第84話 奇跡の元は天使だった
青龍が放った魔素の槍が身体を貫く瞬間。
なんとも不思議なことが起きた。
私の身体を不思議な光が包んだのだ。
心臓のあたりから光が広がり、身体全体が光輝き始めた。
何が起きたのか全く分からない。
光っている身体に魔素の槍が貫いた。
と、見えた。
しかし、実際は貫くために光に触れた瞬間。
魔素の槍は、形を失い、霧のようになって消えていった。
魔素の槍は一瞬で消え去ったのだ。
「「???」」
青龍も私も、何が起きたのか分からない。
ふたりはお互いをじっと見ている。
ずいぶんと長い沈黙があった。
その沈黙を破り、最初に口を開いたのは青龍だった。
「巫女か?我が主の神と繋がる巫女か?」
いきなり、言い始める。
「えっ、巫女?なんのことだ」
隠すつもりなどないが、知らないことを言われても困る。
「おまえ、懐に入っている物があるだろう」
「えっ」
青龍に指摘されて、気が付いた。
確かに胸のあたりがほわっと暖かくなっている。
懐に手を突っ込んで胸のあたりを確認してみる。
そこにあったのはお守り。
ミントがあの時くれた、お守りだ。
ミントのお守りを見た青龍。
「そ、それは・・・巫女の護符か」
「巫女?ミントが?」
どうも、ミントのお守りが助けてくれたのは間違いない。
よく考えてみた。
ミントはそもそも、「天使」になる前に何をしていたのか。
全く何も知らないことに気が付いた。
何も知らない・・・もしかして・・・
「ミントがあなたが言う巫女なのか?」
「その護符を作ったのがミントという者なれば、その者は巫女以外にありえない。吾輩の力が及ばないのは、同じ神様につながる天使同士だからさ」
天使・・・えっと愛玩用奴隷の天使、じゃないよな。
「天使というのは、我が主、大いなる神がいる場所、天からこの地に使わせし者。天の使い、天使だ」
「あ、そういうことですね」
なんか、妙に納得してしまった。
元々、ミントは天使だったのか。
「すると、青龍さんも天使ってこと?」
「吾輩は神獣なるぞ。天からの使い獣だ。だから、天使でもある」
えっと、どうなるのかな。
この状況。
下手なこと言うより様子見だな。
「我が主、大いなる神の巫女が作りしお守りを持つ者、我が主に繋がる者と認識した」
おおーーー。助かったらしいっ。
よかったぁ。ありがとう、天使のミントよ。
ミントに感謝をしていると、青龍があることを言ってきた。
ミントの正体がばれてしまった。実は天使だったのだ!笑
楽しく書いて、楽しく読んでもらえたらうれしいです。
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