これは午前十時から、午前十一時にかけての出来事
喫茶店へGo!
少し短いかな?
前回のあらすじ、俺の中の人が変わった。
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【道具袋】に荷物を収納し、喫茶店へ繰り出す。
目指すは喫茶店だ。
ガリアの今日の開店状況、空き時間帯、女性限定メニュー、美味さ、価格、現在の女性陣の嗜好、その全てに満足行く、店舗を【索敵】で調べ上げ、予め席取りを【影分身】に任せ、条件を満たす目的の店へ【転移】で飛んでいく。
何処か無駄な使い方なんて声が聞こえるが、戦いに使わず平和利用しているのだから何か言われる筋合いなぞ無い。
ポルトガの海の家に臨界者勢揃いで出かけにいくのも面白そうだが、水着はまた今度の機会にするとしよう。
そしてやってきたのは喫茶「猫の目」
はい、あのギルドの猫耳三姉妹が経営しているお店です。
彼女たちはギルドで稼ぎながら、この喫茶店を経営しており、彼女たちが休日の訓練所にあまり顔を出さないのはコレが理由。
なかなか古風な雰囲気のお店(この時代、世界にとっては最新トレンドなのだが)なので、たまに俺も飲みにくる。
ここのハーブティーとケーキは絶品だ。
もちろん、異世界メニューも仕込んである。
「いらっしゃいませ。 ようこそ猫の目へ。」
うん、彼女は仕事とプライベートを分けるプロだな。
ウエイトレスのナディアが俺たちを迎える。
商売用の接客なので語尾にニャはつかない、少し残念だ。
「はい、テーブル席、二つでお願いします。」
そして席決めの時、ここにひとつの戦いが始まろうとしていた。
「あきらちゃんの隣は本妻の私が貰います。」
「恋人の私に決まっているでしょう?」
「わ、私だってちゃんと挙式を上げた本妻だぞ!」
「妾・・・いや、私もアキラ様の隣がいいです。」
「お姉さまの隣・・・」
「若いっていいわね~」
「アルマさん、私たちもこのグループの中ではかなり若いんですが。」
平均年齢を千年単位で上げている猛者が少なくても三人いるからな。
アルマ、ファンさんは参加しないのはわかっていたがミアータが参戦するとは・・・・・・
「ジャンケン・・・お願いします。」
ジャンケン、石、ハサミ、紙を手でもして雌雄を決する真剣勝負、駆け引きもあるが自身の命運を右手に託して挑む決闘法である。
なんか岸○露伴先生並に気合の入ったジャンケンを始める女性陣。
「ジャンケン!ホイ!あいこでホイ!」
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一位、ナミ
二位、カグヤ
三位、ルー
四位、テレサ
ドべ ミアータ
「な、何故私が負けたのですか?」
カグヤが驚愕の目で自身のチョキを見つめる。
「フフフ、皆さんお忘れかも知れませんが、私は運気を吸い取ることができるんです。予め運気はチャージ済みです!」
誇らしげに自身のグーを天にかざすナミ。
アレキサンダー大王級の幸運を持つカグヤを上回る幸運値てどれだけの量だろうか?
四人座りのテーブルに俺、ナミ、カグヤ、ルーと座る。
隣に、ナミ、正面に、カグヤ、斜向かいにルーだ。
「く・・・女神三人相手に運で勝負だなんて。」
「ふん 甘いぞミアータよ、最初から妾は運に頼る勝負などせん。」
そう言ってロリーな幼女に変身するテレサ・・・そして
「特等席じゃ♪」
俺の膝の上に収まるテレサ、見た目、仲睦まじい姉妹の様だ・・・いや、母娘か?
俺に父性はあっても母性を求めるのは止めてほしいのだが・・・
「な・・・そんな手が!」
「妾は運命という大河に翻弄される木の葉では無い、悠然と立ちふさがる巨大な岩よ!」
なんかミアータの嗜好というか、俺に厳しい理由がわかってきたがスルーだ、愛って奴は数値化不可能なものだからな、突っ込むのは無粋だろう。
いつまでたっても注文が滞るとウエイトレスのナディアさんが困るので注文を取る。
ナミ、ルーはこの店の常連の為、直ぐに決まるがカグヤは初めてなので少し困り顔だ。
だから、同じ日本人である俺が彼女の嗜好に合いそうなケーキをお茶を二つ選び、オススメを注文しもうひとつの候補を俺が選んで、一緒に食べ比べしようと提案する。
こういう気遣いも男として必須のスキルですことよ?
「今は「あきら様」、女性ですけどね?」
「お黙りなさい」
少し、巫山戯て女性言葉でテレサを叱ると美女達の笑いが溢れる。
う~ん確かにこの中で男一人だったりすると嫉妬もされるな・・・今は完全に女子会のようだが・・・
カグヤside
むぅ あきらさんの隣は逃しましたが、本来、デートは正面にすわって席に着くもの・・・これでよしとしましょう。
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だけど女です。
それにしても精霊化したアキラを見るのはコレが初めてではありませんが・・・女性の顔も中々・・・
ハッ・・・ありません!私にそっちの気はありませんよ!
カリサちゃんじゃないんですから!
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だけど女です。
しかし、メニューを選ぶ時や先ほどの買い物の時にサラっとエスコートするとは・・・・・・こういう気遣いとか優しさも魅力の一つなんですよね。
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だけど女です。
何だか女子会みたいです。
あきらさんもお話に花を咲かせている。
蝉も鳴いている
もう夏ですね・・・
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だけど女です。
カグヤside end
10:14:48
10:14:49
10:14:50
なんか不穏な思念を受けた気がする。
俺は男だー
なんて昔のサ○デーの主人公の様に叫ばなければ、男としての俺の存在危機ではなかろうか?
そんな事を考えている間に、お茶とケーキが運ばれる。
シュークリームやチーズケーキ、パフェなんて甘味が運ばれる、シャーベットの概念は既にあったがアイスクリームは無かったので、パフェなんて文化にまで発展させたのは俺たち異世界人の功績でもある。
なにも武功を示すだけが俺たちでは無い。
田中(人形師)は人形を世界各地に設置して遠隔治療や医療の発展
佐藤(悪魔使い)は日本のサブカルチャー
鈴木(鉄人)は機械文明を
カグヤ(戦女神)は服飾関係、農業
高橋(海賊王)は海運業、造船技術
山本は(勇者)スポーツ、競技運動を
俺は手広く行っている。
ミケラン、エリクさんにレシピを渡し、異世界に日本の食文化を伝えたのも俺だ。
そんな事を思いながら運ばれてきたケーキを食べ比べしたり、茶を楽しんだりと話す。
あ~女って楽しいかも。
男の時はなんて俺は馬鹿だったんだろうって ッは!?
ヤバイ、ヤバイ気をしっかり保たないと!
10:34:12
10:34:13
10:34:14
しばらくして、手隙になった厨房にいたこの店のマスター、ミケランとアーニャが来た。
「あ~その女性、アキラだったのかにゃ。アキラは女装趣味があったのかにゃ?」
「断じて違うぞミケラン!俺は好き好んでこんな格好は!」
「コラ!アキラ、女の子でしょ!」
「ナ、ナミ?俺は男なんだが?」
なぁ真逆このまま女性のままってのはないだろうな?
「なかなか楽しそうな事態にゃ この事は内密かにゃ?」
「頼みます。」
「でも大勢来てくれて嬉しいにゃ あ カグヤ様とファン様にサインが欲しいにゃ。」
そう言って色紙をだす。ミケラン。
因みに俺、ナミ、ルーのサイン色紙は既に店に飾られている。
「ええ、美味しい紅茶とケーキのお礼です。」
「・・・・・・まぁ及第点です。今後も精進するように。」
同性も見蕩れる笑顔と、全てを平伏させかねない、女帝と元・皇女から賞賛を受けながらサインを受け取るミケラン。
そういえば二人共イイとこの令嬢だったな。
彼女たちの舌を満足させるとはミケランの料理の腕は中々なものだ。
「家宝にするにゃ♪」
「ありがとうございます。」
早速色紙を飾りに行くミーハー猫耳娘。
その様子を見ていると俺の膝の上のテレサが俺の腕をチョイチョイ引っ張る。
「あきら様、妾はこのチョコレートサンデーなるものを食べたいです。」
「はいはい。ん?こらこら口が汚れているゾ?」
「ふぇ? んむむ」
ナフキンで幼女化したテレサの口を拭ってやる。
テレサは気持ちよさそうにされるがままだ。
「にへ、おか~様ぁ♡」
「は?」
「!? な、なんでも無い!なんでもないです!!」
「あ、ああ」
急に顔を真っ赤にして先程の発言を取り消すテレサ。
姿も変わると精神もそれに引きづられるのか?
俺も気を付けないと。
10:52:57
10:52:58
10:52:59
猫の目と言ったら喫茶店でしょう?
テレサが伏線を、アキラが変なフラグを立てました。
喫茶店での休憩なので短いです




