第225話 伯爵様にご報告
「これが金鉱石です」
「ほぉー。確かに金色だな。すると金まで出たということか?」
「はい」
私と鉱山学者が金・銀・銅・鉄の鉱石レンガを持って伯爵様に報告に来た。
「すでに土魔法で坑道も作っていただいたので、明日からでも掘り出せます」
「なんと。それはすごい。ご苦労だったな」
本当にうれしそうだ。
きっと、大きな収入源を手に入れたのだろう、伯爵様は。
「それで言いづらいことなんだが・・・」
「なんでしょう?」
「鉱山の権利収入の話でな。10%という話をしただろう」
「はい。1/10、もらっていいんですよね」
「それを少しまけてくれないか」
あれ、以外と伯爵様ってケチなのか。
金のレンガの1/3くらいくれてもいいと思うけどなぁ。
あ、だけど金貨千枚分あるんだっけ。
確かにケチりたくなるの分かるかも。
「持ってきたレンガもらっても仕方ないので精錬してもらって売買金額から精錬費用を引いた金額の1/10もらう形の約束でしたよね」
「えっ、持ってきたって・・・普通、見つけた鉱脈の権利だろ」
「あ、普通はそうかも。見つけても持って帰れないから・・・」
「私が君に提案したのは、鉱山としての権利だぞ」
ええっ。するとこれから採掘してあがった利益の10%ってこと?
ありえないでしょ、そんなすこい条件は。
「そ、そんなことは望んでいません。すごすぎます」
「そうなんだ。最初の日で見つけてしまうとは予想外だった。普通は何カ月もかけてみつかるかどうか、だからな」
どうしよう。話が合っていない。まずは先に持ってきた分を確定しておこう。
「今日持ってきた分の10%はもらえるんですね」
「ああ。それはもちろんだ。10%でも安いくらいだ」
それだけでも、相当な金額になりそうなんだけど。
その後ももらえてしまうのかな。
「まさか、これからあの坑道から生み出される利益の10%は多すぎますよね。そうですね1%にしませんか?」
「それでいいのか?」
「ええ。もちろん」
「よし、決めた。それでいこう。明日から坑夫を大々的に募集して掘りまくるぞ」
「もし、必要なら呼んでください。坑道とか作ります。あと、固い岩盤もあったから、坑夫で掘りづらいとこは土魔法に任せてください」
「おお。もちろんだ」
たった1日ですごい権利収入が生まれてしまうみたいだ。
何もしないでも売り上げがあがってことか。
土魔法、最高!
不労所得を手に入れました。
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