11話 風魔法と水魔法
俺は1歳になった。ここまではかなり順調だと思う。それに今年の聖誕祭のプレゼントで『鑑定』を貰った。それで『隠蔽』も予定より早く覚える事が出来た。最近は魔法のLv上げも順調だし、全体的に計画よりも早く成長している。
「あ~ジン君、またおねしょしたの?まったくしょうがないわねぇ。」
かあさんが布団を取り替えてくれているが、実はこれはおねしょではなくて『水魔法』の『ウォーターボール』なのだ!断じておねしょではない、信じて欲しい!『風魔法』を覚えて数ヶ月すると段々ヒマになってきたんだ、だからやってやった。大丈夫、今は赤ちゃんだから!恥ずかしくない!と心を強く持ってやった結果です。後悔はしてない。
『風魔法』は比較的楽に覚える事が出来た。魔力を練り上げ、息を吐き出すイメージで目の前に風の塊を作り出す。少しずつ風が集まってきた、ある程度の大きさになったらその塊を打ち出すようなイメージで魔法を発動させる。これが基本の『ウィンドボール』だ。
一度発動出来れば後はひたすらイメージして威力を調整して布団を打ち上げる。この繰り返しでLvを上げた。一度失敗して布団が遠くへ飛んで行ったときはさすがにあせったが、なんとかハイハイでベッドの近くまで引っ張ってごまかした。ちなみにどうやってベッドから降りたかというとたまたま風魔法のLvが上がってLv3の『エアステップ』を使った。
この魔法は風の足場を作り空中でジャンプ出来る魔法なのだ。あとはベッドの近くまで布団を引っ張って来たら泣いた。ベッドから落ちたという設定にしてごまかしたのだ。
『水魔法』は現代知識で空気中には無数の水があると知っていたのでそれを手の平に集めるように魔力を練り上げていく。そして野球ボールくらいに集まったらそれを投げるイメージで魔法を発動する。これで『ウォーターボール』の完成だ。簡単だろ?俺のちっぽけな羞恥心はガリガリ削られたけどな。
魔法はこれ以上の習得は難しいだろう、『火魔法』も『雷魔法』も『氷魔法』も威力が大きいし部屋の中じゃ危なすぎる。『闇魔法』は基本的に敵に唱えるデバフ系なので1人じゃ覚えられない。
ちなみに通常であれば雷魔法を覚えるには土魔法と風魔法のLvの合計が10にならないと習得できない上位属性なのだが、俺は称号の『賢者』の効果によって最初から全ての属性に適正があるので覚える事が可能なのだ。
ついでに説明しておくと氷魔法は火魔法と水魔法の合計Lvが10以上、闇魔法は光魔法のLvが6以上になって習得する事が出来る。
「うーん、他の魔法はせめて5歳になって外で自由に遊べるようになってからにしたほが良さそうだな。」
さすがに1歳で歩き始めて全部の属性の魔法を扱えるなんて伝説の勇者くらいなものだろう、もしかしたら勇者でも不可能かもしれないけど。自重はしないがあまり幼い内から目立つのも考え物だからね、どこかで間違って勇者に祭り上げられたり、貴族に気に入られて養子に取られたりしたら大変だ。『無限の運』が変な方向に頑張って貴族になるとか可能性が0%じゃないからある程度目立たないようにする努力も必要だろう。
「早く大きくなりたいなー、せめて3歳までは本格的な修行は我慢しないといけないよな。」
もう少しこのまま出来る事をやろう、当面はひたすら『隠蔽』のLv上げだな!
ジン=フォレスト ※1歳
村人Lv1
HP 10/10
MP 308/308
STR 1
DEX 1
VIT 1
AGI 1
INT 28
CHR ∞
LUK ∞
<スキル>
『無限収納』『無限の魅力』『無限の運』『異世界言語理解』『叡智』
『鑑定』Lv3『隠蔽』Lv3『魔力操作』Lv5
<魔法>
『生活魔法』『水魔法』Lv2『風魔法』Lv3『光魔法』Lv4
<称号>
『賢者』『桜の加護』『アリスティルの加護』『異世界からの来訪者』
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