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第244話 神様と約束はちゃんと守ること

結局、少女は解放されることになった。

後から登場した魔法使いがやはり頭で、奴隷に関しての決定権を持つという。


奴隷商人の頭は龍蛇神様の怒りを恐れて、無償で解放してくれた。

もちろん、今後、同じことがないように約束をした。


「これからは神様の名前を語ることは一切いたしません」


当たり前といえば当たり前のことなんだけど、村ではまだ神様の力が信じられているが街ではあまり信じている人がいなくなっている。


だから、街から街へと移動して商売をしている奴隷商人たちは神様が実在するなどとは考えていなかったようだ。


「それと龍蛇神様と縁ができたのだから、毎月新月の日にはお供え物をするように」


何度か、龍蛇神様に関わってきたから、お供え物の効果はよくわかっている。

だから、龍蛇神様のかわりに奴隷商人の頭に要求してみた。


ちゃんと清い心でお供え物を奉納して、お祈りをささげると神様はしっかりと見てくれている。


「何をお供えしたらいいのでしょうか?」


少女に神様が降りてきているので相談をしてみた。


「酒と収穫物だ」


大蛇神の伝説には、お酒に関わるものが多い。


日照りの頃に大きな樽でお酒を奉納して雨を降らせてもらった、とか。

本当に龍蛇神様は酒が好きらしい。


今度、僕も新月にミントと白狼娘と一緒に、龍蛇神様にお酒をささげてみよう。

きっと喜んでくれるはずだ。


「少女を奴隷商人に提供することを知っていたのは誰か?」


村の方にも、関係者がいるに決まっている。

そうでなければ、こんなに都合よく少女を神様に捧げる形が作れるはずがない。


「それは・・・」


いいどよんでいると、空がいきなり暗くなり雷が近くに落ちる。


「ひいっっ」


奴隷商人の頭は恐れでぶるぶると震えている。


「分かりました、言います。村長です。村長と金銭取引の約束をしてあったんです」


そこからは、村と奴隷商人の関係を洗いざらい話した。


あの村は貧乏村で奴隷として少女を提供しないと飢えで死者がでてしまうことが多い。

それを防ぐために奴隷商人と金銭取引をしていたのだ。


「根本的な問題は村が貧乏だということか」


たしかに、あの当たりは農作物の収穫が少ないという。

他にお金になる産品もない。


税金を支払ったら、村人達が食べる分しか残らない。

不作がおきたとしたら、それこそ飢えて死者すらでてしまう。


「俺達、奴隷商人はそんな村を助けることをしていたのだ」


奴隷の売買自体は違法ではない。

貧乏の為に子供を売る親もいる。


それ自体は商取引として認められている。


今回の問題は、奴隷として売るのを大蛇神に捧げるという嘘をついたこと。

それは、村長も同罪だ。


私は、村に戻って村長に直談判することにした。
















少女は奴隷にはならなくてすみました。

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