第310話 領主の休日
「ミント、よく来ましたね」
「うん。早く来たいと思っていたけど、我慢していたの」
街づくりで忙しすぎて相手てきそうもなかったから、ミントをダンジョン街に呼ばなかったんだ。
やっと、休暇が取れるくらいになったから、ミントと一緒に新しい街を楽しもうと思ってね。
「もうこんなに人が集まっているのね」
「うん。最近では募集をしなくても勝手に集まってくるんだよ」
「すごーい。とっても人気の街ってことね」
なんか、ミントと一緒にいると安心するなぁ。
早くこっちに僕らの家を作らないと。
ミントが世話している孤児たちのために孤児院もね。
「ミントもこっちに住むかい」
「うん。これだけ賑やかな街になったから、もうここで生活したいわ」
「それがいいね。孤児院も作るから孤児たちも引っ越してくればいい」
「あ。そうそう。学校も作ってね」
「おー、忘れていた。あんまり学校好きじゃなかったからね」
「今はまだ子供が少ないからいいけど。これだけ人がいたら、すぐに子供増えるから」
まだまだ僕にはやることがあるってことだね。
「ほら、ここが街のシンボルタワーだよ」
「うわー、高いね。登れるの?」
「ちゃんと階段があるから大丈夫さ」
ミントと一緒にタワーに登ってみた。
一番上は街の防衛用になっているから、一般人は入れない。
もちろん、領主の僕は顔パスだけどね。
「領主様。どうぞこちらへ」
一番見晴らしのいい櫓にも上ってみた。
見張りの小柄な若者がいるから、ミントと僕で3人入るとちょっと狭い。
「ほら、あっちが新街だよ」
直径300mに拡張はしたけど、基本的な構造は一緒の新街が見える。
環状の道は中心から5環に増えている。中心から外壁に向かって第一環状路から第五環状路と呼んでいる。
元街の方はもう建物で一杯になってしまったけど、新街の方はまだ1/3しか埋まっていない。
まだまだ余裕がある。
元町と新街の間は外壁を切り落として10mほどの路で繋がっている。
路の左右は土壁があるから、上から見るとひょうたんのような形をしている。
「私達の家はどこに作るの?」
「元街の方はもう空き地がないから、新街の方だね」
「うん。じゃあ真ん中に近いところがいいわ」
「それなら、第1地区にするとしよう」
第一環状路と第二環状路に挟まれた第1地区はまだ何も作られていない。
基本的に第5地区から建物は作っているからね。
「そんなに大きなお家じゃなくていいわ」
「そうだね。今度は孤児院とは別にしよう。それならミントと白狼娘と僕だけの家だからね」
「うん。小さくてかわいいお家にしたいの」
「じゃあ、ミントが考えてね。決まったら作るから」
「うん」
豪華な家を作るのは慣れてしまった。
土魔法で家が作れるとなると、お金持ちは豪華な家をリクエストしてくる。
逆にダンジョン街の宿舎のように簡易組み立て式のシンプルな建物もずいぶん作った。
小さくてかわいいお家。
どんな家がいいのかは、僕には分からない。
だけど、ミントが考えてくれれば、作るのは僕ができる。
「とっても楽しみ」
うん、やっと自分の生活のことを考えられるようになってきた。
少し街づくりのスビートを抑えてプライベートな時間も用意しないとね。
現在、毎日更新をしている作品はこの小説の他にもあるんです。
これ↓
『チート時空魔法はインターネットを超える! 情報はもちろん、物も人も即送可! ハイパー時空ネットを使って馬車輸送の異世界に超改革を起したのは、ラバ以下と蔑まれた少年だった』
https://book1.adouzi.eu.org/n4306hc/
よろしくね。




