10話 光魔法を覚えよう。
一ヶ月が過ぎた。無事に『魔力操作』も覚えたし、そろそろ次のステップに進むべきだろう。
「次は『光魔法』だな。Lv1で覚える『ヒール』と『キュア』にLv2で覚える『プロテクション』と『シェルラ』は自分の身を守る為にも生きる上でもかなり重要だからな。」
『ヒール』はHPを回復する魔法で『キュア』は状態異常を回復する魔法、『プロテクション』は防御力を上げる魔法、『シェルラ』は魔法耐性を上げる魔法だ。怪我をしたら回復しないと死んでしまうからポーションが使えない今の状況では絶対に必要だ。それにキュアを覚えるのにはある計画が関係している。
「外に出れるようになったら毒草食べて『状態異常耐性』のスキルを覚えないといけないからな、その為にキュアは絶対に必要なんだよね。」
やはり毒は怖いよね。だってワインで毒殺とか定番だし、どんな状況になっても平気なように準備だけはしておかないと。本で読んだ感じだと最初は苦しいけど毒草を食べて自分でキュアすれば『状態異常耐性』と『光魔法』のLvが上がってお得なんだとか。とんだドMだなと思ったけどやるしかないのだ、断じて俺はドMではない!
「まずは『ヒール』の練習だな、怪我を治すイメージが必要なんだけど、針で指を刺して血を出すのが一番いい練習になるんだけどまだ一ヶ月児だしな・・・とりあえずベッドの角に頭でもぶつけてみるか・・・。」
ゴッ!やべ、思ったより強くいっちゃった。泣きそう。
「ビェェェーン!」
「あらあらジン君どうしたんでちゅかー?頭ぶつけちゃったのね。『ヒール』!これでもう大丈夫ね、痛くないでしょう?」
母の愛は偉大だった・・・。ちょっと予想外だったけどかあさんがヒールを使ってくれたおかげで大体イメージ出来たし、きっとなんとかなるだろう。
「パパに似て暴れん坊になりそうね、今から息子の将来を心配するなんて親馬鹿かしらね。ふふっ。」
どうやらとうさんは暴れん坊らしい、たまに変な声が聞こえてたけどあえてスルーしてたのに・・・。まぁ暴れん坊になるのは間違いないですけどね。
「さて、かあさんも居なくなったし今のイメージを忘れない内に練習しよ。」
(ヒール、痛いの痛いの飛んでけ!痛いの痛いの飛んでけ!)お、ちょっと温かくなった気がするぞ。痛みが引くイメージを強く持って、かあさんの温もりを思い出すんだ。
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「お、覚えた!早かったな、さすが母の愛。」
半分冗談だけど、やっぱり習得が早い気がする。多分スキルの影響もあるんだろうけどこれなら苦労も少なくてすみそうだな。もしかしたら『無限の運』がいい仕事してるのかもしれないな、前回の人生では魔法1つ覚えるのもそれなりの練習が必要だったもんな。神様本当にありがとう。
あとはひたすら自分にヒールを掛けてLvUPだな。まだベッドから動く訳にはいかないから危なくて『火魔法』は使えないし、『土魔法』も汚れちゃうしなぁ、『水魔法』ならいけるかもしれないけどさすがにおもらしみたいで抵抗あるしな、『風魔法』なら威力を調整して布団を上に飛ばせばギリギリ行けるのかな。 ちょっとやってみるべきかな、自重しないって決めたしやれる事はやっちゃおう、そうしよう。とりあえず今日はMPが枯渇するまで『光魔法』の修行だ。
「成長が実感出来るって素晴らしいな、まだ一ヶ月児だけど。」
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