第308話 街の収入源をみつけてしまった
「すごいです。今日だけで金貨20枚の利益です」
バニーガールのお姉さんじゃなくて、ウサギ獣人の美人さんが報告にきた。
すでにダンジョン街は動きはじめている。
商店も食堂も酒場も作って、営業を開始した。
それらの料金は、そのお店の店長が決めることだから僕は口出ししない。
でも、お店の賃料がないから、他の街よりは安くなっているって街長が言ってた。
食糧は、肉は白狼娘が狩ってくるし、魚介類は冒険者が第3階層で獲ってくる。
野菜や穀物はまだ輸入しているけど、土魔法列車で輸送するから、そんなに高くなっていないはず。
だけど、分かってきたことは役人たちのよう自ら利益を生まない人がいるってこと。
宿の掃除等のサービスは、チップとして払ってもらっているから問題ないけど、役人にチップはまずいからなー。
そこで考えたのがギャンブルの活用。
どこでもギャンブルっていうのは胴元が儲かるのが原則。
だからギャンブルで儲かれば街で必要となるお金はなんとかなるんじゃないかって。
ヒントは向こうの世界の米国ラスベガス。
ギャンブルをする人なら、ホテルも食事も行き来の交通費も無料なんてことをしているって聞いたことがある。
どうせなら、ラスベガスみたいなギャンブル場を作ろうと思って作ってしまった。
ネットゲームでギャンブル系は一通りやっていたから、ルールとか分かるしね。
あ、昔やっていたネットゲームはお金は賭けずにポイント集めみたいなゲームね。
ラスベガスにあるギャンブルは全部網羅しているゲームだったから、ギャンブルはついてある程度詳しくなった。
最初から全部導入すると混乱しそうだから、最初はルーレットとブラックジャックとクラップスにした。
それ専用の台を作って、カードやダイス、ルーレットという小物等々も作った。
ディーラーが必要だから、手配してもらったらエルフの美人さんがたくさんきた。
その手のギャンブルをするときは、魔法でインチキできなくしないといけないみたい。
エルフだと結界で作れるから、魔法を使ったらすぐバレるって。
美人エルフにギャンブルのルールを教えたらあっという間にマスターした。
エルフっと頭いいんだね、やっぱり。
で、今日がそのギャンブル場がオープンした。
冒険者がダンジョンから帰ってきて報告等を終わらせたあたりの時間に開店した。
珍しさから街にいる半分以上の冒険者がやってきた。
なかには役人さんも混ざっているけどね。
ギャンブルゲームと一緒のルールにしてあるから、ちゃんと胴元が儲かるようになっている。
勝ってお金が増える人もいれば、有り金全部すってしまう人もいる。
だけど、トータルすると胴元はちゃんと儲かっている。
初日だけで金貨100枚という大金が入ってきた。
ちなみにウサギ獣人のバニーさんも、ディラーの美人エルフさんも、給料はない。
その代わり、みんなチップをもらってほくほく顔。
どこの世界でもギャンブルで儲けると女の人にいい顔をしたがるんだね。
ギャンブル場を運営していれば、お金の問題は特になくなりそう。
まだ、小さい街だから、ギャンブル場の利益だけで充分回せるね。
温泉はあるし、ギャンブル場はあるし、無料宿泊所はあるし。
きっと多くの冒険者が集まってくるに違いない。
砂漠にラスベガスができたんだから。
ダンジョンにカジノができない理由はないっしょ。(笑)




