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第97話 なぜかステージが必要になったこと

「なぜ、そなたはステージを用意しない?」

「ははっ。それは気がつきませんでした。龍神様のアドバイス、肝に命じます」


ミント、いやいや、龍神さんと話していたら、なぜかステージが必要だってことになってしまった。


元々は、ミントとどうしたら、「我が家のメイドさんになりたい、わかいい女の子が増えるのか」って話をしていた。


「えっと。やっぱり給与とか、休みとか?」

「うーん、それ以前にメイドの仕事のイメージが悪くて。話すら聞いてもらえないんだ」

「そうですか・・・」


あんまり、かわいいメイド計画にはミントは役に立たない。

どっちかというと、メイドになりたくない側のひとりだってことが分かる。


「ぐっ・・・ううっ」

「どうした、ミント!大丈夫かっ」

「うむむむむ。ぐるぅぅぅぅ」

「どうしたんだ。ミント」


「吾輩は龍神であるぞ」


なんと、いきなり龍神様が降臨してしまった。

別に呼んだ覚えはないんだけど。


「何か困っている様子。龍神の導きを必要としているのではないかと」

「ありがき幸せ。龍神様の意見が聞けるとは・・・」


さすがにメイド計画が行き詰まりつつあったから、溺れる者藁をもつかむというし。

龍神様、つかんでみた。


「若くてかわいい女の子が我が家のメイドをしてくれるのに必要なものは何でしょうか」

「それは、ステージじゃ。巫女がそうであるように、年若い美しき者を引き立てるのはステージじゃ」

「ははー。おおせの通りに」


なぜか龍神様のお告げでステージを作ることになってしまった。

ちょうど、24街区の壁通りの部分はまだ分譲が決まっていないから、ステージを作ることにした。


建物面積50坪で1階と2階、ぶち抜いてホールを作ってみた。

ホールにはステージと観客席。


うん、いい感じ。3階から5階までは、あとから追加して団地みたいにしてみよう。

とにかく、今は龍神様の導きどおり、ステージだ。


「できた!」


うーん、土魔法で片付くことは楽でいい。

ホールを作るのは1日あれば余裕。

1日どころか、街の壁を作る日で魔力の大方使った後でも、ぱぱぱと作ってみた。

もちろん、いい加減なものじゃない。


あちこち、彫刻とか入れてみた、豪華版。

床のイメージは大理石・・・イミテーションだけどね。


観客席のベースは石造りで、後から大工さんに座面を作ってもらう。

だけど、それがなくてちょっと座面が硬くてちょっと低いけど、観劇するにはそれほど困らない。


「ステージはできた。あと、どうしよう」


土魔法ってハードは得意なんだよね。

箱物行政って言葉あるけど、箱物魔法な気がする。

そこに入れるソフトがなかったりする。


「私が踊ってみていいですか?」

「えっ、踊れるの?」

「巫女舞ですが」


ラフな普段着だけど、ミントが舞台で踊り始めたら、神々しい感じになってきた。

さすが、龍神様の巫女なだけある。


これから、龍神様も喜んでくれるだろう。

だけど、メイド計画とどう関係ができてくるのか?


メイドさんがステージで踊るんです。

楽しく書いて、楽しく読んでもらえたらうれしいです。

ブクマと評価もよろしくです。

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