第180話 塩おにぎり
「開けるぞ」
「うん」
土鍋のふたを開けたら、中から美味しそうな匂いがある蒸気がもわっと上がってくる。
「上出来」
「はやく食べよう」
僕とミントのお茶碗によそる。
あと、一緒にいる食事担当のメイドさんの分は木のボウルによそる。
「「「いただきます」」」
キュウリの浅漬けと大根の味噌汁しかないけど、久しぶりのご飯。
楽しみっ。
「うまいっ」
「あ、おいしい。ちょっと甘味があるのね」
「だろ。上手いんだよ。ご飯は」
私は、あっと言う間に一杯食べてしまった。
ミントやメイドさんも負けてない。
「お代わりっ」
「ミントも」
そんな調子で、なんと私は3杯も食べてしまった。
ミントとメイドさんは2杯。
「このおいしさ、知って欲しいなぁ」
「そうよね。あのお米売っている人も知らない気がする」
「じゃあ、食べてもらおうか」
売っている人がおいしさ知らないのは問題だよね。
もっと多くの人においしさ知って欲しいしね。
まずは、売っている人をご飯のファンにしてみよう。
土鍋は大きいから、多めに炊いている。
お代わりしまくっても、まだ半分くらいご飯が残っている。
「うん。これを塩おにぎりにして、市場の人にもっていってあげよう」
「塩おにぎり?」
塩おにぎりがどんなものか説明するより、実際に作った方が早いね。
早速ひとつ、塩おにぎりを作ってみた。
ころんとした塩おにぎり。三角は難しいな。
「あ、美味しそう」
一つ目はあっという間に、ミントに食べられてしまった。
おいおい、いくらなんでも喰いすぎじゃないのかい。
「残りは全部塩おにぎりにして市場にもっていこう」
全部で8個の塩おにぎりができた。
本当のことを言うと、ノリがあるといいんだけどね。
あ、味噌があるから、味噌おにぎりも作れるな。
焼きおにぎりもいいな。
今は塩おにぎりだけ・・・シンプルイズベストだ。
「これを竹の皮に包んで。うん。うまそう」
「うん、おいしそう。市場の人もきっと喜んでくれるね」
塩おにぎりになりました。
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