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第14話 男装の乙女・スザンヌ誕生!

ごめんなさい。

今日の午後に投稿するつもりでしたが仕事でできませんでした(泣)

明日は2本は投稿したいと思います。

よろしくお願いします♡

 出発の朝、7人の顔ぶれがエルドラ城に揃った。

 スザンヌ・マルク。

 スザンヌを守る護衛隊長は騎士のトリスタン・ド・アンソニー。

 もう一人の騎士、ブルーネ・ド・ラウドルップ

 騎士2人のそれぞれの従者。

 スコット王子に対する伝令使、そして弓兵。


「会えてうれしいよ。スザンヌ」


 久しぶりの再会にアンソニーが声をかける。


「私も。出発の日を待ち焦がれたわ」


 それを聞いて、アンソニーは驚く。

 7人を待ち受けるのは、危険で過酷な長旅だ。

 進むのは敵国のグランド国軍の占領地や、国の反対勢力・シニョーラ派の勢力圏。

 見つかったら殺されてしまうだろう。

 そんなエリア夜の闇にまぎれて進み、何度も野営を繰り返す。 

 6人の護衛の男たちはみな、心の中で震えていた。

 しかしこの乙女は、怖がるどころか、この過酷な旅を楽しもうとさえしている。

 おそるべき精神力。

 やはり、ただ者ではなかった。


「スザンヌ、その服で向かうつもりか?」


 アンソニーが聞く。

 スザンヌは赤いドレスを身にまとっていた。

 アンソニーがさらに、

 

「動きにくくはないか?」


 とたずねると、スザンヌは、


「動きにくいわ」


 と答える。


「男物の服のほうがいいだろう」


「ええ、そのほうがうれしいわ」


 そこでアンソニーは、


「では、私の従者の服を与えよう」


 と、男物の衣服を揃えさせた。


 スザンヌが着替え、みなの前に現れる。

 そこに、さっきまでの少女はいなかった。


 凛々しく精悍で、美しく気高い国の英雄がそこにいた。


 そのときエルドラ城にいた全員が、そう感じた。

 それほどの輝きをスザンヌは放ったのである。

「男装の乙女・スザンヌ」の誕生であった。


 7人はエルドラ城のエール門から旅をスタートさせた。

 最初の日はスムーズに進み、修道院に泊まることができた。

 しかしそこから、シニョーラ公国軍、グランド国軍が占拠する地域に入っていく。

 しかも移動は相手の警戒がゆるんだのを見計らってからだ。

 おのずと、日が落ちた頃を狙って進むことが増える。

 激しい戦闘が行われたエリアだから、道も橋もなくなっていた。

 道を川が阻むと、馬とともに冷たい水に浸かって進んだ。

 過酷そのもので、一同の体力は奪われていった。


 グランド国の占領地となっている森に一行はさしかかった。

 先頭に立ったラウドルップの従者は、グランド国軍への恐怖に怯えていた。

 馬を前進させることが、なかなかできない。。

 風が強い日で、木々の葉が擦れ合っただけでも、驚いて馬を止めてしまうのだ。


 スザンヌは思い出す。

 前世でも、同じことが、あった。

 そのとき私はどうしただろう。


「何をやっているの! 臆病者! そんなことではいつまでたっても王太子のもとには着けないでしょう!」


 と怒鳴っていた……。

 それでよかったのかしら?

 いや、また同じことを繰り返していてはいけない。


 オーランドの従者が馬を止めたとき、スザンヌは彼に笑顔を向けて話しかけた。


「心配することはありませんよ」


 従者はおびえて青ざめた表情だ。

 なだめるようにスザンヌが言う。


「この旅の進路は、戦争の状況がよくわかっているアンソニーが組んでくれたものだから、信用してよいのですよ。そう簡単に攻撃は受けません」


 さらに、ゆっくりと優しく、スザンヌは語りかけた。


「みなさん、天の声が私に告げています。この旅は、敵からの攻撃は受けません。全員が安全にマルカにたどり着けます。だから安心してください」

 従者は涙を流していた。

 従者だけでない、ほかの5人の勇者の目からも、涙がこぼれ落ちている。

 男たちは元気を取り戻し、順調に行程を進めた。

明日は10時過ぎくらいに最初の投稿をする予定♪

いつもどおり20時過ぎにも投稿しますね♡♡


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