これは午後三時から、午後四時にかけての出来事
前回のあらすじ、先延ばしにしていたらとんでもない利子がついてきました。
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・・・・・・はい、君らは何処のデ○タフォースですか?
俺は何処の黒幕のお父様? それともル○?
上空にガリア精鋭の空軍の飛竜隊、陸軍の侍従隊、暗部が次々、降下しております。
なにこの大捕物?この軍勢?俺、天○人殴った覚えないぞ?
つか、なんで俺の位置を!?
『相手は七英雄、アキラだ。確実に仕留めなさい。一人と思うな一匹と思え!』
こ、この【天の声】はルーか!?
ということはベルゼかクリフが俺を追跡してやがるな!?
俺の位置情報を国軍に流し、自由の槍・・・いや悪魔の巣のメンバーを温存する気か!
完全に包囲されているな?
しかも、兵士たちが全員、結界石を持っている。
マグドレア親娘が使った結界とは違い、規模も大きく、包囲網が移動する巨大な魔法陣になっている完全に一日やそこらで覚えれるものじゃない。
臨界者用に訓練してやがったな。
ガリアを少し侮ってたな。
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中央広場前、ギルド本部・二階、屋外テラス
「おお~、とうとう国軍まで出てきた。アキの奴、可哀想に・・・」
ガコライが中央広場に姿を現し、包囲されている親友を見物する。
もう一人の親友、アニもその様子を三時のおやつのケーキをパクツキながら見ている。
他にも中央広場の周囲の屋根に顛末を見ようと何名かの気配を感じる事から、漁夫の利を得ようと企んでいる輩がいるのだろう。
「・・・・・・アキ、ご愁傷様」
そして広場にアキラと王女、姫騎士が相対した。
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「さて、手塩にけて育てたポーン、クイーンとナイトに裏切られ王手をかけられたキング、クイーンもビショップもいない
ルークは結界の外だ。中央広場という開けた場所で単騎で、どこまでやれる?アキラ。」
『お嬢、容赦ね~。』
「ここまでは読み通りだ。 さぁ アキラ、私を楽しませろ!」
「ルー? あんたもしかして楽しんでるんじゃなくて、アキラに対して相当怒ってるんじゃ?」
「・・・・・・な 何のことだ?」
「「「「「「・・・・・・・・・・・・」」」」」」
(((((((嫉妬かよ)))))))
この時、悪魔の巣一同の心の声がシンクロした。
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目の前にガリア王国の王女様と姫騎士のアリシアが佇んでいる。
視界にアニとガコライがギルドのテラスでおやつを食いながら見ているし、クリフも補足した。
中央広場を包囲・・・・・・というより俺を包囲して逃がさないためだが、ここまでやるとは。
「このゲームの幕引きを行います。アキラさん、捕まってください。」
「もう捕まえた気か?この巫山戯たゲームのルールは分かってんだろう? クラリス。」
「抵抗は止めてください、アキラ・・・・・・これが余興とはいえ、私たちの想いは真剣である事を貴方は知っているはずだ。」
その言葉を聞き、彼女達の真剣な瞳を見て、俺はこの春に告白されたあの日を思い出していた。
(私、アキラさんの事が大好きです。 初めて会った時から、貴方のことを想っていました。)
(迷惑だとはわかっています。 私の身分でこんなわがまま通りませんし・・・でも本心です。)
(あ、好きといっても親愛ではなく、結婚したい、一生を共にしたいという愛の方ですよ♪)
(ナミさんにも、カグヤさんにも、アリシアにも負けませんから♪)
(私は姫様が好きです、でも、それ以上に先生・・・いえ、アキラ個人を愛しています!)
(申し訳ありません、姫様の剣となり盾となる私が・・・私が・・・)
(師弟愛じゃ嫌なんです!私は貴方が欲しいんだ!!)
(アキラと呼ばせてください。)
彼女達の師となり、友となり、茶を飲んだり、指導したり、談笑したりした日々。
この安らかな日々を壊さない為にも俺は彼女達を必要以上に愛してはならないと誓った。
娘として、妹として、友として愛し、尊敬し一線を引いた。
それが俺の矜持だからだ。
だが、彼女たちは自身の立場を理解しながらも俺に想いを告げた、それなのに俺はどうだ?
教師だから、医者だから、兄のような立場だから、異世界人だからとか・・・・・・
「逃げ」ばっかだな。
ナミは前世を断ち切り、俺に向きあった。
カグヤは自身の立場を危うくしかねないにも関らずに、俺を愛し続けてくれる。
クラリスは自身が俺と婚約関係にあるとは知らないにも関らず、純粋に王族の責務を放棄してまで、俺に本心を打ち明け、愛してると告白した。
アリシアは自身の想いが主君に不貞、裏切りと知っていて尚、クラリスの前で俺に想いを告げた
だったら俺の立ち位置を、姿勢もここではっきりしておかないとな。
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「愛情ってのは究極の我が儘だ、相手の愛しているという全力の我が儘に対し、こっちも全力の我が儘で答える。 この両者の我が儘のベクトルがぶつかり合い、結びついたとき、初めて幸せが生まれる。」
借り物のセリフだろうと何だろうと好きに言え!
だが、コレが俺の本心だ!誰にも偽りとは言わせん!
「だから、俺のことを本気で愛しているという者に対して、俺は全力の我が儘で応じる!
俺が欲しいのなら持てる力全てを使って奪いに来い! そして其れを妬み、阻もうとする者共、全てを倒して俺は幸せになってやる! 」
ハーレム宣言という奴だ。
今迄、自重してきたが、このような状況に陥った時の(召喚者や歴史上、英雄が救った味方に異端として当滅されることや、孤軍奮闘の状況)の為に研鑽を積んできたのだ邪魔する奴は全て叩き伏せる!
「全員、掛かって来いやぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
「「「「「「きゃあああああああああああ!!!!!!!」」」」」」
「「「「「「生きて帰れると思うなァァァァァァ!!!!」」」」」」
以前のギルドの時以上の歓喜と怒気の声が街中、国中から上がる。
ノエル
「ん・・・やはり彼はいい。」
ティファニア
「あわわわ、周りから殺気と惚気が渦巻いてます!」
クレア
「アキラさん、私、私は!」
ルー
「アッハッハッハ! 真逆、全員モノにする発言とは・・・・・・それでこそだ!」
マリア
「うわ~素で言いやがったっス、でもここまでいくと清々しいッスね。」
アニ
「・・・・・・でもアキラらしい。」
ガコライ
「これから苦労っすぞ? あの馬鹿。」
トビ
「兄貴、男ッス!」
クリフ
「旦那スゲー、でも何時か背中刺されるな。」
ベルゼ
「・・・・・・よし、殺そう。」
テレサ
「ふん、妾は構わぬぞ? もう、アキラ様以外眼中に無い。」
リン
「やっと本心が聞けた気がしますよ。 アキラさん。」
カグヤ
「我が儘で私に勝てる人なんていませんよ? アキラさん♪」
ナミ
「最後に笑うのは、私ですから問題ありませんね。」
人形師
「まだや!まだ終わらんでぇ! ナベや~ん!!!(怒)」
ビビ
「節操なしという点では義父上といい勝負ですね?」
???
「や、やっと税関通れた・・・急がなくては! 倒すべき者がガリアにいる!!」
アリシア
「フフフ、では私の愛をこの剣に込めます。」
クラリス
「そんなアキラが大好きです。」
全員の闘気、惚気、殺気が俺に集中する。
「でも・・・今、この場から逃げれると思ってるんですか?」
「逃げる? 違うな・・・此処に居るもの全てを制圧し、堂々とこの広場を去ってやる。」
今日ばかりは自重を捨ててやる。
後で後悔するような発言をしたんだ。
一年に一度位、そんな言動をするようなテンションが俺には起こるんだ。
だったらこのままいってやる!
「・・・・・・この世界に来て初めて、本気で戦ってやる!【魔改造】発動!!」
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クラリスside
瞬間、私はアリシアに抱えられ、アキラから飛び離れる。
同時に、魔石でブーストされた結界弾、封印魔法、拘束魔法、閃光弾がアキラに襲いかかる!
ドサクサに紛れて殺意混じりの魔法攻撃も放たれたがアキラには通じないだろう。
いかなる災害級のドラゴン、真祖、人狼、古代遺産の人造人間であろうと封殺できる量の魔法弾に加え、アキラによって鍛え上げられた精鋭だ。
弾幕が上がりながらも、魔力の続く限り、攻撃の手を緩めない、魔導部隊。
あれほどの魔法を打ち込まれて無事な筈が無い・・・
そんな観念、常識は捨てるように厳命している。
七英雄・カグヤは常識の外にいる怪物だ。
それを打倒したアキラに常識が通じるはずが無い!
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何十分たっただろうか?
索敵でアキラがソコに居るのはルー嬢からも確認をとっているし、生きていることもこちらで掴んでいる。
転移魔法を結界で封じているため、五将戦、七英雄戦で見せた転移による【絶対回避】も【名古屋撃ち】も使え無い。
後は拘束されたアキラさんに抱きついて【告白】すれば、私の勝ちだ。
だけど、やっぱりアキラさんは強かった。
弾幕が晴れ、そこには涼しい顔をした英雄が何事も無かったように立っていた。
クラリスside end
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次回、自重を完全に捨てたアキラが大暴れ!
魔改造フル活用!




