしたち仲間だもん。これからもみんなで頑張ろうね!」


 クロは満点の笑顔で拳を天に掲げる。本当にこの子達が運命の相手で良かった。


「取り合えず冒険者登録に行こうか。確かGランクからスタートなんだっけ。」


「そうだな、今の私達は間違いなくAランクの実力はあると思うが、規則だからな。ただ、数日あればCランクは行けると思うぞ。」


「う~ん、そうだねぇ。登録してちょっとだけ依頼をこなしてランク上げちゃおうか。Gランクで迷宮の70層の素材とかちょっと提出出来ないしね。」


 俺達は登録したらランクをすこし上げる事に決め、冒険者ギルドへ向かう。ここでお決まりのテンプレ展開が待っていると思うと、ちょっと楽しみになってしまう。なんだかんだで冒険者に登録するのは初めてだもんな。と、言ってる間に冒険者ギルドに到着して中に入る。


「おうおう、ここはお子様の来る場所じゃねぇぜ。怪我しないうちに帰りな。ただ、その女の子達は俺達が優しく冒険者について教えてやるからこっちに着いて来な。」


周りの男達がギャッハッハと笑っている、まさにテンプレ展開である。


「はて、僕達は成人してますし何も問題ないのでは?」


「聞こえなかったのか、女を置いて帰れって言ってんだよ!」


 男がこちらへ向かって手を出してきた。俺はその手を掴み背負って投げた。


「冒険者ギルドではこういうのはどう処分したらいいんです?このまま腕を折ってもいいんですか?」


「ひっ、や、やめてくれ。俺が悪かった、許してくれ。」


 男は立ち上がって冒険者ギルドから走るように逃げて行く。さて普通に登録出来るのか、ギルドマスターが出てくるのか楽しみな場面だな。俺は心の中で笑ってしまった。


「えっと、取り合えず冒険者登録に来ました。3人お願いしますね。」


「はい、ようこそ冒険者ギルドへ。強い方の登録は大歓迎ですよ。こちらに必要事項を記入して下さい。説明は必要ですか?」


「説明はいりません。あ、さっきみたいな場合どう対処したら良かったですか?」


 取り合えず普通に登録するパターンみたいだ。一応さっきのも聞いておこう。


「先ほどの対応で結構です。逆に冒険者が一般の方を傷つけた場合は厳しい処罰があります。基本的に我々は冒険者同士の争いには非介入の立場です。」


「わかりました、ありがとうございます。書けたのでお願いします。」


「それではこちらのカードに魔力を流して下さいね。はい、これで登録完了です。依頼の際はこちらにお願いします。」


 あっという間に登録が完了して俺達の手元にはGランクのカードが渡された。ついでに受けれる依頼を全て受けておいた。


「あら、あなた達は相当自信があるようですね。是非ギルドの最速記録に挑戦して下さいね。現在3日でDランクが最高ですよ。」


「じゃあ3日でCランクになりますね。」


「期待してますよ。ふふふ。」


 正直D以下の討伐依頼は全く問題ない、多分召喚獣1匹で片付くだろう。俺達は手分けして依頼をこなす事にした。俺とスノー、クロとイズミ、ローズとイクスに別れた。俺は召喚獣と離れて居ても会話が可能なのでこれで連絡もばっちりだ、何か問題があれば俺が転移で駆けつける事も出来る。

 魔眼の力で召喚獣の見ている景色をイメージしてその場所へ転移する事が可能になったのだ、これは非常に便利な能力だがあまり使った事はない。基本的にみんなで一緒にいる方が多いからだ。


「じゃあEランクまでは手分けしてさくっとやっちゃおう。夜は宿屋に集合で。」



 3日後、俺達はCランクに上がった。ギルドマスターからの呼び出しがあったのだが、事前に学園長に手回ししておいたので手紙を渡して呼び出しを取り消してもらった。これで資金も準備出来たし、大賢者の塔に向かう事が出来る。


「あいつら何者だよ、3日でCランクなんて普通じゃねぇだろ・・・。」


「いや、よく見ろよ男は全身ミスリル製だし、女の子達は見たこともない装備だぜ。やべぇよありゃ。」


「どっかの国の勇者とかじゃないのか?」


 俺達がCランクになった事でギルドが騒然となったが気にする事なく冒険者ギルドを出て、その日は宿屋でゆっくりしてからこの街を出発した。

 思い返せばここまであっという間だったような長かったような、不思議な気分だ。通算で100年以上生きてるなんて全く思えなかった。だけど、これで終わりじゃない。ここから大賢者の塔を攻略して、更にクロとローズも攻略して、そこから魔神を封印して、幸せな家庭を築くまでの長い道程が今スタートしたのだ。

お読みいただきありがとうございました。

ここからが自分が想像していたメインだったのですが、ここまででステータスインフレとスキルインフレ起こしてしまったような気がしてます。何分初めての作品ですので辻褄が合わなかったり不自然な点もあると思いますがご容赦下さい。もし気になる点があれば気軽にご指導お願いします。

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