33話 原始の迷宮
俺達は原始の迷宮に入った。1層目は普通のスライムやゴブリンばかり、罠はまだない。罠は10層を超えてから徐々に増えるらしいので今のところは警戒の必要は無さそうだ。ちなみに召喚獣はスノーだけ呼び出してる。
「この辺はスノーだけで進めそうだな。」
スノーもかなり強くなっている、ほとんど一緒に居るので成長が早い。しかも特殊な固体のようで風魔法が嵐魔法に変化した。
スノー
嵐鳥Lv12
HP105/105
MP86/86
<スキル>
『つつく』『飛行』『嵐魔法』『羽吹雪』
状態:契約
ブルーバードから特殊進化した個体。嵐を操る。
「やっぱりスノーちゃんの羽吹雪と嵐魔法のコンボは綺麗ですねー。」
「敵にはしたくないな、短剣みたいな羽が風に舞って襲ってくるとか悪夢だよ。」
実はスノーの身体は全長1mくらいに進化してる。ただ、スノーバードの小鳥状態にも変化出来るので基本的には小鳥状態で一緒に居てもらってる。
基本的にスノーが殲滅しつつ進んで行く。俺達はモンスターが残した魔石を回収しながら進む、迷宮ではモンスターは魔石を残して消滅するようになっている。
「あっという間に10層に着いたな。まずはクロとローズで戦ってくれ。」
10層のボスはストーンゴーレムだった。学園の卒業試験としては妥当な強さだと思う。動きはそこまで早くないが防御力が高く、攻撃力もなかなか高いのだ。
「任せておけ。行くぞゴーレム『挑発』!」
ローズは挑発を使いゴーレムの意識を自分に向ける。ゴーレムのパンチを正面から盾で受け止める。ローズはビクともしない。ローズが受け止めている間にクロが懐に入り正拳突きを放つとゴーレムは吹き飛ばされた、すぐさまクロが追撃の蹴りを放ち、続けざまに地面に叩きつける。そこでゴーレムは魔石を残して消滅した。
「弱い、いや私達が強くなったのだな。」
2人は思う所があるのかすこし考える素振りが見えた。普通に学生をしていれば1年近く掛けて攻略する場所を1日で簡単にクリアしてしまったのだ、複雑な心境なのかもしれない。
「あぁ。君達は強くなったよ。そしてまだまだ強くなる、さぁ先に進もう。」
11層からは罠が出てくる、クロの修行を兼ねて『察知』を使いながら先頭を進んで貰う。スノーには後方の警戒を頼んでいる。
「あ、あそこが落とし穴みたい。」
「クロ、罠見つけるの上手いね。安心して任せられるよ。」
(ご主人様~後ろから敵の気配です。)
後ろから来た敵をそのままスノーに倒して貰い、どんどん先へ進んで行く。
「そろそろいい時間だし、一度帰ろうか。初めてのダンジョンで見えない部分で疲労が溜まってるだろうし、無理はよくないからね。」
15層をクリアし16層の扉の前で2人に伝える。この迷宮では各階層の扉の前に出口への転移装置がある、そして入り口では入る層を選ぶことが出来るのだ。この迷宮では転移が封印している為正規の方法で進むしかない。転移になれてる俺達にはすこし面倒だ。
☆
「2人とも今日はお疲れ様。初めての迷宮はどうだった?」
「わたしは集中しすぎてちょっと疲れちゃった。罠を見つけるのって大変だねぇ。」
「私も家に着いた途端に力が抜けたようだ、やはり見えない部分で張り詰めてたのかもしれないな。まだ修行が足りんようだ。」
それぞれ思う所があったみたいだ。今のところ予定より順調だし、ここまで頑張って来た分この辺りでスピートを落としてもいいのかもしれないな。




