表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
141/311

第142話 オークション当日

「珍しいですわね。伯爵様が来ているみたいですよ」

「令嬢の肖像画が出品されているからじゃないですか」

「そうですわね。伯爵が欲しがるような出品があるオークションではありませんからね」


噂されている伯爵というのは、この街を含めてこの地方全体を統治している領主だ。

いつもは伯爵家がある街にいるが、この街から馬車で4日ほど離れているからあまり来ることはない。


「もちろん、令嬢さんもどこかで見ているんだと思いますけど」

「それはそうです」


そんな噂が飛び交うオークション会場で、チャリティーオークションが始まった。


最初の出品物は、銀の食器セット。

ナイフからお皿、カップまで。6人の食卓なら、これだけで大丈夫という品物だ。

使っていた貴族が新しい物を買ったことで出品されたのだ。


「金貨12枚。それ以上の方、いませんか。それでは39番さんが金貨12枚で落札になりました」


最初から高額落札になったけど、次からは金額が下がった。


金貨1枚前後の出品物が10ほど続いて、そこからは絵画のパートに入った。


「今、最高に人気が出ている画家の見習い時代のスケッチです。どうです。この時代から素晴らしい線を描いていたことが分かります」


人気画家の昔の知り合いが出品したということで、オークションが白熱する。

結局、金貨20枚で落札が決まった。


その後も人気画家の作品が続き、金額もだんだんと上がってきた。

とうとう、金貨80枚という作品も出た。


そして、絵画の最後の目玉出品物。

伯爵令嬢の肖像画が、檀上に上がると歓声があがる。


「本来、外に出ることはまずない令嬢の肖像画です。令嬢本人の出品です」


歓声が一段と大きくなる。

いくらで落札されるのか、ざわざわしている。


「さらに今回は特別に肖像画に描かれている帽子もつけていただきました。もちろん、令嬢本人の出品です」


なんと。そんな隠し玉が。

令嬢自身が音楽家として人気があるのも含めて、競り落としたいというファンがたくさんいるだろう。


「それでは最初は金貨50枚から始めます」


50、60、70、80、90、100と、あっという間に金貨100枚の壁を突破してしまった。

それでもまだ競っている人が4人もいる。


110、115、118、120と、とうとう、前回の最高額と並んでしまった。

それでもふたりがまだ競っている。


125、130、135と来て、ここでやっとひとりが降りて、決定。


「金貨135枚。それ以上の方、いませんか。それでは3番さんが金貨135枚で落札になりました」


前回よりも15枚も多い、金貨135枚での落札。

会場にいる伯爵様も嬉しそうにしている。


「ほら、あそこにいる女性。あの女性があの絵を斡旋した人よ」


聖女さんと同じ格好をしているから、同じ教団の聖女さんなのだろう。

もう、2年連続で最高額になった気分でドヤ顔をしている。


そのあとは、ノンジャンルパートに入る。


雑多な出品物が続き、落札価格も高くても金貨10枚程度くらいだ。

もう興味がなくなった人が帰ったことで、会場の1/3は空き席になった。


そして、最後の最後に私が出品した物が登場した。

出品物が檀上にあがると、どよめきが起きた。


敵役聖女さんと、悪役になりそうな令嬢さんが登場。どうなるかな。


楽しく書いて、楽しく読んでもらえたらうれしいです。

ブクマと評価もよろしくです。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ