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第294話 いろいろと作ってみた

「あんなに文房具を喜んでくれるとはな」


転生前の世界では、鉛筆やノートを持っているのは当たり前だったからな。

こっちの世界だと、市民クラスにならないともっていないのかも。


「あー、もっといろいろと作ってみたくなったぞ」


一応、勉強をする準備は整った。

すると、後は体育か。


やっぱり勉強だけでは駄目で、ちゃんと運動もしないといけないぞ。


「それならば、これかな」


ドッチボール!


言わずと知れた、シリコンゴム製のボール。

シリコンゴムになると、普通のゴムより固めになるから、あんまり厚くしないようにしないとな。

薄めにして弾力をアップする。


「いい感じだ」


これでドッチボールができるようになった。

あ、ひとつだと寂しいから、もっと作ろう。


「うわ、やりすぎ」


つい調子に乗って100個も作ってしまった。

こんなにはいらないな。

5個もあればいいか。


95個は土に戻した。


「ほかに何か作る物は無いか」


子供達が喜びそうで役立ちそうな物。

何がいいだろうか。


あ、そうだ。

いいこと考えた。


石製の積み木を作ってみた。

ただし、たたの積み木じゃないぞ。


積み木ひとつひとつに文字がひとつづつ書いてある。


この世界の文字は表音記号だから、アルファベットに近い物だ。

アルファベットが26文字なのに対して、こっちは32文字。


32の文字を描いた積み木。


サイズは縦横が5センチで厚さが1センチ。

これを大量に作った。


文字を書いたり、読んだりする練習がこの積み木があればできる。


あ、もうひとつ積み木のバリエーションを思いついた。


九九を書いてしまう。


「3X4」と表面に書いて、裏面に「12」と書く。

ひっくり返すと答えが出てくる。


これは1~9と1~9の掛け合わせで81枚が1セットだな。

これを10セットくらい作ってしまおう。


他にはないか。

次は音楽か。


縦笛だな。

あれならばセラミックで作れるぞ。


あ、それよりオカリナがいいかも。

土の質感が残ったオカリナは素敵だ。


「あー、だけど。音痴の俺には作れないか」


音楽の楽器になると音の調整が必要だ。

僕にそれができるとは思えない。


あー、忘れてた。

先生がいなかったんだ。


まさかゴーレムに教えさせる訳にはいかないから、土魔法じゃ先生は作れないな。


だれか先生ができる人を見つけなきゃな。


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