22話 ダンジョンの奥に居たものは
ダンジョンに通い始めて1年半が過ぎていた。俺も召喚獣達も順調に成長し、すでに最後の広場に繋がる道の前まで攻略が完了している。
ジン=フォレスト
召喚士Lv18
HP 161/161
MP 1442/1442
STR 19
DEX 13
VIT 12
AGI 15
INT 52
CHR ∞
LUK ∞
<スキル>
『無限収納』『無限の魅力』『無限の運』『異世界言語理解』『叡智』New『真理眼』『不屈』『五感強化』New『威圧』
『鑑定』LvMAX『隠蔽』LvMAX『魔力操作』LvMAX『身体強化』Lv9『精神強化』Lv9 『状態異常耐性』Lv7『格闘術』Lv7『剣術』Lv8『盾術』Lv7 『回避』Lv6 New『隠密』Lv4 New『察知』Lv5
<魔法>
『召喚魔法』Lv2『空間魔法』Lv5『精霊魔法』Lv1『生活魔法』『火魔法』Lv3『水魔法』Lv4『風魔法』Lv7『土魔法』Lv3『光魔法』Lv8『闇魔法』Lv6『雷魔法』Lv8『氷魔法』Lv5
<称号>
『大賢者』『桜の加護』『アリスティルの加護』『異世界からの来訪者』
New『真理眼』・・・全てを見通す眼。正体を見破られる事はない。
New『威圧』・・・自分より格下の相手を怯ませる。
New『隠密』・・・隠密行動が上手くなる。
New『察知』・・・周りの気配を察知しやすくなる。
入学前になんとか『真理眼』を習得できた。結局前世では学園長の正体は分からないままだったが、これなら詳細を知ることが出来て相手に見破られる事もないだろう。新しく覚えたスキルは『隠密』と『察知』だ、人やモンスターから見つかりにくくなったり、モンスターの気配や罠等を察知したりする便利なスキルだ。更に『威圧』は格下の相手を怯ませる事が出来る、勿論人間にも使える。
「やはり、このダンジョンじゃこれ以上戦闘系のスキルは上がらないか。」
このダンジョンは廃ダンジョンな上に比較的ランクが低いのでモンスターのLvもそこまで高くはない。これ以上のLvアップは王都にある『原始の迷宮』に行くしかない。ちょっと分かりにくいと思うので簡単に情報を整理する。
ダンジョンにもランクがある。ちなみにここはDランク、目安は冒険者に成りたての新人くらいの力で攻略出来る(ボスは6人パーティー推奨)。そして原始の迷宮はAランク、未だに底が見えない未踏のダンジョンで、この世界と同時に誕生したと言われている。
王都はこのダンジョンの周りに街が出来て、その街が発展して現在の形になったらしい。冒険者なら誰でも入れるのだが、俺のような未青年は入ることが出来ない。
しかし例外がある、王都の学園では3年生になると卒業試験を兼ねたダンジョンアタックをする事になる。卒業試験自体は10階層のボスを倒す事なのだが、大事なのは通行証だ。これがあればいつでもダンジョンに挑戦する事が出来る、俺はこれを使ってさらに奥へ潜って経験値を稼ぐ予定なのだ。
戦闘系スキルのLvは頭打ちだが、強化系スキルや隠密、察知等はまだ上がる余地がある。入学までの残り半年は召喚獣のLv上げの追い込みとこれらのスキル上げに使う事にしよう。
「折角ここまで来たんだし、ボス部屋だけでも記念に見て帰るか。」
廃ダンジョンにボスは居ないのでいつもはここで帰るのだが、今後はここに来る事も少なくなる、それならばと奥へ進んで行く。しかし、すこし奥に入ると違和感を感じた。
「ん?空気が変わった・・・?」
ダンジョンの最奥には真っ紅なドラゴンがいた。その大きさは10m程であろうか、部屋に1歩足を踏み入れた瞬間に今までに感じたこともないような威圧感を感じた。
「人の子よ、ここへ何をしに来た。」
声が出ない、この世界で初めて怖いと思った。俺は武器を捨て、召喚獣も帰還させる。
「害意はない、か。すまぬな、怯えさせるつもりはなかったのだ。」
ふっと、威圧感が消えた。俺はすごい汗をかいていた。
「すみません、ここへは修行で来ました。あなたと戦う意思はありません。」
「わかった。私も子育て中で気が立っていたのだ。許せ。」
よく見るとドラゴンの後ろに小さなドラゴンが居た、と言っても2m程はあるのだが。真っ直ぐに俺の目を見ている。
「ふむ、どうやら我が子はお前を気に入ったようだ。珍しい事もあるのだな。それにお前からは何か不思議な力を感じる。」
こんな大きなドラゴンにも俺の『無限の魅力』は通じているようだ。神様本当にありがとう、いきなり攻撃されなかったのはこのスキルがあったからかも知れないです。
「今までここにドラゴンが居るなど聞いたこともなかったのですが・・・。」
通常、下位のドラゴンは危険とみなされ討伐隊が組まれる。このドラゴンのように人語を介すれば神の使いとされる事もあるが、居場所がバレれば大騒ぎされるのは間違いないのだ。ドラゴンは北大陸の奥地に生息するとされ、こんな場所に現れる事はまずないはずだ。
「我らは子育ての為にここに結界を張り、娘が成長する数年間をここで過ごすつもりであった、北大陸は過酷な環境ゆえドラゴンといえども生まれたての赤子にはきついのだ。」
「それに我の結界を破るなどまず不可能だったはずじゃ。一体お前は何者か?」
あの時感じた違和感の正体は結界だったのか、どう言うべきか。
「ボクは神様から特殊な『プレゼント』を貰っただけの普通の子供です。」
「言えぬか、まぁ良かろう。我らに害を成さないのならば些細な事じゃ。」
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「これは私からの『プレゼント』だ。知恵ある竜は恐れ、賢き竜は微笑むであろう。」
竜王様だったのか。偶然かもしれないがこの出会いに感謝したい。多分というか100%『無限の運』と『無限の魅力』のコンボのおかげだけど。
「ありがとうございます、竜王様。」
「よいのだ、機会があればまた会う事もあるであろう。」
完璧なフラグが立った所でダンジョンを後にした。きっとまたいつか会えるだろう。
New『竜王の友』・・・竜王の庇護下にあり、竜族と友好的な者。※下位竜に対し『竜王の威圧』効果。




