表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
264/311

第265話 魔石の研究

「あのぅ。明かりの魔石って予備ありませんか?」


久しぶりのお休みで屋敷のリビングでのんびりしていると、ミントが聞いてくる。


「魔石? 買ってなかったっけ?」

「はい。もうないみたいで」


魔石は魔力を供給できるので、魔法道具のエネルギー源として使える。

貴族は魔石を使った魔法道具に囲まれて生活している。


この屋敷は、井戸とガス井戸と温泉を完備しているから、あまり魔石を使っていない。


「魔石なら、あるぞ。もってこようか?」

「あ、白狼娘さん。持っていたら、くださいな」


白狼娘は、自分の部屋にしている大きな部屋に行って、すぐに戻ってきた。


「ほら。どれでも好きなの使っていいぞ」


ごろんと拳大の魔石を5個。もっと大きい倍サイズの魔石が2個。

袋からテーブルに出した。


「うわ、なんですか、それ」

「我の魔石コレクションだぞ。もっと必要ならまだまだあるぞ」

「そんなに魔石を持っているんですね。まぁ、ずいぶんと魔物を狩っていますからね」


普通の魔石は、そんなに大きいものは稀だ。

きっとA級魔物やS級魔物の魔石に違いない。


「あのぅ。そんなに大きい魔石じゃなくて、小指の先くらいの大きさのが欲しいの」

「そんなのは、ないぞ」


そのサイズの魔石は、ゴブリン程度の魔石だ。

白狼娘はそんなザコの魔物の魔石は無視しているんだろう。


「どれ。使い切った魔石を貸してごらん」


魔石を手に乗せて、そこに向けて魔素を集めてみた。

魔石がじんわりと光を発している。


「うん。これで当分は大丈夫じゃないか」

「えっ、そんなことできるの?」


魔石は魔素が集まって出来たもの。

魔物の体内で時間をかけて魔素が魔石になる。


「強い魔素を流し込んでやれば、短時間で魔石が活性化するんじゃないかと思って」

「そんなことする魔法使いはいないわね。効率悪すぎ」


まぁ、ゴブリンの魔石だと大した値段にならないから、使い捨てになるのだろう。

白狼娘がもって来たような大きな魔石になると、フルパワーで魔素を注入しないと活性化できないかな。


「ご主人様、ありがとう」


ミントはパタパタと走っていった。


「この魔石はいらないのか?」

「こんな大きな魔石、うちの屋敷じゃ使いませんね」

「そうか」

「なんか、造りましょうか。この魔石で」

「なら、あれはどうか。空を飛ぶ船」


前に公爵様が乗った飛行船を見たことがある。

そういえば、白狼娘が乗ってみたいと言っていたな。


あの飛行船は公爵様のだから、無理だ。

定期航路は帝都までいかないとないし。


「造ってみようかな。飛行船」

「本当か!」


ここにある魔石だけで相当エネルギーを発生できる。

あとは、浮き上がる原理を造ればいい。

どうやったら、できるのかな。


普通の飛行船は、浮遊石を使っているらしい。

だけど、そんな石、この街の近くには見つけられない。

私が土魔法で浮かせることはできるんだけど。


「自分で操縦したいんですよね」

「そうだ。大きくなくていいぞ。我だけでいい」


一人乗りの飛行船か。

試してみる価値あるな。


馬列車の次は、飛行船か。

面白いかも、しれないな。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ