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第67話 天使と聖女

「あなたがミントさんですね」

「はい」


いきなり、ミントとふたりで暮らす家にひとりの女性がやってきた。


彼女は、テラス女神の聖職者をしている女性。

テラス女神は処女のまま多くの神を生み出したと伝えられている女神で、この国の最高位にある神様でもある。

テラス女神に仕える聖職者の女性は結婚、出産をすることなく、一生女神だけに仕えている。


女性の聖職者は、聖女と呼ばれ男性中心の貴族社会において、女性や子供の権利を保証する存在でもある。


「子供達の白い鎧の話を聞きました。素晴らしいことです」

「ありがとうございます」


子供の安全のために駆け回っているミントの噂は聖女の耳にもすぐに入ってきた。

どんな女性なのか、確認したいとすぐに訪問してきたということだ。


「あれ・・・あなた?」

「なんでしょう?」

「いえ、なんでもありません」


ミントをみて、不思議そうな顔をしている。


「・・・。あ、そうそう。実はミントさんにお願いがあってお伺いしたのでが」

「えっ、聖女様が私にお願いですか?」

「ええ。白い鎧を街の子供達のために、もっと増やしていただけませんか?」


貧しい家の子供は街のあちこちにいる。

家さえなく、親さえもいない子供達もたくさんいる。

そういう子供達が食べるために、危険な冒険者の仕事をせざるを得ない。


「毎日の食事すらもできていない子供達が街全体で3000人はいます。1000人は危険な街の外で仕事をしています」

「そうでしたか。それはつらいことですね」


聖女の話に、天使は共鳴しはじめてしまった。


うーん、ちょっとまずい展開な気がしてきた。

30人の子供のためのつもりが3000人に増えた。


だけど、ミントのお願いとなると断れる自信があまりない。

白い鎧をそんな一杯つくるとなると・・・。


「なんとかしてあげたいんです」


聖女と天使がふたりで私のことを見る。

それも神聖な顔して。


「なんとかしましょう」


つい言ってしまった。

なんとかするって・・・どうするんだよ。


自分で突っ込みを入れてはいるが、頭は最大限にフル回転している。


「テラス女神の神殿も協力いただけますか?」

「もちろんです。私達、聖女は最大限の協力をいたしましょう」


神殿の力をバックに白い鎧を量産する。

そのために必要な力は何か。


頭の中で計算をしつづけていた。


なんだか、やばそうな話になってきた・・・なんてね。


楽しく書いていますので、楽しく読んでもらえると嬉しいです。

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