表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/60

16話 ついでにゴブリンさんに出会った

 ゴブリンの死体を収納して帰ろうとすると後ろから物音が聞こえてきた。


「グギャ!」「ギギッ!」「ゲギャ!」


「くそ、さっきのゴブリンが戻って来たのか、倒せるとは思うけどギリギリだな。」


 しかし、ゴブリン達の様子がおかしい。武器を捨てて膝をつきこちらを見ている。どういう事だ?もしや某RPG的な「仲間になりたそうにこちらを見ている。」的なやつなのか?しかしゴブリンだしな、どうしたものか。

 俺の召喚獣はまだスノーとイクスだけだ、戦力拡大の為にこいつらを従えるのも悪くないかもしれないな。とりあえず、俺の命令に従う意志があるかどうか確認だな。


「お前らが二度と悪さをせず、俺の言う事をちゃんと聞くなら配下に加えてやってもいい、どうする?」


 ゴブリン達と感覚が繋がった。どうやらこちらに従う意思はあるようだ。


(先ほどはすいませんでした親分。どうぞ俺らを子分にしてくだせぇ。)


「俺はジンだ、どうしてイクス、さっきの馬と戦ってたんだ?」


 真ん中のゴブリンが代表して話しかけて来たので先ほどの戦いの原因を問い詰めてみる。


(実はあの泉の周辺は俺らの縄張りだったんです、そこに知らないモンスターが来て水を飲み始めたもんだから、ちょっと驚かせて追い払うつもりが仲間の剣で怪我したあいつがいきなり雷ぶっ放して戦闘になっちまったんです。すいやせん。)


 なるほど、これは野生の宿命だからなしょうがない部分もあるな。今回はたまたま俺が近くに居ただけで森ではよくある事なんだろう。とにかく今後は俺に従うというのならイクスと仲直りしてうまくやってもらうしかないな。あとは、こいつらの名前か。


「真ん中のお前が一郎、右の剣のやつは二郎、左の棍棒は花子だ。いいか?」


(俺は一郎、グギャ!)(おれは二郎、ギギャ!)(あたしは花子、ゲギャ!)


 賑やかなやつらだが悪いやつらじゃなさそうだな。そして自分の名付けのセンスが悲しくなるな。まぁ、諦めよう。しかし、こいつらの見た目はちょっと問題だな、さすがに原始人的な布だけじゃ教育上よくない。何かうまい手を考えてやらないとな。


「えっと、どうやらお前たちは3人?匹?で1枠らしい、取り合えずゴブリンズと名付ける事にするから。あと、お前たちはさすがに村の近くでは召喚出来ないから、そのへんはよろしくな。」


(へい親分。先ほどイクスの旦那との話を聞かせて貰ったんですが、帰還ってのをしたら安全なとこで寝れるんですよね?まさに願ったりかなったりですぜ!)


「そ、そうか。ゴブリンも大変だな。じゃあ『帰還』する、また呼ぶからその時は頼むぞゴブリンズ。」


 ゴブリンの世界もきっと大変なんだろう、モンスターは弱肉強食の縦社会だし、人間に狩られるからな。もしかしたら召喚契約はモンスターにとってはいい仕事なのかもしれないな。あ、やばい。早く帰らないとおかあさんに怒られるぞ!


「ジン君、こんな遅くまでどこ行ってたの!心配したのよ!」


 案の定おかあさんは凄く心配したようでいつもより長めにお説教された。だってまだ8歳だもんね、そりゃ心配するよ。ここはあの手だ。


「ごめんなさい、スノーが遠くに行っちゃって、それで・・・」


「言い訳しないの!スノーのせいにしちゃだめでしょう!」


 無理でした。火に油を注いでしまった。今日の晩御飯はおかず抜きらしい、しかも今日はホワイトラビットの肉だったみたいだ、悲しい。ホーンラビットに進化する前のホワイトラビットは所謂子兎でとてもやわらかくて肉汁が甘くてもの凄くおいしいのだ、うちでは一ヶ月に一回くらいしか食べれないのに・・・。


 ちなみにスノーはおいしそうに食べている。


(ご主人さま、すごくおいしいですぅ!初めての味ですぅ!)


 感覚が繋がっているだけにスノーの感情が良く分かる、本当においしくて感動してるんだろう。良かったなスノー、俺の分までお食べ。約束はしっかり守る大人になろう、そうしよう。今日はもう寝よう。とほほ・・・。

お読みくださり、ありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ