第259話 恨みを買ってしまったらしい
いつの間にかふたりの少年が近くに立っていた。
髪の毛が緑と青で同じ顔をしている。
「あ、お久しぶり。元気だった? 双子の暗殺者くん」
「「今は護衛だよぉ。双子のね」」
そうだった。双子の彼らを影の護衛としてやとっていたんだ。
影だから、全く気づかなかった。というより、忘れていた。
「なぜ、出てきたの?」
「「暗殺者がいるからだよっ。どうしたらいいかなぁ」」
「そんなのがいたのか。やっつけて下さいな」
「「ラジャー」」
双子は僕が歩いてきた方向に走り出すと脇道に入った。
しばらくすると、ひとりの黒い衣装に身を包んだ男を連れてきた。
見た目は黒ずくめの衣装で、そのまま忍者だ。
この世界に忍者という職業があるのかは分からないけどね。
その忍者風の男はすでに縄で縛られている。
「「ひっとらえました」」
「じゃあ、こいつが誰に頼まれたか聞き出してくれる?」
「「ラジャー」」
嬉しそうに双子は尋問というか、そんなことを始めた。
「どこの誰が君を派遣したのかな」
「答えたくないってことだよね。痛いのが大好きってことでいいのかな」
うわっ、かわいい顔をしてエグイことするな。
文字にするのも憚れるエグイこと。
「まだ話したくないんだ。がまん強いね」
「うん、そんなに簡単に話すはずないよね。がんばろうね」
「僕らもがんばるからね」
言葉だけ聴いていると、励ましているように聞こえるけど、
やっていることは、エグイこと。
拷問って奴だね。
そんなことを10分くらい続けていたら、なんかごもごもと忍者男が話しをした。
「「ちぇっ」」
おいおい、なんで舌打ちするの?
喜ぶとこじゃないのかな。
「頼んだのは銀河商会ってとこだって」
青髪の影護衛少年が応える。
緑髪の方はまだ拷問を続けている。
もっといろいろと聞き出すみたい。
「なんでその銀河商会が僕を狙うんですしょうか?」
「銀河商会はGブランドのとこだってさ。Aブランドを作ったからでしょ」
おおっ、Aブランドのライバルの横槍ってことだね。
ありがちな展開だなぁ。
「銀河商会はマフィアの星天ファミリーの傘下だって」
「星天ファミリー?」
「この街の裏社会を牛耳っているマフィアだよ」
「それってヤバイってことですか?」
「大丈夫だよ。星天ファミリー直々に来たわけじゃないから。末端のひとつだから」
「そういうものかな」
「僕らが護衛しているんだよー。安心して大丈夫」
「それは心強いな」
だけど。
そういうことをする銀河商会はなんとかしないといけませんね。
ちゃんと手を打っておかないと。
双子は久しぶりの登場だぁ。




