第277話 白狼娘サロン
「ずいぶんと集めましたね」
「そうだろ。全部、我の好きな絵だぞ」
私の屋敷の大きめの部屋のひとつを白狼娘に言われて改装した。
屋敷には全部で30の部屋があって、ほとんどまだ使っていない。
いつも使っている部屋は10ほどで後は空き部屋になっている。
だから、白狼娘が「我もサロンが欲しいぞ」と言ったとき、喜んで用意した。
前に行った、男爵夫人サロンを参考に改装してみた。
ただ、円形テーブルじゃなくて、いろんな形の椅子をあちこちにおいて、小さなテーブルを沢山おいてみた。
だから、カフェみたいな感じになったんだ。
サロンができると、白狼娘があちこちから絵を買ってきて、全部で12枚くらい飾っている。
絵の題材はさまざまだけど、明るい絵が多い感じだ。
「そんなに集めて。お金、無くなってしまったんじゃないですか?」
「狩りをして稼いでいるから大丈夫だぞ。B級冒険者リーダーと一緒に冒険者ギルドの依頼を片付けているし」
あー。
ギルドのB級依頼をこなしていれば、たしかにお金たまりそう。
もしかしたら、白狼娘と一緒だからA級依頼にも手を出していそうだなぁ。
特別、高い絵を買っている感じはしないしね。
「冒険者ギルド長も喜んでいたぞ。引き受けてがなかった依頼だったらしくてな」
おー、冒険者ギルドのためにもなっているのか。
それはいいことだね。
「この部屋は外から入る扉はつけられないのか?」
あ、お客さんを呼ぶつもりなんだね。
男爵夫人みたいに。
絵が好きな人を呼んで自慢するのかな。
コレクターの基本だよね。
「外から入れるようにするんですよね。 では扉をつけましょう」
《扉作製》
土魔法で扉をつけてみた。
カフェ風なので、木製の扉にしたいんだけど、土魔法じゃ無理。
だから、木製風の石材を使って、扉にしてみた。
屋敷の外から、サロンに入れるようになった。
まるで本当にカフェみたい。
「ついでに看板もつけますか?」
「おっ、いいのか?」
《看板作製》
「こんな感じでどうでしょう」
『白狼サロン』って名前にしてみた。
扉の上につけたから、外から入りやすいだろう。
「おー、いい感じだぞ。早速、客を呼んでこよう」
画家の友達が沢山できたみたいだから、そういう人達が集まるサロンになったらいいね。
だんだんと白狼娘も、狩りとかではなくて、街中での活動が増えてくるかな。
白狼娘は芸術の世界に進むみたいです。




