表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
123/311

第124話 魔法に頼るのは危険だよね

「さて、どんな魔法がいいかな」

「なんか、すごいやつ」

「どどーんって、火の柱とか」


あー、やっぱり、魔法っていうと、普通は火なのね。


「ごめん。お兄さん、火は出せないんだ」

「そうなの?なにができるの?」

「火の柱じゃなくて、土の柱でいいかな」

「「見たい、見たい」」


リクエストに応えて、土の柱をどどーんと出す。


何もない地面から、上に向かって急激に盛り上がっていく。

その代わり盛り上がりの周りの土は少し沈んでいく。


「こんな感じかな」


10メートルくらいの高さになったところで高くするのをやめて、

形を成形していく。

まん丸の太い柱になり、硬化して石の様になる。


「「すごいすごい」」


ふたりで別々の方向から柱を見ている。


「なんか他にも作ってもらいたいもの、あるかな」

「でも、もう作れないじゃないの?」

「えっ、どうして?まだまだ魔力はあるよ」

「魔力があってもできないと思うよ」


何を言っているんだろう。

柱一本で限界だと思ったのかな。

じゃあ、もう一本行ってみよう。


「ほら、もう一本、柱を出すよ」


土が盛り上がって・・・・あれ?・・・盛り上がらない。

なんか、ガス切れ100円ライターみたいに、ぶすっと言って何も起きない感じ。


「あれ?おかしいな」

「だから言ったじゃん。もう作れないって」


えっ、と思って双子を見ると、なぜか髪の毛の色が深い色になっている。

青だったのに紺、緑だったにモスグリーン。

瞳も茶色だったのが赤く変わっている。


「土魔法が使えないとダメダメのお兄さん、僕たちと戦わない?」

「なんだ、お前たち?」


いかん、こいつら、何か変だ。

まずは、防御だ。


土魔法を使って壁を作る・・・作れない!

すべての土魔法が使えない?


やばい。

こいつら、何をする気だ?


双子は小さなナイフを片手で3本、両手で6本、ふたりで12本もっている。


「僕らのナイフを受けてみる?」

「おい、やめろ」

「やめてください、じゃないの?お願いするときのマナーがなってない大人って駄目だよ」


こいつら、なめくさっていやがるな。

と言っても、なめられてもしかたないか。


土魔法に頼り切った生き方しているからなぁ。

それ止められてしまうと、無力だからね。


「じゃいくよ」


ふたりが同時に両手を振る。

12本のナイフが首筋に集中する。


「うわわわっ」


だけど、12本のナイフは首のすぐ横をかすめていく。

首に12本の赤い線を残して。


「どう?僕たちのナイフ、正確でしょ。こんどはどこ狙ってほしい?」

「なんだ。何が目的なんだ?」


だいたいこいつら、どこからわきやがったんだ。

誰が寄越したのか。

全く分からないことだらけ。


「そんなの教える訳ないじゃん。バカじゃないの」

「本当にバカ。バカは死なないとダメっていうよね」

「そうそう、バカは死なないとダメって」


それ違うぞ。バカは死なないと治らない、だろ。

って、そんな指摘している場合じゃないぞ。


「そろそろ死んでくれます?」

「いやだよ」

「嫌でも死んでもらいますけど」

「できるかな?」

「はぁ?何、恰好つけちゃっているかな。ここは土下座でもして命乞いじゃないの?」


なんか、こいつら、強く出ると面白いな。

もうちょっといじってあげようか。


「土下座すれば、許してくれると思う?」

「なにこいつ、偉そうに。許すはずないだろ」

「許すかどうかは、私が決めることだよ。早く命乞いしてよ」

「あー、こいつ、頭おかしくなってやんの。危機になると逃避しちゃうタイプだね」


あー、なんて逃避癖あるのバレたかな。

でも、今は危機じゃないから、逃避じゃないんだな、これが。


というのも、今、私の身体の中は土魔素が驚くほど強く巡っている。

たぶん、最大疾走をして馬より早く走ったときの10倍以上。


たぶん、無敵モード。


どう、お仕置きしてやろうか、こいつら!


相変わらず、甘い男ですね。


楽しく書いて、楽しく読んでもらえたらうれしいです。

ブクマと評価もよろしくです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ