第302話 燻製加工場ができた
「すごい収獲ですね」
「だろう? もっと獲れるんだが重くなるから自重したぞ」
うーん、自重してそれですか?
自重の意味知っているのかな。
「だけど、こんなにあるとふたりじゃ食べきれませんね」
「我も、これだけあれば1カ月は持つぞ」
あー、それは白魔狼モードだよね。
白狼娘の姿でそんなに食べるのはよして欲しいな。
「では、燻製場がいりますね。あと、いぶすためには火がいります」
「木を折ってもってくるのか? いいぞ」
「待ってください。もっといい方法があるんですよ」
実は地下の温泉を探していたら、面白い物があった。
温泉の下にあった岩盤にガスが溜まっていたんだ。
「ここの地下にはシェールガスがあるんです」
「なんだそれ? 喰えるのか?」
喰えるかどうかは不明だけど、火は用意できるね。
シェールガスを取り出すには岩盤にヒビを入れればいい。
土魔法なら余裕で出来る。
ヒビを入れたシェール岩盤に網上の管を通して、集めて地上まで管を上げてちょっとガスだまりの地上近くの空間につなぐ。
「はいできました」
「何も起きないぞ」
地上すぐ下までシェールガスが来ている。
これをそのまま地上に出すとガス漏れ状態になっちゃってヤバイね。
まずはセラミックで管の先にコックをつけた物を作る。
それを地面に突き刺して、そことガスだまりまで管でつなぐ。
「よし、では実験です」
火魔法が使えたら簡単なんだけど、僕にはできない。
代わりに作ってある魔石を使った着火器を使う。
「このコックを少し開けて着火」
「おー、火が出たぞ。火魔法か?」
「違いますよ。ガスに火をつけただけです」
ガスっていうのは、異世界ではまだ利用されていないからな。
異世界のどこかには、火が付くという沼があるって話は聞いたことがあるけど。
この街はシェールガスの街ガスがあるところになるね。
なかなか、近代的。
電気はないから、ガスで代用できるものは作ってみようかな。
ガスの街灯とかね。なんか明治の文明開化みたいだね。
あとは、いぶすための木のチップと燻製場があれば、燻製の大量生産ができるな。
僕は燻製場を作って、白狼娘にチップ用の桜の木を持ってきてもらおう。
しかし、あの獲物からどれだけの燻製肉ができるのかな。
楽しみだね。
どうみても、計画性なさすぎ。(笑)
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