第50話 木こりは土魔法とは違うんです
「やっぱり、石や土だけでは限界があるなぁ」
依頼が多くなって、沢山の家を土魔法で作って思ったこと。
全てを土魔法で作るのは無理があるってこと。
土魔法が使えるのは、土や鉱物、岩や石といった物。
だから、材木は土魔法では作れない。
ちなみに金属は土魔法で半分だけ扱える。
地中にある金属鉱石は土魔法で制御できる。
精製をして、インゴットまでは作れる。
そこから先は土魔法ではできない。
金属だけになると、土魔素が抜けてしまうので、制御できない。
インゴットから剣をつくるのは、土魔法使いではない。
木材と金属は土魔法では制御しずらい。
石造りの家なら、それほど木材や金属は使わなくてもできるが、本当のことを言うと木材の方が性能的に上の部分もある。
「総ヒノキのお風呂」
こんなものは、木材がないと作れない。
土を使って木材の年輪が入っていて似たような石材は作れないことはない。
だけど、手触りは絶対同じにはならない。
だから、木材があれば、もっといい家が作れはすだ。
「森の木を伐採してもってきたい」
そう大工ギルド長さんに聞いてみた。
そしたら、それは木こりギルドの領分だと、木こりギルド長に話を聞いた。
「森の利用権を買い取ればいいんですね」
街から近くの森は、薪や材木の供給源として重要な意味がある。
誰がその森の産物を使えるのか、それを調べていたら、森の利用権という話が出てきた。
領域を決めて、利用権が売買できるらしい。
さっそく、利用権を買って、木こりさんと一緒に木材を入手しにいく。
同行するのは、狼娘と私、そしてゴーレムのレムたん達の5体。
「このようなしっかりと育った木を伐ります」
斧で木を切り倒すのを実演してもらった。
その状況をレムレムに見せて、自己学習させる。
今回は10mくらいの木を10本、切り出すことにしている。
「レムレム、この木を伐採してみろ」
2本目は木こりではなく、レムレムをリーダーとしたレムたん達の連携で木を切り倒す。
レムたん1号が脚のひとつをチェーンソーにして、木に切れ目をふたつ入れて、切れ目をクサビ形にする。
レムたん2号、3号は木を抑えておく。
反対側にレムたん1号は移動して、クサビ形までチェーンソーで切る。
「倒れるぞー」
掛け声だけは、私の役目。
別に誰もいないから掛け声は不要なんだが、気分的に言ったほうがらしく思う。
同じことをあと8本繰り返して、10本の10mの木になる。
木こりの人が枝を払って、運びやすい様に3m程度の丸太になる様に切り揃える。
レムたん達も真似して、3mの丸太を作る。
3mの丸太を6本まとめて、ひとつの荷物にする。
レムたんとレムレムが一体がひとつの荷物を引き、街に帰る。
この木材を使って、どんな物を造ろうかな。
もっとも、魔法ではできないから、レムたん達に作ってもらわないといけないんだが。
今日は2時間ごとに1話アップしていきます。
楽しく書いているから、どんどんと先に進みます。楽しく読んでくれたらうれしいです。
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