第278話 子供が元気なのは良いことだよね
「あの。お願いがあるの」
最近、白狼娘と一緒に絵描きの世界で活動していたら、ミントが言ってきた。
それも、後ろに聖女さんを引き連れている。
「何ですか?」
「造って欲しいものがあるの」
うん。ミントが欲しい物で土魔法で作れる物ならいいか。
どんなものでもいいから、言ってみてね。
「何が欲しいんですか? 私が造れるものなら、いいですよ」
「えっと、孤児院」
孤児院っていうと、あの子供が一杯いて学校に行くといじめられて泣きながら帰ってくるという?
それは前世の孤児院か。
この世界の孤児院は魔物に襲われたりして孤児になった子が多いのかな。
「えっと。孤児院の建物を造ればいいんですか?」
「そうじゃなくて、孤児院をやって欲しいの」
孤児院をやる?
つまり、孤児院の院長になる?
そいうのはシスターがする仕事で、私が出家してそれもオネエになって。
そうじゃないよね。孤児院運営をするってことか。
そうなると……駄目だ、イメージできない。
「お願いです。私からも孤児院をお願いしますわ」
あ、聖女さんとミントのダブルお願い攻撃だ。
美少女と美女のダブルお願いは攻撃力が高い!
これは、どうやっても回避不能だな。
「具体的なことはよくわからないけど、聖女さんが関わっているんですよね」
「はい」
「なら、やりましょう」
「やったー」「嬉しいです」
やっぱり美女と美少女の笑顔はいいなぁ。
それだけで幸せになれる。
ふたりが喜んでくれるなら、必要な資金くらいだしまょう。
「孤児って今は何人くらいいるんです?」
「実は、大商人が援助してくれていた孤児院があったんですが、その方が亡くなって援助が打ち切られてしまったの」
うわ、ありがちな話。
シスターの院長さんがあたふたして、なんとかしようとする。
だけど、借金がかさむ一方で、返せなくなってその借金のために立ち退きを要求されて。
「このままじゃ子供達が家無しになってしまうの」
「かわいそうです」
やっぱり、そのパターンか。
うん。
子供達は元気でいて欲しいよね。
孤児でも、いろんなことできる子もいると思うし。
子供の可能性を引き出してあげないな。
白い鎧のときみたいにね。
「ところで、子供、何人いるんですか?」
「はい、72人ほどです」
「また、ずいぶんと多いんですね」
72人の子供か。
どんな孤児院を造ればいいのかな。
良くわからないけど、勝手に設計して土魔法一発で作り上げてしまいましょう。
わーい。最近、ブクマが増えてきている。
一時は減る一方だったんだけどね。
8820人だったのが8848人までになりました。
9000人になるかな。
応援ありがとうです。




