第91話 壁づくりをしてみよう
「懐かしいなぁ」
レンガで壁を作ったのは、4カ月くらい前。
だけど、ずっと前の感じがする。
あのあと、ずいぶんといろいろあったからな。
「どこに壁を作るんですか?」
「南門の外を拡張する様に作っていくんだ」
「どのくらいですか?」
「4キロくらいの壁を作って40万坪くらいの土地を作りたいんだ」
「それはまた、ずいぶんと広がりますね」
「だろ」
街長さんは簡単に言ってくれる。
4キロ分の壁で高さは他と一緒で8m。
前にやったときは、300mで1日だった。
ただ、レンガ用の土がある場所が近かったしな。
「レンガを作る土はどのあたりからもってくればいいですか?」
「それはちょっと遠くてな。10キロ先の採取所からになる」
そんな先からか。
まぁ、魔法を使うからそれほど大変ではないが。
「では、練習で100m分だけ作ってみましょう」
「おっ、そんな簡単にできるのか?」
「はい」
まずは、壁の立つ位置を設定する。
この場所から100mか。
出来上がった壁をイメージしてセラミック版に設計図として記録する。
後は、レンガの土の採取所だ。
「さすがに材料がないと無理か」
最近、家を作るのには特別な材料を用意しないでやっている。
だいたいが、家の下の土を掘り起こす形にしている。
でも、街の壁を作るのに、それをすると必要な物が膨大すぎて大変だ。
だいたい、レンガを作るのが土を石化するよりずっと楽だ。
「ところで、この壁を作る予算ってあるんですか?」
「それがな。街の予算があまりなくて・・・まだ金貨5万枚ほどしか用意ができていないんだ」
それが多いのか少ないのか、よくわからないな。
ただ、40万坪の街内の土地が生まれるのだから、金貨5枚で40坪の土地と考えるとすごく安い。
売りに出せば、100倍で売れるんじゃないかな。
「それでは、今回は試作として、金貨50枚でやりましょう」
「100mを金貨50枚!本当にそれでやってくれるのか?」
あ、安すぎたらしい。
しょうがない、ちゃんと説明しておかないと。
「試作だからです。実際に作業をするなら、もっといただきますよ」
「もちろん、そうでしょうとも」
思ったよりやすくやってもらえそうだと思って、ほくほく顔の街長。
壁100mとなると、レンガだけでも80万個必要だ。
この街の壁は、ただレンガを積んでいるだけでなく、二重に積んでその中を通れるようにしてある
それでは行ってみますか。
ひさびさのレンガづくり。やっぱり、土魔法の基本はレンガだぁ・・・ってね。
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