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第217話 天使と人間のミーティング

「ちょっと待ってくださいよ。じゃあ何かい?うちの串焼き屋のとなりに高級料亭があったりするんですかい?」


始まったショッピングモールミーティングで私が基本理念を語ると一番最初に発現したのは串焼き屋の大将だった。

市民の階層を関係しないでいろんなお店を入れるって話に喰いついてきた。


「そうです。分ける必要ってないんじゃないですか?」

「それは・・・」


大将の顔を見ると混乱しているのが分かる。

理由はないけど反対らしい。


「街コーデネーターさんの意見を聞かせてください」

「私?えっと、あまりに突飛なアイデアなんで・・・」


ありゃ、進歩的な街コーデのお姉さんも混乱しているの?

しかし、相変わらず素敵な胸の谷間ですね。隣の串焼き屋大将もチラチラ見ている。


「考えてみてくださいな。大将のとこの串焼き、お金持ちであっても食べたいと思いますよ」

「なに言ってるの。お金持ちはな、俺んとこみたいな安っぽい串焼きなんて見向きもしないんだ」

「私はたぶんお金持ちです。だけど、大将のとこの串焼きは時々食べたいなって思いますよ」


まんざらでもない顔の串焼き屋大将。


「だけど、ここに集まっている人たちはだいたい庶民のためのお店の方々ですよね。それでは高級店のお店の人の意見が聞けませんね」


冷静な街コーデのお姉さん。


「そうなんです。今はまだ高級店が参加するまで話が進んでないんです」

「しかし、ちょっと面白いアイデアではあるな」


街長さんが初めて賛成の意見を出してくれた。


「元々、新街の25街区は新街の唯一の商業街区だ。いままでの街だと商業街区は階層によって別のとこにあった。新街はそこまで広くないからひとつしかない」

「それはそうですか。常識だと街区の中でメインストリートに近い方が高級店になるし、裏通りは庶民の店になって、自然と別れますよね」

「その通り。だけど、街区が分かれているのと違って通ることくらいはするよな」


まだできあがっていない街だから、想像でしかない。それぞれがイメージしながら話している。


「もし、私が今もっている資産を投入してたくさんのお店が入るビルを建てるとしたら、25街区の良い場所を確保してくれますか?」

「もちろんだとも。まだほとんど決まっていない段階だから、希望の場所が確保できるさ」


最終決定権がある街長の了解がとれたから、土地の問題はクリアできた。


「街長としても、新街にお店が集まる建物ができると名物になるから歓迎だ。土魔導士さんが造る建物だから、普通の建物ではないのは予想がつくしな」

「街としてプラスなら、先行して建物を造ってしまうというのはどうでしょう」

「だけど、入居店が決まっていないのに、大きな建物を造るのはどうかと思うぞ」

「大丈夫です。3段階くらいに分けて拡張していく作り方ができますから」


すでにどんな形で作るかはアイデアは出ている。

中庭がある回廊型の店舗集合建築を考えている。中庭の天井は大きな板ガラスを使って雨は降らないが、日光は差し込む形にする。

中庭の周りには3階建ての店舗が各階10づつ入り特別な施設を除くと25の店舗が入る。このスタイルが第一期の形だ。

同様な回廊型の建物を増やして、つないでいくことで拡張がされていく形だ。


「それでは、どんな店が入るのかは後から決めるとして、まずは造ってしまうというのはどうでしょう?」


あ、湯んデレラの時と一緒か。街コーデお姉さんはそのスタイルが好きらしい。街長さんはちょっと渋い顔をしている。街長さんはちゃんと計画ができてから造る派だね。


私はというと、当然、造ってしまう派。とにかく土魔法を使うと素早くできる。だから、まずは造って失敗だったら作り直そうっていう考え。


その日のミーティングは長く続いたけど、結局はよくわからないって結論しかでなかった。

次は高級店の人も参加してもらってミーティングをしよう。


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